17 / 31
15 雨の日
しおりを挟む
ハイドラが紅茶を淹れに少し席を外した隙に、先の会話を聞いて影が雨の日でも2人で楽しめる卓上ゲームをいくつか用意してくれていた。
「これとかどうですか?」
目に付いた物の中身を取り出す。
「やったことの無い地方のものだね」
「説明書には
『①色つきのコマをそれぞれ選びボードの縁に置いて指で弾く。②コマをボードに書いてある円上に飛ばす。③最終的に置いてあるコマの下の合計数字が高い方が勝ち』みたいです。以前やった異国のダーツというゲームの応用みたいですね
簡易版、でしょうか」
大人数でもできるのだろう。
赤白黒黄青があってハイドラは青、タジオは白を選んでハイドラから始める。
「(ボードの端に置いたコマを指で弾いて中央に…と)」
見事ど真ん中に置かれた楕円の平べったいコマは次に弾かれた白いコマによって円外に出された。
「タジオ、君は私を立ててくれるつもり無いようだね」
「やり甲斐がないと楽しくないでしょう?」
「では私も本気でやろうか」
ゾクリと背筋が凍る笑顔を向けられたタジオはそこまで本気にならなくてもと恐怖を抱いた。
コマはそれぞれ10個あって交互に弾いていくがこのゲームは後攻が有利になるだろう。
そう思っていたタジオはしかし最後の1つで中央に固められたハイドラのコマをどう散らばらせるかと考え込んでいた。
「うーん…」
「君に勝ち目は無さそうだが粘るのかい?さっさと楽になってしまいなさい」
「ゲームとはいえ本気でやる、と言ったのですから勝ちに行きますよ」
円の中心からハイドラのコマ色の青、その周りに2つの白、更に外に青4つ。
円外はカウントされないので現在の円内にあるコマだけで見るとハイドラの勝利だ。
ほくそ笑みながらこれをどう攻略するのかと楽しみに盤上を見ると気づいてしまった。
「(私のコマとタジオのコマが中央で並んでいるから強く弾かれればもしかしたら…)」
タジオもほぼ同時にその可能性に気づいたようでコマを弾く。
カツンッと小さく音がなりコマが弾かれると見事ハイドラのコマが少し押し出され中央にはタジオのコマが2つ。
このゲームは中央にあるコマが1番得点が高く他の3つの円は外側程点が低い
「10点差か…大きいな」
「これは大人数でも十分楽しめそうです」
「今度またイカサマ無しで屋敷のものたちでやってみようか。トーナメント形式で」
「では次の雨の日の休日にでも」
「1試合しかやっていないが結構時間が経ったね」
「本当ですね 他のゲームもやってみますか?」
簡単そうなものを持ち上げハイドラへ差し出すが
「君はこういう事をして楽しみたいのかい?勿論問題はないけども」
「??」
受け取るなり何か変な言い回しをしたハイドラの手元へ目を向ける。
一見ただの投げ輪に見えるがよくよく見ると箱には『オトナ向け』とかいてあった。
「!?それって…!?」
「君が寄越したんだろう?説明書には…『ローションを商品に塗りつけ秘部へ押し当ててください。前立腺を刺激する為のものです』だそうだ
これも本気でやらなくてはね?」
何故確認しなかったのか。影が持ってきた物へ何故信頼してしまったのか。
後悔先に立たずとはこの事だ。
ハイドラとは1度も自身が受け入れる側をやったことはなかったが尻を差し出すようにと言われた。タジオは心の準備ができていなかったが受け入れるしかなかった。
「これとかどうですか?」
目に付いた物の中身を取り出す。
「やったことの無い地方のものだね」
「説明書には
『①色つきのコマをそれぞれ選びボードの縁に置いて指で弾く。②コマをボードに書いてある円上に飛ばす。③最終的に置いてあるコマの下の合計数字が高い方が勝ち』みたいです。以前やった異国のダーツというゲームの応用みたいですね
簡易版、でしょうか」
大人数でもできるのだろう。
赤白黒黄青があってハイドラは青、タジオは白を選んでハイドラから始める。
「(ボードの端に置いたコマを指で弾いて中央に…と)」
見事ど真ん中に置かれた楕円の平べったいコマは次に弾かれた白いコマによって円外に出された。
「タジオ、君は私を立ててくれるつもり無いようだね」
「やり甲斐がないと楽しくないでしょう?」
「では私も本気でやろうか」
ゾクリと背筋が凍る笑顔を向けられたタジオはそこまで本気にならなくてもと恐怖を抱いた。
コマはそれぞれ10個あって交互に弾いていくがこのゲームは後攻が有利になるだろう。
そう思っていたタジオはしかし最後の1つで中央に固められたハイドラのコマをどう散らばらせるかと考え込んでいた。
「うーん…」
「君に勝ち目は無さそうだが粘るのかい?さっさと楽になってしまいなさい」
「ゲームとはいえ本気でやる、と言ったのですから勝ちに行きますよ」
円の中心からハイドラのコマ色の青、その周りに2つの白、更に外に青4つ。
円外はカウントされないので現在の円内にあるコマだけで見るとハイドラの勝利だ。
ほくそ笑みながらこれをどう攻略するのかと楽しみに盤上を見ると気づいてしまった。
「(私のコマとタジオのコマが中央で並んでいるから強く弾かれればもしかしたら…)」
タジオもほぼ同時にその可能性に気づいたようでコマを弾く。
カツンッと小さく音がなりコマが弾かれると見事ハイドラのコマが少し押し出され中央にはタジオのコマが2つ。
このゲームは中央にあるコマが1番得点が高く他の3つの円は外側程点が低い
「10点差か…大きいな」
「これは大人数でも十分楽しめそうです」
「今度またイカサマ無しで屋敷のものたちでやってみようか。トーナメント形式で」
「では次の雨の日の休日にでも」
「1試合しかやっていないが結構時間が経ったね」
「本当ですね 他のゲームもやってみますか?」
簡単そうなものを持ち上げハイドラへ差し出すが
「君はこういう事をして楽しみたいのかい?勿論問題はないけども」
「??」
受け取るなり何か変な言い回しをしたハイドラの手元へ目を向ける。
一見ただの投げ輪に見えるがよくよく見ると箱には『オトナ向け』とかいてあった。
「!?それって…!?」
「君が寄越したんだろう?説明書には…『ローションを商品に塗りつけ秘部へ押し当ててください。前立腺を刺激する為のものです』だそうだ
これも本気でやらなくてはね?」
何故確認しなかったのか。影が持ってきた物へ何故信頼してしまったのか。
後悔先に立たずとはこの事だ。
ハイドラとは1度も自身が受け入れる側をやったことはなかったが尻を差し出すようにと言われた。タジオは心の準備ができていなかったが受け入れるしかなかった。
0
お気に入りに追加
89
あなたにおすすめの小説
BL団地妻on vacation
夕凪
BL
BL団地妻第二弾。
団地妻の芦屋夫夫が団地を飛び出し、南の島でチョメチョメしてるお話です。
頭を空っぽにして薄目で読むぐらいがちょうどいいお話だと思います。
なんでも許せる人向けです。

フローブルー
とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。
高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。
幼馴染は僕を選ばない。
佳乃
BL
ずっと続くと思っていた〈腐れ縁〉は〈腐った縁〉だった。
僕は好きだったのに、ずっと一緒にいられると思っていたのに。
僕がいた場所は僕じゃ無い誰かの場所となり、繋がっていると思っていた縁は腐り果てて切れてしまった。
好きだった。
好きだった。
好きだった。
離れることで断ち切った縁。
気付いた時に断ち切られていた縁。
辛いのは、苦しいのは彼なのか、僕なのか…。

【完結】神様はそれを無視できない
遊佐ミチル
BL
痩せぎすで片目眼帯。週三程度で働くのがせいっぱいの佐伯尚(29)は、誰が見ても人生詰んでいる青年だ。当然、恋人がいたことは無く、その手の経験も無い。
長年恨んできた相手に復讐することが唯一の生きがいだった。
住んでいたアパートの退去期限となる日を復讐決行日と決め、あと十日に迫ったある日、昨夜の記憶が無い状態で目覚める。
足は血だらけ。喉はカラカラ。コンビニのATMに出向くと爪に火を灯すように溜めてきた貯金はなぜか三桁。これでは復讐の武器購入や交通費だってままならない。
途方に暮れていると、昨夜尚を介抱したという浴衣姿の男が現れて、尚はこの男に江東区の月島にある橋の付近っで酔い潰れていて男に自宅に連れ帰ってもらい、キスまでねだったらしい。嘘だと言い張ると、男はその証拠をバッチリ録音していて、消して欲しいなら、尚の不幸を買い取らせろと言い始める。
男の名は時雨。
職業:不幸買い取りセンターという質屋の店主。
見た目:頭のおかしいイケメン。
彼曰く本物の神様らしい……。
隣のアイツは俺の嫁~嫌いなアイツの正体は、どうやら推しのバーチャルストリーマーらしい~
藤掛ヒメノ@Pro-ZELO
BL
夕暮れ寮シリーズ第三弾。
バーチャルストリーマーが好きな榎井飛鳥は、オタク全否定の隠岐聡が大の苦手だった。
だが隠岐の方には実は秘密があって――。
両視点から進む、ヤキモキのラブストーリー!
またのご利用をお待ちしています。
あらき奏多
BL
職場の同僚にすすめられた、とあるマッサージ店。
緊張しつつもゴッドハンドで全身とろとろに癒され、初めての感覚に下半身が誤作動してしまい……?!
・マッサージ師×客
・年下敬語攻め
・男前土木作業員受け
・ノリ軽め
※年齢順イメージ
九重≒達也>坂田(店長)≫四ノ宮
【登場人物】
▼坂田 祐介(さかた ゆうすけ) 攻
・マッサージ店の店長
・爽やかイケメン
・優しくて低めのセクシーボイス
・良識はある人
▼杉村 達也(すぎむら たつや) 受
・土木作業員
・敏感体質
・快楽に流されやすい。すぐ喘ぐ
・性格も見た目も男前
【登場人物(第二弾の人たち)】
▼四ノ宮 葵(しのみや あおい) 攻
・マッサージ店の施術者のひとり。
・店では年齢は下から二番目。経歴は店長の次に長い。敏腕。
・顔と名前だけ中性的。愛想は人並み。
・自覚済隠れS。仕事とプライベートは区別してる。はずだった。
▼九重 柚葉(ここのえ ゆずは) 受
・愛称『ココ』『ココさん』『ココちゃん』
・名前だけ可愛い。性格は可愛くない。見た目も別に可愛くない。
・理性が強め。隠れコミュ障。
・無自覚ドM。乱れるときは乱れる
作品はすべて個人サイト(http://lyze.jp/nyanko03/)からの転載です。
徐々に移動していきたいと思いますが、作品数は個人サイトが一番多いです。
よろしくお願いいたします。
ペイン・リリーフ
こすもす
BL
事故の影響で記憶障害になってしまった琴(こと)は、内科医の相澤に紹介された、精神科医の篠口(しのぐち)と生活を共にすることになる。
優しく甘やかしてくれる篠口に惹かれていく琴だが、彼とは、記憶を失う前にも会っていたのではないかと疑いを抱く。
記憶が戻らなくても、このまま篠口と一緒にいられたらいいと願う琴だが……。
★7:30と18:30に更新予定です(*´艸`*)
★素敵な表紙は らテて様✧︎*。
☆過去に書いた自作のキャラクターと、苗字や名前が被っていたことに気付きました……全く別の作品ですのでご了承ください!
【完結】運命さんこんにちは、さようなら
ハリネズミ
BL
Ωである神楽 咲(かぐら さき)は『運命』と出会ったが、知らない間に番になっていたのは別の人物、影山 燐(かげやま りん)だった。
とある誤解から思うように優しくできない燐と、番=家族だと考え、家族が欲しかったことから簡単に受け入れてしまったマイペースな咲とのちぐはぐでピュアなラブストーリー。
==========
完結しました。ありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる