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20 「古書店」
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『お邪魔します』
と笑顔で返事をすれば店主はまた口を開き歓迎の言葉をくれる。
『好きに見ていって。左奥に机と椅子があるから自由にどうぞ。ただし飲食は禁物だよ。気に入ったものがあればこちらに持ってきてくれれば売ることも出来る』
『丁寧にありがとうございます』
『値札は書いてないですよね、大体の価格帯教えて貰えますか?』
総一郎が一応、と尋ねる。
『ピンキリだがそこらにあるのは400ユーロくらいであっちのは大体500だな』
日本円にして5万円程の本となると高いが価値のありそうなものばかりのこの古書店ではそれでも低い方なんだろうことを伺い知れる。
買うとなったら大変だな、とカウンターを挟むようにある両サイドの階段の右から登りまた本棚に目を向ける3人。
しばらく眺めていると反対側から登ってきた店主に話しかけられた。
『話しかけてすまない、さっきは気づかなかったがCROWの社長か?』
『えぇ、そうですが』
わざわざ上がってまで話しかけてくる店主に何か用なのだろうかと巽は尋ねるが返答はなく、総一郎が黙りこくる店主へもう一度尋ねる。
『CROWに御用でしょうか?なにかあるのなら承りますが?』
『CROWにというよりか…コウは…その、元気に過ごしているだろうか?』
見たところ外見は40代だと伺えるが歳の近い慎ではなく祖父の鴻と面識が有るのだろうか。
『えぇ、元気に過ごしておりますがお知り合いですか?』
『いや、昔父が世話になってその時の1度だけ会ったことがある程度なんだ。…そもそも聞かなくてもCROWなのだから何かあればニュースになるよな。無駄話をしてすまなかった。楽しんでくれ』
一通り店内を見たがそれほど興味の引かれるものには出会えず、けれど最近は売れ行きが良くないと聞いた3人はネット通販できるようにしたらどうかと提案した。
店主はCROWが手伝ってくれるのならと契約が成立。
休日でもちゃっかり仕事に持ち込むCROWは抜かりない。
後日ドイツ支社の者が古書店へ本の管理に派遣されることとなった。
広い古書店を見て回っている間に2時間近くが経過しており現在は15時半ほど。
店の出入口でとりあえず今日はパン屋に寄ってホテルに戻ろうと話しながら自転車に跨ると店主が呼び止めた。
先程話しかけられた時に元気かどうかを聞いてくるほど気にかけてくれている店主に、祖父へ言付けがあるのなら伝えるが、と話したのだ。
その時は『元気ならそれでいい』と言っていたのだがやはり気にかかるのだろう。鴻宛の手紙を預かった。
『よろしく頼むよ』
預かった手紙を硬質ファイルに差し込みホテルへと向かう途中にある巽が気になっていたというパン屋へ入店する。
愁弥が食べたいと言っていたクロワッサンとライ麦全粒粉を多く使用した硬めのパン1本、それと猫用クッキーをオーダーした。
犬猫用のクッキーをよく作っているらしいパン屋の店主は巽たちが帰る日にあわせて味の違う物を用意してくれると言ってくれた。
日本では飼い主の手作りか量産されたものしかほぼ見かけない。
半田もさくらによく作っているがドイツの動物用クッキーはひと味違うと聞いていた。
さくらが気に入るか分からないが反応が楽しみだ。
ホテルに戻るなり日本で売られているものとは違う芳醇な薫りのクロワッサンへ手を伸ばし頬張る愁弥は目を輝かせて「めっっっっちゃ美味い」と叫ぶ。
大袈裟だなと横目で愁弥を見遣りながら巽と総一郎も頬張るが同じ表情で同じ感想をするしかなかった。
バターが違うとこうも違うのかと感動する。
もしかしたら小麦も違うのかもしれないがそこまでは3人には分からなかった。
ドイツ旅も後半。
今日は観劇デートの日だ。
3人は総一郎の用意した公演チケットで入場する。
巽は公演内容を知らされておらずワクワクしながら開演時間を待った。
開演のブザーがなり幕が上がると美しい女性が舞台中央に佇みスポットライトを充てられ話し始める。
男女の恋愛モノだったそれは序盤は切なく徐々に盛り上がりを見せ中盤は少しの笑いがあり終盤にはハッピーエンド。
演目では死者はなかったが怪我をする表現があった。
怪我をした当て馬の彼も別の人と結ばれ主要な登場人物は全員幸せに暮らしたという。
この演目は純粋な愛を表現したもので、多少当て馬の彼が盲目的なだけで誰かを殺したりするほど過激ではなかった。
作品のキャラクターではあるが3人は感情移入して「末永く幸せに」と同じような感想を述べたのだった。
そうしたドイツを満喫したひと月から帰国。
個人的な交流が祖父や父にあったのだと知れたドイツ旅は有意義なものとなった。
休暇のうちの3週間で新契約が5件、祖父や父の知り合いは立ち寄った店の8割にも登り、個人的なやり取りがあったのはそのうちの5割。
思った以上にドイツに知り合いがいたみたいだ。
家族と言えどもこんなに知らないことがあるのかと、もっと話を両親から聞いていれば面白かったかもしれない、等の少しの後悔が生まれるが祖父はまだ生きているのだ。
どこにどんな人がいるのかなんの話をしたのか、今のうちに聞いておくのもいいかもしれない。
家族としてもCROW社長としても見識を広めるために。
当代になってから初めて長く日本を離れていたがこまめに連絡を取り合っていたし今回も甚大なトラブルはなかったようだ。
帰国から2日たって出社するといつものように社員からの挨拶があちこちから聞こえる。
「おかえりなさい」
いつもなら「おはようございます」だが状況にあわせて挨拶を変える彼ら。
「フリースペースにお土産を置いておくから休憩時に取りにおいで」
労いの言葉とともに土産があると伝える。
ドイツで買ってきたお土産は有名すぎる物ではなく、巽達が現地で「売れそうだな」と思った物を大量購入してきた。
ただ買ってきただけでは無く市場調査の為だ。
まずは社内での捌け方で目に見えてわかるのだから利用するのもわけないだろう。
契約してきた5件と未契約の3件。
未契約なのは量産できず在庫がなかっただけで、CROWと契約したいと言ってくれた追加3件はそのうちまたあちらから連絡してくるので待つだけだ。
未契約というより仮契約の方が正しい。
巽は社長室で届いた土産をフリースペースに並べてどれを選ぶのか任意で年齢と選択した土産物にチェックをしてもらうようにと手配した。
「楽しかったな~じいちゃんへの手紙も4通あるから後で連絡入れておかなきゃね」
「あぁ、それなら俺から連絡入れておくわ」
やることないからと愁弥が自身の机にあるパソコンを立ち上げて鴻へメールを送り、総一郎は社長のサインが必要な書類を巽へ回す。
「こっちは今日中にね」
「了解」
時差ボケも大したことなく仕事に影響していないのはいいことだが、さくらロスが襲ってくる。
ドイツにいる間は手の届かないところにいたので諦めがつくが日本にいる今は触れないことが生殺しのように感じる。
「思いついた!ぬいぐるみ作ってもらおう」
「どうした?突然」
「ぬいぐるみ?」
急に大きな声で可愛いことを言う恋人へ2人は「ぬいぐるみか…大きいのあげたら喜ぶかな?」なんて考え出すが続けられた内容を聞いて自身らもそのぬいぐるみを欲しがることとなる。
「さくらは日中触れないでしょ?かと言って連れて来れないし新しい子を迎え入れるつもりもない。だから触り心地も見た目もそっくりなぬいぐるみを作ってもらったらいいかなって」
「それは名案だな」
「手触りも似せるとなるとコスト高くが需要はありそうだね。アレルギーで飼えない人にも良さそうだ」
心の中では総一郎もさくらそっくりなぬいぐるみを触るのを想像するが個人的に作るだけでは勿体ないだろうといっそ一般向けにも作成したらどうかと提案する。
「だよね!来週まで会議詰まってたでしょ?その次辺りにぬいぐるみ業者でできそうな所と連絡しておいて」
「承知しました」
と笑顔で返事をすれば店主はまた口を開き歓迎の言葉をくれる。
『好きに見ていって。左奥に机と椅子があるから自由にどうぞ。ただし飲食は禁物だよ。気に入ったものがあればこちらに持ってきてくれれば売ることも出来る』
『丁寧にありがとうございます』
『値札は書いてないですよね、大体の価格帯教えて貰えますか?』
総一郎が一応、と尋ねる。
『ピンキリだがそこらにあるのは400ユーロくらいであっちのは大体500だな』
日本円にして5万円程の本となると高いが価値のありそうなものばかりのこの古書店ではそれでも低い方なんだろうことを伺い知れる。
買うとなったら大変だな、とカウンターを挟むようにある両サイドの階段の右から登りまた本棚に目を向ける3人。
しばらく眺めていると反対側から登ってきた店主に話しかけられた。
『話しかけてすまない、さっきは気づかなかったがCROWの社長か?』
『えぇ、そうですが』
わざわざ上がってまで話しかけてくる店主に何か用なのだろうかと巽は尋ねるが返答はなく、総一郎が黙りこくる店主へもう一度尋ねる。
『CROWに御用でしょうか?なにかあるのなら承りますが?』
『CROWにというよりか…コウは…その、元気に過ごしているだろうか?』
見たところ外見は40代だと伺えるが歳の近い慎ではなく祖父の鴻と面識が有るのだろうか。
『えぇ、元気に過ごしておりますがお知り合いですか?』
『いや、昔父が世話になってその時の1度だけ会ったことがある程度なんだ。…そもそも聞かなくてもCROWなのだから何かあればニュースになるよな。無駄話をしてすまなかった。楽しんでくれ』
一通り店内を見たがそれほど興味の引かれるものには出会えず、けれど最近は売れ行きが良くないと聞いた3人はネット通販できるようにしたらどうかと提案した。
店主はCROWが手伝ってくれるのならと契約が成立。
休日でもちゃっかり仕事に持ち込むCROWは抜かりない。
後日ドイツ支社の者が古書店へ本の管理に派遣されることとなった。
広い古書店を見て回っている間に2時間近くが経過しており現在は15時半ほど。
店の出入口でとりあえず今日はパン屋に寄ってホテルに戻ろうと話しながら自転車に跨ると店主が呼び止めた。
先程話しかけられた時に元気かどうかを聞いてくるほど気にかけてくれている店主に、祖父へ言付けがあるのなら伝えるが、と話したのだ。
その時は『元気ならそれでいい』と言っていたのだがやはり気にかかるのだろう。鴻宛の手紙を預かった。
『よろしく頼むよ』
預かった手紙を硬質ファイルに差し込みホテルへと向かう途中にある巽が気になっていたというパン屋へ入店する。
愁弥が食べたいと言っていたクロワッサンとライ麦全粒粉を多く使用した硬めのパン1本、それと猫用クッキーをオーダーした。
犬猫用のクッキーをよく作っているらしいパン屋の店主は巽たちが帰る日にあわせて味の違う物を用意してくれると言ってくれた。
日本では飼い主の手作りか量産されたものしかほぼ見かけない。
半田もさくらによく作っているがドイツの動物用クッキーはひと味違うと聞いていた。
さくらが気に入るか分からないが反応が楽しみだ。
ホテルに戻るなり日本で売られているものとは違う芳醇な薫りのクロワッサンへ手を伸ばし頬張る愁弥は目を輝かせて「めっっっっちゃ美味い」と叫ぶ。
大袈裟だなと横目で愁弥を見遣りながら巽と総一郎も頬張るが同じ表情で同じ感想をするしかなかった。
バターが違うとこうも違うのかと感動する。
もしかしたら小麦も違うのかもしれないがそこまでは3人には分からなかった。
ドイツ旅も後半。
今日は観劇デートの日だ。
3人は総一郎の用意した公演チケットで入場する。
巽は公演内容を知らされておらずワクワクしながら開演時間を待った。
開演のブザーがなり幕が上がると美しい女性が舞台中央に佇みスポットライトを充てられ話し始める。
男女の恋愛モノだったそれは序盤は切なく徐々に盛り上がりを見せ中盤は少しの笑いがあり終盤にはハッピーエンド。
演目では死者はなかったが怪我をする表現があった。
怪我をした当て馬の彼も別の人と結ばれ主要な登場人物は全員幸せに暮らしたという。
この演目は純粋な愛を表現したもので、多少当て馬の彼が盲目的なだけで誰かを殺したりするほど過激ではなかった。
作品のキャラクターではあるが3人は感情移入して「末永く幸せに」と同じような感想を述べたのだった。
そうしたドイツを満喫したひと月から帰国。
個人的な交流が祖父や父にあったのだと知れたドイツ旅は有意義なものとなった。
休暇のうちの3週間で新契約が5件、祖父や父の知り合いは立ち寄った店の8割にも登り、個人的なやり取りがあったのはそのうちの5割。
思った以上にドイツに知り合いがいたみたいだ。
家族と言えどもこんなに知らないことがあるのかと、もっと話を両親から聞いていれば面白かったかもしれない、等の少しの後悔が生まれるが祖父はまだ生きているのだ。
どこにどんな人がいるのかなんの話をしたのか、今のうちに聞いておくのもいいかもしれない。
家族としてもCROW社長としても見識を広めるために。
当代になってから初めて長く日本を離れていたがこまめに連絡を取り合っていたし今回も甚大なトラブルはなかったようだ。
帰国から2日たって出社するといつものように社員からの挨拶があちこちから聞こえる。
「おかえりなさい」
いつもなら「おはようございます」だが状況にあわせて挨拶を変える彼ら。
「フリースペースにお土産を置いておくから休憩時に取りにおいで」
労いの言葉とともに土産があると伝える。
ドイツで買ってきたお土産は有名すぎる物ではなく、巽達が現地で「売れそうだな」と思った物を大量購入してきた。
ただ買ってきただけでは無く市場調査の為だ。
まずは社内での捌け方で目に見えてわかるのだから利用するのもわけないだろう。
契約してきた5件と未契約の3件。
未契約なのは量産できず在庫がなかっただけで、CROWと契約したいと言ってくれた追加3件はそのうちまたあちらから連絡してくるので待つだけだ。
未契約というより仮契約の方が正しい。
巽は社長室で届いた土産をフリースペースに並べてどれを選ぶのか任意で年齢と選択した土産物にチェックをしてもらうようにと手配した。
「楽しかったな~じいちゃんへの手紙も4通あるから後で連絡入れておかなきゃね」
「あぁ、それなら俺から連絡入れておくわ」
やることないからと愁弥が自身の机にあるパソコンを立ち上げて鴻へメールを送り、総一郎は社長のサインが必要な書類を巽へ回す。
「こっちは今日中にね」
「了解」
時差ボケも大したことなく仕事に影響していないのはいいことだが、さくらロスが襲ってくる。
ドイツにいる間は手の届かないところにいたので諦めがつくが日本にいる今は触れないことが生殺しのように感じる。
「思いついた!ぬいぐるみ作ってもらおう」
「どうした?突然」
「ぬいぐるみ?」
急に大きな声で可愛いことを言う恋人へ2人は「ぬいぐるみか…大きいのあげたら喜ぶかな?」なんて考え出すが続けられた内容を聞いて自身らもそのぬいぐるみを欲しがることとなる。
「さくらは日中触れないでしょ?かと言って連れて来れないし新しい子を迎え入れるつもりもない。だから触り心地も見た目もそっくりなぬいぐるみを作ってもらったらいいかなって」
「それは名案だな」
「手触りも似せるとなるとコスト高くが需要はありそうだね。アレルギーで飼えない人にも良さそうだ」
心の中では総一郎もさくらそっくりなぬいぐるみを触るのを想像するが個人的に作るだけでは勿体ないだろうといっそ一般向けにも作成したらどうかと提案する。
「だよね!来週まで会議詰まってたでしょ?その次辺りにぬいぐるみ業者でできそうな所と連絡しておいて」
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