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番外編 妻と娘がおかしな歌を歌っている。
しおりを挟む妻がおかしな歌を歌っている。
おっぱい♪おっぱい♪大きいおっぱい♪
大きいおっぱい、お母さんのおっぱい♪♪
おっぱい♪おっぱい♪小さいおっぱい♪
小さいおっぱい、赤ちゃんのおっぱい♪♪♪
娘の美之に授乳させながら鼻歌まじりに歌っているが、自分でつくったんだろうか?
京司朗はみふゆに問おうとしたが思い直して書斎に行った。
机の引き出しから一冊の冊子をだした。婚約時、みふゆの後輩の梨理佳からもらったみふゆのトリセツである。
パラパラと開くとその項目をみつけた。
6. みーちゃん先輩が歌っている時はとってもご機嫌な時です。歌の内容について指摘をしてはいけません。二度と歌わなくなります。気をつけましょう。野鳥観察のように静かに温かな目で見守ることが大切です。
・・・。まあ、今のところ見守りでいいか。
それから二年後━━━
娘がおかしな歌を歌っている。
がじゃいもー♪がじゃいもー♪
がじゃがじゃいもいもーー♪♪
がじゃいも?
言葉を覚えるようになった娘の美之が歌っている。
ひたすら「がじゃいも」を連呼している。
おそらくジャガイモのことだろうが。
「そうそう、そうなの。ジャガイモって教えても何故か『がじゃいも』になっちゃうから、もう『がじゃいも』でもいいかなって思って」
妻のみふゆが笑顔で答えた。
娘は無邪気に歌い続ける。後に続いて妻も歌う。
がじゃいもー♪がじゃいもー♪
がじゃいもー♪がじゃいもー♪
・・・。
一生『がじゃいも』の気がする。
頃合いをみて俺が教えなおそう。
子供の道を正すのも父親の役目だ。
さらに一年後━━━
大型テレビの前、巨大遊園地のパレードの放送を観ながら、妻と娘が手を取りあって踊っている。
「ぼくらのクラブのリーダーはー♪」
母と娘というのは微笑ましい。
かわいい振りを付けながら歌い始めた。
「おっさるさん♪おっさるさん♪おっさるさん♪♪♪」
え?
猿なのか?
なんだか方向がおかしくないか?
妻と娘の歌がおかしな歌になっている。
♪ちっちゃくてかわいいおっさるさん♪
♪おっさるさん♪おっさるさん♪おっさるさん♪♪♪
♪ちっちゃくてー(ちっちゃくてー)
♪かわいいー(かわいいー)
♪ぼくらのおっさるさん♪♪ウキッ♪♪♪
♪さあさあみんなで声だしてー♪
♪おっさるさん♪おっさるさん♪おっさるさん♪♪
♪歌って踊って讃えよう♪
♪おっさるさん♪おっさるさん♪おっさるさん♪♪♪
猿を讃える歌なのか・・?
新興宗教を起ち上げないうちに止めたほうがいいだろうか?
いや、様子見でいいだろう。
たかが歌だ。
♪下北半島、青森県♪♪
♪占領だ!占領だ!おっさるさん♪♪♪
♪モンキーセンター淡路島ー♪♪
♪反乱だ!反乱だ!おっさるさん♪♪♪
いや、やはり止めよう。
下北半島と淡路島が危険そうだ。
猿を操ってよからぬ思想を持っていると思われる前に止めるのが無難だ。
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