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201. ロンド~踊る命~ -18- 世界は常に変化する
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みふゆは気がついたら外にいて、アユミと出会ったと話した。
京司朗と散歩に出た、病院の庭のひとつ、バラ園への通り道。脇道があり、脇道を入ると川があるが立ち入り禁止になっていると教えてくれた場所だ。
死者の気配がした。
川の流れに死者が運ばれていくのだと、みふゆは感じとった。
暗闇のなかにポニーテールの後ろ姿がみえ、声をかけた。振り向いたのは、高校生くらいに見える女性だ。十代の少女に見えた。女性は“アユミ”と名乗った。
アユミは死者が集まる場所へ足を進めていた。
『生きててもあまりいいことがなかった。疲れたからもういいんだ』と死を望むアユミを、止めようにも止める術がわからなかった。
アユミは自分をデリヘル嬢だと言った。客の一人が堀内健次らしい。それならば二十歳を過ぎてるだろう。堀内健次は未成年、十代の女は“面倒くさい”と言って手を出さないからだ。
そして、みふゆとアユミは死霊に襲われた。
「アユミさんはわたしが捕まったのを見て助けようとしたんです。そのせいで黒い手に吹き飛ばされて消えてしまって・・」
みふゆは涙を流した。
「それから・・若頭が来てくれて・・、あいつをやっつけてくれて・・・。若頭は・・?若頭はどこですか・・!?若頭は無事ですか!?」
「大丈夫、大丈夫だ。京司朗は俺の兄貴の、寺の和尚と一緒だ。魔物を相手にしたんだ。今は浄めのお経をあげてもらってるところだ」
「本当?!本当に?!」
京司朗を想うみふゆの必死な瞳が、貴之の気持ちに影をさす。
「本当だ。だから安心しろ。ところでそのアユミって娘は名前の他に知ってることは無えのか?」
「・・堀内社長の知り合いだと思います。自分のことデリヘル嬢だって・・。誰かと間違われて刺されたって言ってました」
貴之の表情が険しくなった。
「ここの患者ならすぐにわかるな」
堀内健次の関係者ならなおさらだ。
貴之が懐から携帯電話を取りだした。
貴之が電話をしている間も、みふゆはアユミが無事であることを祈った。
「これでいい。あとはこの御守りをしばらくの間肌身離さず持っていろ」
惣領一心が京司朗にお経をあげおわり、権現寺の御守りを渡した。
「それと、守り刀は寺で預かる。魔物を斬ったあとだ。これも浄めにゃならん」
「わかりました。よろしくお願いします」
京司朗が鞘に収まった守り刀を一心に手渡した。
一心は京司朗から刀を受け取り、自らの袈裟で包んだ。
惣領家に代々伝わる守り刀は一年に一度、権現寺に一定期間預けられる。浄めの手入れをするためだが、それ以外で寺に預けられるのは珍しいことだった。
「和尚」
「なんだ?」
「権現寺で修行をする許可を頂けませんか」
京司朗が申し出た。
貴之が電話を終えた。
みふゆは貴之の言葉を待った。
貴之がため息をついた。
みふゆは唇をぎゅっと結んだ。
「意識を取り戻したそうだ。アユミって娘は無事だ。生きている」
貴之の言葉に、みふゆの両眼から再び涙が溢れた。こらえきれず泣き声をあげた。みふゆは何度も「よかった」と繰り返し、アユミが無事だったことに感謝した。
貴之が泣きじゃくるみふゆの頭を撫で、そっと抱きしめた。
「確かに堀内の知り合いだった。いや、身内だ」
「・・・身内・・?」
貴之がみふゆを放し、両肩をつかんだ。
「アユミって娘は堀内健次の配偶者だ」
「・・はい・・ぐうしゃ?・・・?・・」
「あらあら、この前エリカさんと離婚したと思ったら、ずいぶん早い再婚ねえ」
惣領早紀子がにこやかに衝撃の事実を口にした
「・・え?・・・あの、・・・え???」
堀内健次とエリカが離婚。
寝耳に水である。
いったいどういうことなのか。
確かにあの二人ならいつ離婚してもおかしくなかった。何故結婚という一つの着地点にたどり着いたのか、甚だ疑問に思うくらい激しい夫婦間抗争を繰り広げる仲だった。逆に、永遠に夫婦関係を維持するのではないかと思える節もあった。あれだけ互いに言いたいことを言えるなら、夫婦間におけるストレスは皆無であろう。
みふゆは身近な人間の、関係の解消という変化に驚いていた。
そうだ。世界は変化するのだ。常に、常に。変わり続けているのだ。
一瞬たりとも止まっていない。
自分自身も堀内健次と同じで、変わったではないか。
家族のいない独りから、惣領貴之の養女となり、新たな家族を得たのだ。
自分が変わるのは当たり前で、周りの誰かは変わらないだろうなんて、心のどこかで思っていた気がする。
自分の知らない場所ではそれぞれの物語が展開し、進行している。
いま、この瞬間も。
極々当たり前の事が意識して考えると、みふゆには不思議な気がした。
生者の世界はくるくると絶え間なく廻っている。
すれ違い、絡み合い、出会い、出会わず、人は皆、物語を織りあげている。
ひとつひとつの命が同じ時間の中で、全く別の人生を創り、自分という個性を生きている。
アユミの無事がはっきりしたのと、衝撃的な事実に涙は止まった。ほっとして、ベッドに背もたれると、早紀子から眠るように促された。
だが、京司朗がまだ戻ってこない。みふゆは京司朗を待ちたいと言った。京司朗の顔を見なければ落ちつかない。お礼も言いたい。
みふゆは京司朗を待ったが、やがてうとうととし、眠ってしまった。
京司朗がみふゆの病室に戻ってきたのは、みふゆが眠ったすぐあとだった。
「ずっと待ってたのよ。あなたの無事を確かめてお礼を言いたいって」
早紀子の言葉に、京司朗は胸が熱くなった。
みふゆの一挙一動が、言葉が、その気持ちが、自分を思ってくれているのだと感じると、なんとも言えない満たされた気持ちになった。これが、心からひとを愛するということか。
貴之が京司朗に報告を求めた。
貴之と京司朗は病室を出て、向かい側の談話室に場所を移し、報告を受けた。
「守り刀は魔物を斬ったあとなのでしばらく権現寺で預かるとのことでした」
「そうか。・・奴を見たか」
「はい。両眼と口だけがはっきりとわかる、黒い人の形をしていました。俺を下賎な毛唐と言ってましたね」
京司朗は苦笑いを浮かべた。今さらながら、下賎な毛唐などという言葉を聞くとは思わなかった。
「みふゆのことは何か言ってたか」
「“我が姫”と」
「“我が姫”だ?みふゆは俺の娘だ!惣領家の娘だ!水無瀬にゃ渡さねえ!」
貴之は語気を荒げて吐きすてた。
「水無瀬とはなんですか?彼女の母親がその水無瀬に関係があるのですか?」
「・・・水無瀬はこの国から消えた一族だ。女に高い霊能力者が生まれる一族で、その能力を使って神託を行っていた。そして、水無瀬一族を崩壊させ消し去ったのがみふゆの母親の礼夏と風見順だ。礼夏は水無瀬の最後の当主だった」
「では母親は水無瀬の血族のひとりなのですか?」
「そうだ。特に礼夏は人を操る能力に長けていた。“水無瀬の邪眼”とまで呼ばれていた」
「会長には効かなかったようですが?」
「礼夏にも得手不得手はあったのさ。だから礼夏は権現寺に修行に入ったと当時言っていた。京司朗━━━」
「はい」
「言うなれば、みふゆは礼夏の血を、水無瀬の血をひく者だ。みふゆが恐ろしいか?」
「いいえ」
京司朗は即答した。
「お前が斬った死霊は水無瀬玄州だ。水無瀬一族の統率者だ。一介の拝み屋だったのが、男だが希な霊能力を持っていたせいで政治経済界から頼られるようになった。玄州はそういった連中の懐に入り込んで水無瀬の地位を高めていった」
「━━━知りませんでした」
「水無瀬が崩壊した頃、お前はまだ七、八歳くらいだ。知るわけがねぇんだ。水無瀬の力でのし上がった連中はいまもそこそこいるが、その名を口にすれば非業の死を遂げる。それが“決まり”だ。だから誰も名すら口に出来ねえのさ。せっかく築いた地位を謳歌しねえで死ぬなんざ誰だってごめんだからな」
貴之は話を続けた。
みふゆは気がついたら外にいて、アユミと出会ったと話した。
京司朗と散歩に出た、病院の庭のひとつ、バラ園への通り道。脇道があり、脇道を入ると川があるが立ち入り禁止になっていると教えてくれた場所だ。
死者の気配がした。
川の流れに死者が運ばれていくのだと、みふゆは感じとった。
暗闇のなかにポニーテールの後ろ姿がみえ、声をかけた。振り向いたのは、高校生くらいに見える女性だ。十代の少女に見えた。女性は“アユミ”と名乗った。
アユミは死者が集まる場所へ足を進めていた。
『生きててもあまりいいことがなかった。疲れたからもういいんだ』と死を望むアユミを、止めようにも止める術がわからなかった。
アユミは自分をデリヘル嬢だと言った。客の一人が堀内健次らしい。それならば二十歳を過ぎてるだろう。堀内健次は未成年、十代の女は“面倒くさい”と言って手を出さないからだ。
そして、みふゆとアユミは死霊に襲われた。
「アユミさんはわたしが捕まったのを見て助けようとしたんです。そのせいで黒い手に吹き飛ばされて消えてしまって・・」
みふゆは涙を流した。
「それから・・若頭が来てくれて・・、あいつをやっつけてくれて・・・。若頭は・・?若頭はどこですか・・!?若頭は無事ですか!?」
「大丈夫、大丈夫だ。京司朗は俺の兄貴の、寺の和尚と一緒だ。魔物を相手にしたんだ。今は浄めのお経をあげてもらってるところだ」
「本当?!本当に?!」
京司朗を想うみふゆの必死な瞳が、貴之の気持ちに影をさす。
「本当だ。だから安心しろ。ところでそのアユミって娘は名前の他に知ってることは無えのか?」
「・・堀内社長の知り合いだと思います。自分のことデリヘル嬢だって・・。誰かと間違われて刺されたって言ってました」
貴之の表情が険しくなった。
「ここの患者ならすぐにわかるな」
堀内健次の関係者ならなおさらだ。
貴之が懐から携帯電話を取りだした。
貴之が電話をしている間も、みふゆはアユミが無事であることを祈った。
「これでいい。あとはこの御守りをしばらくの間肌身離さず持っていろ」
惣領一心が京司朗にお経をあげおわり、権現寺の御守りを渡した。
「それと、守り刀は寺で預かる。魔物を斬ったあとだ。これも浄めにゃならん」
「わかりました。よろしくお願いします」
京司朗が鞘に収まった守り刀を一心に手渡した。
一心は京司朗から刀を受け取り、自らの袈裟で包んだ。
惣領家に代々伝わる守り刀は一年に一度、権現寺に一定期間預けられる。浄めの手入れをするためだが、それ以外で寺に預けられるのは珍しいことだった。
「和尚」
「なんだ?」
「権現寺で修行をする許可を頂けませんか」
京司朗が申し出た。
貴之が電話を終えた。
みふゆは貴之の言葉を待った。
貴之がため息をついた。
みふゆは唇をぎゅっと結んだ。
「意識を取り戻したそうだ。アユミって娘は無事だ。生きている」
貴之の言葉に、みふゆの両眼から再び涙が溢れた。こらえきれず泣き声をあげた。みふゆは何度も「よかった」と繰り返し、アユミが無事だったことに感謝した。
貴之が泣きじゃくるみふゆの頭を撫で、そっと抱きしめた。
「確かに堀内の知り合いだった。いや、身内だ」
「・・・身内・・?」
貴之がみふゆを放し、両肩をつかんだ。
「アユミって娘は堀内健次の配偶者だ」
「・・はい・・ぐうしゃ?・・・?・・」
「あらあら、この前エリカさんと離婚したと思ったら、ずいぶん早い再婚ねえ」
惣領早紀子がにこやかに衝撃の事実を口にした
「・・え?・・・あの、・・・え???」
堀内健次とエリカが離婚。
寝耳に水である。
いったいどういうことなのか。
確かにあの二人ならいつ離婚してもおかしくなかった。何故結婚という一つの着地点にたどり着いたのか、甚だ疑問に思うくらい激しい夫婦間抗争を繰り広げる仲だった。逆に、永遠に夫婦関係を維持するのではないかと思える節もあった。あれだけ互いに言いたいことを言えるなら、夫婦間におけるストレスは皆無であろう。
みふゆは身近な人間の、関係の解消という変化に驚いていた。
そうだ。世界は変化するのだ。常に、常に。変わり続けているのだ。
一瞬たりとも止まっていない。
自分自身も堀内健次と同じで、変わったではないか。
家族のいない独りから、惣領貴之の養女となり、新たな家族を得たのだ。
自分が変わるのは当たり前で、周りの誰かは変わらないだろうなんて、心のどこかで思っていた気がする。
自分の知らない場所ではそれぞれの物語が展開し、進行している。
いま、この瞬間も。
極々当たり前の事が意識して考えると、みふゆには不思議な気がした。
生者の世界はくるくると絶え間なく廻っている。
すれ違い、絡み合い、出会い、出会わず、人は皆、物語を織りあげている。
ひとつひとつの命が同じ時間の中で、全く別の人生を創り、自分という個性を生きている。
アユミの無事がはっきりしたのと、衝撃的な事実に涙は止まった。ほっとして、ベッドに背もたれると、早紀子から眠るように促された。
だが、京司朗がまだ戻ってこない。みふゆは京司朗を待ちたいと言った。京司朗の顔を見なければ落ちつかない。お礼も言いたい。
みふゆは京司朗を待ったが、やがてうとうととし、眠ってしまった。
京司朗がみふゆの病室に戻ってきたのは、みふゆが眠ったすぐあとだった。
「ずっと待ってたのよ。あなたの無事を確かめてお礼を言いたいって」
早紀子の言葉に、京司朗は胸が熱くなった。
みふゆの一挙一動が、言葉が、その気持ちが、自分を思ってくれているのだと感じると、なんとも言えない満たされた気持ちになった。これが、心からひとを愛するということか。
貴之が京司朗に報告を求めた。
貴之と京司朗は病室を出て、向かい側の談話室に場所を移し、報告を受けた。
「守り刀は魔物を斬ったあとなのでしばらく権現寺で預かるとのことでした」
「そうか。・・奴を見たか」
「はい。両眼と口だけがはっきりとわかる、黒い人の形をしていました。俺を下賎な毛唐と言ってましたね」
京司朗は苦笑いを浮かべた。今さらながら、下賎な毛唐などという言葉を聞くとは思わなかった。
「みふゆのことは何か言ってたか」
「“我が姫”と」
「“我が姫”だ?みふゆは俺の娘だ!惣領家の娘だ!水無瀬にゃ渡さねえ!」
貴之は語気を荒げて吐きすてた。
「水無瀬とはなんですか?彼女の母親がその水無瀬に関係があるのですか?」
「・・・水無瀬はこの国から消えた一族だ。女に高い霊能力者が生まれる一族で、その能力を使って神託を行っていた。そして、水無瀬一族を崩壊させ消し去ったのがみふゆの母親の礼夏と風見順だ。礼夏は水無瀬の最後の当主だった」
「では母親は水無瀬の血族のひとりなのですか?」
「そうだ。特に礼夏は人を操る能力に長けていた。“水無瀬の邪眼”とまで呼ばれていた」
「会長には効かなかったようですが?」
「礼夏にも得手不得手はあったのさ。だから礼夏は権現寺に修行に入ったと当時言っていた。京司朗━━━」
「はい」
「言うなれば、みふゆは礼夏の血を、水無瀬の血をひく者だ。みふゆが恐ろしいか?」
「いいえ」
京司朗は即答した。
「お前が斬った死霊は水無瀬玄州だ。水無瀬一族の統率者だ。一介の拝み屋だったのが、男だが希な霊能力を持っていたせいで政治経済界から頼られるようになった。玄州はそういった連中の懐に入り込んで水無瀬の地位を高めていった」
「━━━知りませんでした」
「水無瀬が崩壊した頃、お前はまだ七、八歳くらいだ。知るわけがねぇんだ。水無瀬の力でのし上がった連中はいまもそこそこいるが、その名を口にすれば非業の死を遂げる。それが“決まり”だ。だから誰も名すら口に出来ねえのさ。せっかく築いた地位を謳歌しねえで死ぬなんざ誰だってごめんだからな」
貴之は話を続けた。
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