瞬く間に住む魔

秋赤音

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合いし愛して

手段

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食事と適度な運動と、彼と決めた練習時間に加えて気が向けば交わるだけ暮らしが続く。
だが、3日目に回収道具の予備まで無くなり危機を抱く。抱かれ慣れ始めた私の体は、状況さえ整えば発情する雌と化していることに。これでは蜜月を終えた後の暮らしに何か困ることがある。
しかし、誘惑に弱くなった体の方は誘われれば彼を求めて蜜を溢れさせる。採取するためには良い傾向だが、問題がある。射精されてもナカからかき出す行為がもったいないし、貴重な遺伝子の無駄使いだ。
子造りを3日に一度と決めてもいいが、今は練習が必要だから難しいだろう。

4日目の明け方。明日こそは回収道具をもらいに街にある研究施設へ行こう、と心に決めていたのに。残る理性が難しそうだと考え始める。申請すれば門まで届けてもらえるけれど、あえて出向きたかった。
彼の遠慮なくなった行為に応じられるようになりつつある体が、外出したい私を否定する。制御しきれない発情で、これが自分の肉体と思えない。理性を欠いて肉欲に溺れるだけの、こんなもの私ではない。

「ぃくっ、今日ぉ…いくぅっ…採取、できないぃいいいいっ」

「せめて蜜月を、いえ…発情を終えてから出ないと、危ないです」

奥まで隙間なく繋がっているモノが緩やかに動きを止める。早く事を終えようと腰を振るが、彼の手に止められた。

「な、んで…っ、どぉして…少し、少しだけ…っ」

「今のフィーナは、どんな虫も寄せてしまう甘い花そのものです。香りと滴る甘い体液でなんでも誘う花。
俺は夫だからいいけれど。わかりますね」

「そ、んなぁっ、あっ、ぉっ、くぅ…我慢できなぃっ、熱いの…また、くるから、待っぁ…あ、ぁあああっ」

また理性が削れて、拘束もなくなって、されるがまま、したいまま。教育で聞いていた発情の威力を侮っていた私の落ち度だ。長いと思い始めた蜜月の意味を、やっとわかった気がした。
ならば。開き直って、練習に励むしかないのか。
否。
これは番を得た雌が受粉をするための本能からくる発情だから、終わらせれば理性的に子造りができる。
であれば。

「リン、お願ぃ…採取、したぃの…っ、届くの、待つからぁあんっ」

「わかって、もらえて…よかった、です…ぅッっっ」

ナカへ注がれながら、避妊のためにもかき出される刺激を想像して奥が疼く。そっと離れた彼に背を向けて、足を開きながら尻を突き出した。

「リン、ここ…っ、きれいに、して…?」

「わかっています。フィーナ」

今日で何回目だろう。採取しないときの決め事にしたが、絶頂しない限界で終えられる作業も熱を燻らせる原因ではないか?
いいえ。
だが、彼の指がナカをかき出すような動きに腰が揺れる。
いいえ。
そんなことはない、はずであってほしい。また淫らな水音が大きくなっていく。
いいえ。
短命だからこそ、番が定まれば些細な機会でも逃さないための本能か?ついに、自分から今は休んでいるはずの雄を求める。
いいえ。
私は、私の意志で、彼と、理性的に役割を果たせる有益であることを示したい。気合を入れて動きをやめた。後始末をお願いする前の事後らしい熱の名残と静けさが戻る。
だが、彼が背中に覆いかぶさってくる。

「俺の、フィーナ。俺の、番…っ」
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