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幸せな暮らし
3.守りたい
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売春婦の母は私が成人すると客の相手をするように求めた。
生活のため、嫌々だが奉仕を続けた。
ある日、気づいた。
抱かれるたびに魔力が増えていることを。
抱いた相手の魔力が減っていることを。
それからは、お客の魔力を意図的に奪い、
時には与える練習をした。
その中でも一人だけ、優しい人がいた。
恋人のように抱いてくれるその人は、
誰からも見えないナカへ証を残したと言ったのを最後に来なくなった。
見えない物は確認のしようがない。
どうせ言葉遊びだろうと思うことにした。
魔力を奪うことを繰り返していると、
自身の魔力量は人よりも多くなった。
魔王討伐のための贄に選ばれたのは、そのせいだった。
魔王がいてもいなくても結界をはり続けるという。
決まれば塔からは出られない暮らしだが、
母は喜んで国に私を差し出した。
勇者によって魔王が倒され、
王から私へも褒美を与えると言われた。
私が選んだのは、
聖女と同じように役割から逃れられない勇者。
王は企み顔で笑っていた。
時は流れ、
魔族討伐のために塔の外へ出ることが増えたザン。
私は、先に一人で夕食を食べることが多くなった。
ザンが帰ってくると、ザンが身を清めた後で抱かれる。
愛しい人へ魔力を与る日々。
結界で国を守るため外には出られない私の大切な役割だ。
魔王再来でなぜか増え続けている魔力量だが、制御が難しい。
今代では魔王の完全討伐はできないだろうと判断した王。
勇者と聖女の力を持つ子供をと、私たちに命令された。
抱かれることで暴れる魔力と疼くナカの感覚を鎮めながら、
身に命が授かるのを待つ。
早く帰ってこないかしら
ナカに埋まっている玩具は、ザンの魔力で振動し続けている。
帰るまではイってはいけないと約束を守ってはいるが、
そろそろ限界だ。
早く、出してほしい。
玩具よりもほしい熱を、出してほしい。
足に伝い始めた水がベッドを濡らす。
「レンリ」
思わず自慰をしそうになった手は、愛しい声で止まる。
「おかえり、なさい…っ、早く、出して…っ!」
「ただいま。レンリは我慢ができるだろ」
「はい…っ」
涼しい顔で微笑むザンは、私の体を抱き上げて浴室へ入る。
目の前で思いきり服を脱ぎ、裸体を晒す。
身を清めているのを眺めていると、思わせぶりな視線が向けられる。
「ほしいか?」
「ください、ナカに出して…っ!」
「だったら、自分でやれ」
床に座ったザンは、私を待つように動かない。
行動が許されたと確信すると、我慢の反動が一気に襲う。
玩具を向こうとするが、滑りの良いナカがそれを許さない。
擦れるたびに生まれる快楽に耐えながら、浅いところまで出した。
「ぁっ、ああっ、ん、んっ、…ぁっ、は…ぅっ、…っっ!」
「イったら、お仕置きだ」
「はい…っ、今、いれる、からぁ…っ、ぁああっ!」
玩具を出すと空いたところはザンのモノで埋まった。
入った瞬間に意識が途切れ、ナカが疼く感覚で戻される。
「気持ちよかったか?」
ザンの嬉しそうな表情に胸が締め付けられる。
「とても…っ、でも、足りないわ…っ」
「俺も。続きはベッドで…な?」
「はい…っ」
ザンの首に腕を回すと、私を支えながら立ち上がり歩く。
一歩ずつのわずかな振動すら気持ちよく、
しがみつくのが精一杯だった。
背中がベッドへ預けられると絡み合う視線。
それを合図におとされた口づけは、
唇の触れ合いからゆっくりと深まっていく。
「戦いが終わっても、一緒にいよう」
「うん。ずっと、一緒にいて」
すがるような声は、答えを聞いて息を吐く。
勇者と聖女。
勇者は特に、対魔王対策のために必要とされている。
過ぎた力は新たな不安を生むだけだ。
平穏な時間でも役割が与えられなければ…考えたくない。
頬へ落ちる水はどちらのものか分からないまま、快楽と共に流れた。
生活のため、嫌々だが奉仕を続けた。
ある日、気づいた。
抱かれるたびに魔力が増えていることを。
抱いた相手の魔力が減っていることを。
それからは、お客の魔力を意図的に奪い、
時には与える練習をした。
その中でも一人だけ、優しい人がいた。
恋人のように抱いてくれるその人は、
誰からも見えないナカへ証を残したと言ったのを最後に来なくなった。
見えない物は確認のしようがない。
どうせ言葉遊びだろうと思うことにした。
魔力を奪うことを繰り返していると、
自身の魔力量は人よりも多くなった。
魔王討伐のための贄に選ばれたのは、そのせいだった。
魔王がいてもいなくても結界をはり続けるという。
決まれば塔からは出られない暮らしだが、
母は喜んで国に私を差し出した。
勇者によって魔王が倒され、
王から私へも褒美を与えると言われた。
私が選んだのは、
聖女と同じように役割から逃れられない勇者。
王は企み顔で笑っていた。
時は流れ、
魔族討伐のために塔の外へ出ることが増えたザン。
私は、先に一人で夕食を食べることが多くなった。
ザンが帰ってくると、ザンが身を清めた後で抱かれる。
愛しい人へ魔力を与る日々。
結界で国を守るため外には出られない私の大切な役割だ。
魔王再来でなぜか増え続けている魔力量だが、制御が難しい。
今代では魔王の完全討伐はできないだろうと判断した王。
勇者と聖女の力を持つ子供をと、私たちに命令された。
抱かれることで暴れる魔力と疼くナカの感覚を鎮めながら、
身に命が授かるのを待つ。
早く帰ってこないかしら
ナカに埋まっている玩具は、ザンの魔力で振動し続けている。
帰るまではイってはいけないと約束を守ってはいるが、
そろそろ限界だ。
早く、出してほしい。
玩具よりもほしい熱を、出してほしい。
足に伝い始めた水がベッドを濡らす。
「レンリ」
思わず自慰をしそうになった手は、愛しい声で止まる。
「おかえり、なさい…っ、早く、出して…っ!」
「ただいま。レンリは我慢ができるだろ」
「はい…っ」
涼しい顔で微笑むザンは、私の体を抱き上げて浴室へ入る。
目の前で思いきり服を脱ぎ、裸体を晒す。
身を清めているのを眺めていると、思わせぶりな視線が向けられる。
「ほしいか?」
「ください、ナカに出して…っ!」
「だったら、自分でやれ」
床に座ったザンは、私を待つように動かない。
行動が許されたと確信すると、我慢の反動が一気に襲う。
玩具を向こうとするが、滑りの良いナカがそれを許さない。
擦れるたびに生まれる快楽に耐えながら、浅いところまで出した。
「ぁっ、ああっ、ん、んっ、…ぁっ、は…ぅっ、…っっ!」
「イったら、お仕置きだ」
「はい…っ、今、いれる、からぁ…っ、ぁああっ!」
玩具を出すと空いたところはザンのモノで埋まった。
入った瞬間に意識が途切れ、ナカが疼く感覚で戻される。
「気持ちよかったか?」
ザンの嬉しそうな表情に胸が締め付けられる。
「とても…っ、でも、足りないわ…っ」
「俺も。続きはベッドで…な?」
「はい…っ」
ザンの首に腕を回すと、私を支えながら立ち上がり歩く。
一歩ずつのわずかな振動すら気持ちよく、
しがみつくのが精一杯だった。
背中がベッドへ預けられると絡み合う視線。
それを合図におとされた口づけは、
唇の触れ合いからゆっくりと深まっていく。
「戦いが終わっても、一緒にいよう」
「うん。ずっと、一緒にいて」
すがるような声は、答えを聞いて息を吐く。
勇者と聖女。
勇者は特に、対魔王対策のために必要とされている。
過ぎた力は新たな不安を生むだけだ。
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