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願いと幸せ
褒美を得た者
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巫女の仕事は、鞘を勇者様に届けること。
鞘を具現化させる儀式はクオンとすると思っていたが、違った。
四ノ島に着いた瞬間、何かの術が私を動かした。
ぐらりと揺れた視界に目を閉じた。
男性の声がして目を開けると、会いたかった人が私に覆いかぶさっている。
ウィルネス様は、黒い手のような何かで拘束されているようだ。
服は乱れ、頬は少しだけ赤く、空気に触れている男性の証はすでに露を滴らせている。
私の背には懐かしいベッドの固い感触があり、天井は見慣れた風景。
おそらく、今は私室のベッドの上にいる。
「巫女様、今のうちに離れてください。儀式は清く行うものです。
魔の薬術に抗えるうちに、早く」
必死に逃がそうとしてくれるウィルネス様が愛おしい。
身を犠牲にするのは感心しないが、優しさは必要だ。
きっと良い王様になると確信する。
私も良い支えにならなければ。
「ウィルネス様。大丈夫です。
私は、ウィルネス様にこの身を捧げたいと願います。
儀式とはいえ、未来の夫に抱かれるアンナは幸せです」
「僕はセレンがいれば…ぁ…あなた様はセレンを助けてくれました。
諦めて嘘を言わないでください。
巫女の役割を終えれば自由にしますから「ウィルネス様」
ウィルネス様を見つめ、腕を伸ばして頬に触れる。
母親が誰かにしていたように、甘く蕩けるような優しさで包めばいい。
「ウィルネス様。私のことはお嫌いですか?」
「いえ。あなた様はセレンを助けてくれた恩人です。
だから、なおさら不誠実なことはしたくありません」
「でしたら、少しだけ、優しくしてください。
巫女として避けられない儀式に、痛みだけでなく少しでも良い思い出をください」
返事は無い。
でも、ウィルネス様の迷う瞳に光を見た。
「ウィルネス様。私は、ウィルネス様だけを愛しています」
何かを紡ごうとしたウィルネス様の唇をそっと塞いだ。
誰でも快楽には弱いことを私は知っている。
魔力をゆっくりと絡ませ、心っぱいの愛情で見つめる。
着ている服をはだけさせ、動けないウィルネス様を抱き寄せた。
秘部にあたる男性の証に合わせて腰を動かすと、心地よい熱が体に広がる。
大きくなっていく水音に、準備は十分だと感じた。
「んっ、んんっ、…っ!」
ウィルネス様はまだ抗っているらしい。
一途に想われている相手が羨ましくなった。
でも、私が身を引く理由にはならない。
入ってくる熱い欲望を奥へと導く。
ぬけることがないと確信できる深さに届くと、痛みは気にしないで奥まで貫いた。
瞬間、注がれる魔力。
射精してくれたことが嬉しくて、さらに腰を振る。
すると、二度、三度と止まらない勢いに腹の奥が熱くなる。
抗う気配が無くなり唇を離すと、ウィルネス様は唇をかんだ。
しかし、身にある熱はまだ燃えている。
腰を振れば、苦しそうな息を吐いて我慢している。
熱量が増していくのを身で感じ、ナカを締めつけてさらに快楽を煽る。
「ウィルネス様。
私を巫女から解放できるのは、ウィルネス様だけです。
今だけでいいから、アンナ、と呼んでください」
「ぁ、あ、だめ、です。やめて、ください。
僕はセレンしか…あああっ!!」
「ウィルネス様も、苦しいのは…ぁっ、辛い、ですよね。
魔の薬を使われ…たのなら、私の身に…っ、引き受けま、す…ぅっ…っ。
悪魔の力を、全て、私に…っ…ぅぁ…んっ、ぁああっ!」
魔の力ごと魔力を引き出すよう、快楽が放たれるように体の内側と外側から射精を促す。
解放の気配が近くなったウィルネス様は、荒い呼吸と色香のある呻きで私を魅了する。
身に受ける熱さを期待して、わずかでもこぼさないように強く強くナカを締める。
「だめ、です…ぅあ、で、る…ぬいて、くださあぁあああああ…っ、は、く…っ、ぅう…っ」
「あっ、私も、いく、イく…っ、…っ、ぁ…熱いのいっぱい、あっ、あぅ…っ、気持ちいいの全部だして…ぁあああああ…っ」
繋がっているところから受け止めきれない精がこぼれていく。
たくさん魔力を出しながら何度かの射精がとまると、眠り始めたウィルネス様から魔の拘束は消えた。
黒い魔力は羽に形を変えて消えていく。
名残惜しいがウィルネス様から離れ、身を清める。
体から分かれた鞘を確認のために具現化する。
ちょうど良く近づいてくる勇者様たちの気配に安堵した。
まだ身の内に残るウィルネス様の精をこぼさないように、身を引き締める。
聖女様が間に合っていたら、叶わなかったかもしれない。
もらった悪魔の力を出す方法は後で考えよう。
鳥居の前に立って勇者様を待ち、無事に鞘は渡した。
仕事は終わった。
だから、私は今からウィルネス様の第二妃だ。
「仕事が終わると王子と婚約する」と王は言った。
だから、問題ない。
儀式で引き受けた悪魔の力を無くそうと、私の傍にいてくれるウィルネス様も。
魔力が暴走して発情する私を鎮めようとするウィルネス様も。
互いに一糸まとわない肌の触れ合いは、熱く穏やかで心地よい。
ウィルネス様の腰に跨り、ウィルネス様の熱に貫かれた体は快楽を貪る。
下から突き上げられる不規則な強さに身を委ね、与えられる温もりを受け止める。
「ウィルネス様ぁ…っ、もっと、ゆっくりしてくだ、さ…ぁっい!」
「アンナ様。魔祓いですから…っ、我慢、してください。
セレンの聖なる魔力を持つ僕が…くっ、は…っ、責任をとって助けます」
「あっ、あぅ…っ、はぃ…ウィルネス様ぁ…っ」
体に馴染んだ悪魔の力を祓う終わりは、まだ見えない。
鞘を具現化させる儀式はクオンとすると思っていたが、違った。
四ノ島に着いた瞬間、何かの術が私を動かした。
ぐらりと揺れた視界に目を閉じた。
男性の声がして目を開けると、会いたかった人が私に覆いかぶさっている。
ウィルネス様は、黒い手のような何かで拘束されているようだ。
服は乱れ、頬は少しだけ赤く、空気に触れている男性の証はすでに露を滴らせている。
私の背には懐かしいベッドの固い感触があり、天井は見慣れた風景。
おそらく、今は私室のベッドの上にいる。
「巫女様、今のうちに離れてください。儀式は清く行うものです。
魔の薬術に抗えるうちに、早く」
必死に逃がそうとしてくれるウィルネス様が愛おしい。
身を犠牲にするのは感心しないが、優しさは必要だ。
きっと良い王様になると確信する。
私も良い支えにならなければ。
「ウィルネス様。大丈夫です。
私は、ウィルネス様にこの身を捧げたいと願います。
儀式とはいえ、未来の夫に抱かれるアンナは幸せです」
「僕はセレンがいれば…ぁ…あなた様はセレンを助けてくれました。
諦めて嘘を言わないでください。
巫女の役割を終えれば自由にしますから「ウィルネス様」
ウィルネス様を見つめ、腕を伸ばして頬に触れる。
母親が誰かにしていたように、甘く蕩けるような優しさで包めばいい。
「ウィルネス様。私のことはお嫌いですか?」
「いえ。あなた様はセレンを助けてくれた恩人です。
だから、なおさら不誠実なことはしたくありません」
「でしたら、少しだけ、優しくしてください。
巫女として避けられない儀式に、痛みだけでなく少しでも良い思い出をください」
返事は無い。
でも、ウィルネス様の迷う瞳に光を見た。
「ウィルネス様。私は、ウィルネス様だけを愛しています」
何かを紡ごうとしたウィルネス様の唇をそっと塞いだ。
誰でも快楽には弱いことを私は知っている。
魔力をゆっくりと絡ませ、心っぱいの愛情で見つめる。
着ている服をはだけさせ、動けないウィルネス様を抱き寄せた。
秘部にあたる男性の証に合わせて腰を動かすと、心地よい熱が体に広がる。
大きくなっていく水音に、準備は十分だと感じた。
「んっ、んんっ、…っ!」
ウィルネス様はまだ抗っているらしい。
一途に想われている相手が羨ましくなった。
でも、私が身を引く理由にはならない。
入ってくる熱い欲望を奥へと導く。
ぬけることがないと確信できる深さに届くと、痛みは気にしないで奥まで貫いた。
瞬間、注がれる魔力。
射精してくれたことが嬉しくて、さらに腰を振る。
すると、二度、三度と止まらない勢いに腹の奥が熱くなる。
抗う気配が無くなり唇を離すと、ウィルネス様は唇をかんだ。
しかし、身にある熱はまだ燃えている。
腰を振れば、苦しそうな息を吐いて我慢している。
熱量が増していくのを身で感じ、ナカを締めつけてさらに快楽を煽る。
「ウィルネス様。
私を巫女から解放できるのは、ウィルネス様だけです。
今だけでいいから、アンナ、と呼んでください」
「ぁ、あ、だめ、です。やめて、ください。
僕はセレンしか…あああっ!!」
「ウィルネス様も、苦しいのは…ぁっ、辛い、ですよね。
魔の薬を使われ…たのなら、私の身に…っ、引き受けま、す…ぅっ…っ。
悪魔の力を、全て、私に…っ…ぅぁ…んっ、ぁああっ!」
魔の力ごと魔力を引き出すよう、快楽が放たれるように体の内側と外側から射精を促す。
解放の気配が近くなったウィルネス様は、荒い呼吸と色香のある呻きで私を魅了する。
身に受ける熱さを期待して、わずかでもこぼさないように強く強くナカを締める。
「だめ、です…ぅあ、で、る…ぬいて、くださあぁあああああ…っ、は、く…っ、ぅう…っ」
「あっ、私も、いく、イく…っ、…っ、ぁ…熱いのいっぱい、あっ、あぅ…っ、気持ちいいの全部だして…ぁあああああ…っ」
繋がっているところから受け止めきれない精がこぼれていく。
たくさん魔力を出しながら何度かの射精がとまると、眠り始めたウィルネス様から魔の拘束は消えた。
黒い魔力は羽に形を変えて消えていく。
名残惜しいがウィルネス様から離れ、身を清める。
体から分かれた鞘を確認のために具現化する。
ちょうど良く近づいてくる勇者様たちの気配に安堵した。
まだ身の内に残るウィルネス様の精をこぼさないように、身を引き締める。
聖女様が間に合っていたら、叶わなかったかもしれない。
もらった悪魔の力を出す方法は後で考えよう。
鳥居の前に立って勇者様を待ち、無事に鞘は渡した。
仕事は終わった。
だから、私は今からウィルネス様の第二妃だ。
「仕事が終わると王子と婚約する」と王は言った。
だから、問題ない。
儀式で引き受けた悪魔の力を無くそうと、私の傍にいてくれるウィルネス様も。
魔力が暴走して発情する私を鎮めようとするウィルネス様も。
互いに一糸まとわない肌の触れ合いは、熱く穏やかで心地よい。
ウィルネス様の腰に跨り、ウィルネス様の熱に貫かれた体は快楽を貪る。
下から突き上げられる不規則な強さに身を委ね、与えられる温もりを受け止める。
「ウィルネス様ぁ…っ、もっと、ゆっくりしてくだ、さ…ぁっい!」
「アンナ様。魔祓いですから…っ、我慢、してください。
セレンの聖なる魔力を持つ僕が…くっ、は…っ、責任をとって助けます」
「あっ、あぅ…っ、はぃ…ウィルネス様ぁ…っ」
体に馴染んだ悪魔の力を祓う終わりは、まだ見えない。
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