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封じられた欲望
恐怖と嬌楽
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夢の中で、リーシャの魔力を男の証から胎に受け取った。
ベッドの上に座るリーシャの足に跨り繋がっている蜜口は、二人の体液が混ざった水で濡れている。
当たり前になった行いだが、
人間と行えば子を宿す可能性があると、初めて告げられた。
もし、勇者様が魔力だけではなく精まで放っていたら…少しだけ怖くなった。
同じくらい期待で胎が疼く。
「アンナ。今は僕だけを見てよ。
それとも…僕の魔力だけでは足りなくなってるんだね。
きっと、思い描く人とするのが気持ちよかったんだよね。
いいことを、教えてあげる」
リーシャは耳元で囁き、教えてくれた。
魔力を増やす別の方法があると言う。
子供を胎に宿して、魔力に変えればいいと。
人間は子が流れただけで騒ぎはしないと。
せっかく宿すなら、好きになれそうな人との子供が良い。
私を抱きとめてくれた勇者様なら…きっと。
「今は、僕のことだけを考えて、ね?」
「ぁ、ぁあっ、リーシャ様ぁっ、い、く…っ、また、いく、からぁ…っ」
「何回でも、いかせてあげる。
僕のアンナ…早く僕無しでは生きていけないようになればいい」
甘く囁かれた言葉に返事をしようとするが、何度目かの絶頂で意識が霞む。
眠りに傾く体は優しく抱きしめられ、さらに濃い魔力が注がれている。
もう、私はリーシャ様がいないと生きていけない。
知ってしまった快楽を手放すことはできない。
互いに気持ちよく魔力を得られるのだから、やめる必要はないだろう。
「おやすみ、僕のアンナ」
怠い体をリーシャ様の身に寄せると、温かい魔力に包まれる。
ふいに冷たい空気を感じた。
しかし、温かい何かが体を守ってくれていた。
目を開けると、見慣れた天井と体にかけられている見慣れた毛布。
勇者様はいなかった。
おそらく、毛布をかけてくれたのは勇者様だろう。
きっと、彼は優しい人だ。
身に預かっていた鞘はなく、無事に剣の所へ渡ったことに安心する。
体を巡る勇者様の魔力はよく自分の魔力と馴染んでいて、もっと欲しいと望んでしまう、
彼も男だ。
きっと、上手く誘えば…先を想像すれば熱をもち疼く胎。
慰めてほしい人の気配を探るが、やはりいない。
しかたなく諦め、もう一度瞼を閉じた。
翌日、
勇者様とどこからか現れた鳥と共に転移移動した。
最後の目的地、五ノ島は山と祭壇しかないところだった。
鳥居を過ぎる手前で勇者様から秘宝を渡される。
まずは無事に封印の儀式を終えよう。
心を無にし、一歩ずつ足を動かし、鳥居を過ぎてお社の祭壇へ向かった。
秘宝を捧げ、聖なる光を放った封印の祠。
儀式は無事に終わった。
鳥居を過ぎて三歩。
突然に背後にあるお社から音がした。
振り向けば、お社は壊れている。
祭壇も、祠も。
巫女の役割を失敗した。
やり直しはできない大切な儀式を失敗した。
どうすればいいか分からない。
リーシャ様ならどうしただろう。
聞こうと思っても、今はいない。
私にもっと力があれば、何かできるのだろうか。
「魔力がほしいか」
どこからか優しい声がした。
「ほしい、です」
きっと、リーシャ様ではない天使様だ。
私を見守っていてくれたんだ。
「我が下へ身を捧げるなら、魔力を与えても良い」
「捧げます。天使様に私の身を捧げます」
リーシャ様、ごめんなさい。
もう、会えないかもしれません。
大切な友人と胃炎の別れを覚悟した。
知らない魔力が体にまとわりついてくる。
とても強い力だ。
これがあれば、きっと、何かができる。
「契約しよう。リーシャ、お前にやる」
「はい。魔王様。ありがとうございます。
これで、アンナは本当に僕のアンナになるんだね。
嬉しいな。ずっと、一緒にいようね」
触れられた唇から、よく知る魔力が流れてくる。
知っているのに、知らない強さの魔力が染みていく。
「封印はされているからね。
だから、人間の王様に『無事終わりました』って言っても大丈夫。
アンナ、今までたくさん頑張ったよね。
もう、終わったんだよ。
報告が終わったら、迎えに行くから待っていてね」
遠くなる声を見送ると、勇者様が鳥居の下で倒れていた。
近くに行くと、勇者様と目が合った。
「大丈夫ですか?」
「平気だ。巫女様こそ、体に異変などは」
「ありません」
勇者様が言っている意味が分からなかった。
魔王が近づいてくる身を友人に助けてもらっただけなのだから。
体に溢れ満ちる魔力が心地よい。
予定通りに勇者様と王宮へ向かい、封印を終えたことを報告した。
妾になるよう誘われたが、返事は急がないと告げられる。
そして、王様の側近に私だけが呼ばれる。
「勇者を亡き者にしてください。
平穏な国の新たな脅威になるかもしれません。
これは民を守る王宮の意志です」
王宮の命令には逆らえない。
役割を終えた巫女と勇者に与えられたのは、王宮で一等の客間。
しばらくはここで身を休めるように言われた。
綺麗な建前に見えるのは、監視。
私を、勇者様の命を管理しやすい場所で監視したいのだろう。
面倒だから、早く、終わらせてしまおう。
窓の景色を眺めている背に視線を向けると、ゆっくりと勇者様は振り返り私を見る。
「勇者様。よければ私が眠るまで、傍にいてくれますか?
疲れたので少し休みたいのですが、慣れない場所が不安で」
「わかった」
「ありがとうございます」
わざと足元を揺らがせると、勇者様は床に落ちる前に支えてくれた。
「大丈夫か」
「はい…安心したら、力だ抜けただけです」
「…ベッドまで運んだ方がいいか?」
問う声には迷いがある。
未婚で、王宮の妾候補からの申し出だから当然だろう。
「お願いします」
「わかった。失礼する」
優しく抱き上げられ、少ない揺れでベッドにおろされる。
勇者様が離れる前に腕を寄せて抱きしめて、自分の胸を逞しい体に押しつける。
勇者様の背後に術で操り槍を出現させ、勇者様の腹を己の身ごと貫く。
ベッドの上に座るリーシャの足に跨り繋がっている蜜口は、二人の体液が混ざった水で濡れている。
当たり前になった行いだが、
人間と行えば子を宿す可能性があると、初めて告げられた。
もし、勇者様が魔力だけではなく精まで放っていたら…少しだけ怖くなった。
同じくらい期待で胎が疼く。
「アンナ。今は僕だけを見てよ。
それとも…僕の魔力だけでは足りなくなってるんだね。
きっと、思い描く人とするのが気持ちよかったんだよね。
いいことを、教えてあげる」
リーシャは耳元で囁き、教えてくれた。
魔力を増やす別の方法があると言う。
子供を胎に宿して、魔力に変えればいいと。
人間は子が流れただけで騒ぎはしないと。
せっかく宿すなら、好きになれそうな人との子供が良い。
私を抱きとめてくれた勇者様なら…きっと。
「今は、僕のことだけを考えて、ね?」
「ぁ、ぁあっ、リーシャ様ぁっ、い、く…っ、また、いく、からぁ…っ」
「何回でも、いかせてあげる。
僕のアンナ…早く僕無しでは生きていけないようになればいい」
甘く囁かれた言葉に返事をしようとするが、何度目かの絶頂で意識が霞む。
眠りに傾く体は優しく抱きしめられ、さらに濃い魔力が注がれている。
もう、私はリーシャ様がいないと生きていけない。
知ってしまった快楽を手放すことはできない。
互いに気持ちよく魔力を得られるのだから、やめる必要はないだろう。
「おやすみ、僕のアンナ」
怠い体をリーシャ様の身に寄せると、温かい魔力に包まれる。
ふいに冷たい空気を感じた。
しかし、温かい何かが体を守ってくれていた。
目を開けると、見慣れた天井と体にかけられている見慣れた毛布。
勇者様はいなかった。
おそらく、毛布をかけてくれたのは勇者様だろう。
きっと、彼は優しい人だ。
身に預かっていた鞘はなく、無事に剣の所へ渡ったことに安心する。
体を巡る勇者様の魔力はよく自分の魔力と馴染んでいて、もっと欲しいと望んでしまう、
彼も男だ。
きっと、上手く誘えば…先を想像すれば熱をもち疼く胎。
慰めてほしい人の気配を探るが、やはりいない。
しかたなく諦め、もう一度瞼を閉じた。
翌日、
勇者様とどこからか現れた鳥と共に転移移動した。
最後の目的地、五ノ島は山と祭壇しかないところだった。
鳥居を過ぎる手前で勇者様から秘宝を渡される。
まずは無事に封印の儀式を終えよう。
心を無にし、一歩ずつ足を動かし、鳥居を過ぎてお社の祭壇へ向かった。
秘宝を捧げ、聖なる光を放った封印の祠。
儀式は無事に終わった。
鳥居を過ぎて三歩。
突然に背後にあるお社から音がした。
振り向けば、お社は壊れている。
祭壇も、祠も。
巫女の役割を失敗した。
やり直しはできない大切な儀式を失敗した。
どうすればいいか分からない。
リーシャ様ならどうしただろう。
聞こうと思っても、今はいない。
私にもっと力があれば、何かできるのだろうか。
「魔力がほしいか」
どこからか優しい声がした。
「ほしい、です」
きっと、リーシャ様ではない天使様だ。
私を見守っていてくれたんだ。
「我が下へ身を捧げるなら、魔力を与えても良い」
「捧げます。天使様に私の身を捧げます」
リーシャ様、ごめんなさい。
もう、会えないかもしれません。
大切な友人と胃炎の別れを覚悟した。
知らない魔力が体にまとわりついてくる。
とても強い力だ。
これがあれば、きっと、何かができる。
「契約しよう。リーシャ、お前にやる」
「はい。魔王様。ありがとうございます。
これで、アンナは本当に僕のアンナになるんだね。
嬉しいな。ずっと、一緒にいようね」
触れられた唇から、よく知る魔力が流れてくる。
知っているのに、知らない強さの魔力が染みていく。
「封印はされているからね。
だから、人間の王様に『無事終わりました』って言っても大丈夫。
アンナ、今までたくさん頑張ったよね。
もう、終わったんだよ。
報告が終わったら、迎えに行くから待っていてね」
遠くなる声を見送ると、勇者様が鳥居の下で倒れていた。
近くに行くと、勇者様と目が合った。
「大丈夫ですか?」
「平気だ。巫女様こそ、体に異変などは」
「ありません」
勇者様が言っている意味が分からなかった。
魔王が近づいてくる身を友人に助けてもらっただけなのだから。
体に溢れ満ちる魔力が心地よい。
予定通りに勇者様と王宮へ向かい、封印を終えたことを報告した。
妾になるよう誘われたが、返事は急がないと告げられる。
そして、王様の側近に私だけが呼ばれる。
「勇者を亡き者にしてください。
平穏な国の新たな脅威になるかもしれません。
これは民を守る王宮の意志です」
王宮の命令には逆らえない。
役割を終えた巫女と勇者に与えられたのは、王宮で一等の客間。
しばらくはここで身を休めるように言われた。
綺麗な建前に見えるのは、監視。
私を、勇者様の命を管理しやすい場所で監視したいのだろう。
面倒だから、早く、終わらせてしまおう。
窓の景色を眺めている背に視線を向けると、ゆっくりと勇者様は振り返り私を見る。
「勇者様。よければ私が眠るまで、傍にいてくれますか?
疲れたので少し休みたいのですが、慣れない場所が不安で」
「わかった」
「ありがとうございます」
わざと足元を揺らがせると、勇者様は床に落ちる前に支えてくれた。
「大丈夫か」
「はい…安心したら、力だ抜けただけです」
「…ベッドまで運んだ方がいいか?」
問う声には迷いがある。
未婚で、王宮の妾候補からの申し出だから当然だろう。
「お願いします」
「わかった。失礼する」
優しく抱き上げられ、少ない揺れでベッドにおろされる。
勇者様が離れる前に腕を寄せて抱きしめて、自分の胸を逞しい体に押しつける。
勇者様の背後に術で操り槍を出現させ、勇者様の腹を己の身ごと貫く。
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