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小学生の祟りが巻き起こす十字路での事故

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俺の家の前には十字路がある。
その十字路では月に必ず事故が起きるんだ。
それも、十字路の真ん中で車と車が正面衝突する事故が。
今日も朝からガタンッと派手な車と車がぶつかる音が辺りに鳴り響いた。
「あーあ、またかよ」
朝はそうでなくてもあの道は混むってのに、事故が起きたら通行止めになっちまう。
車通勤の俺にとっては大問題だ。
「仕方がないな。電車で行くか」
玄関を出ると、軽自動車とセダンタイプの車が正面からぶつかり、大破していた。
「なんでこんな見通しのいい場所で正面衝突すんだよ」
ブツブツ言いながら俺は駅へと向かう。
その途中。
ふと十字路の真ん中が気になって見ると・・・
ランドセルを背負った女の子が立っていた。
「あんなところに立ってたら危ないだろ!」
だが、ふと思った。
あんなところに子供が立ってるってのに、周りにいる大人は気づかないのか?
危ないだろ。
その時、警察が女の子の方へと走ってきた。
「危ない!」
俺がそう叫んだと同時に、警察官は女の子にぶつかった・・・
いや、素通りした。
「あれ?!抜けたぞ?!」
目をこすってもう1度見れば・・・女の子は消えていた。
「ゆ、幽霊か・・・」
ふと信号機の下を見た。
花束が幾つも置いてあることに気づく。
そう言えば、1年前の新聞記事を思い出した。
車と車の間に挟まれて亡くなった小学生のことを。
わざと事故を起こして、楽しんでるのか?
そんなこと・・・するなよ!
俺は心の中で叫んだ。
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