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第49話 錬金術ギルドマスターの想い
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「それじゃ、今回の買取分が金貨20050枚だよ」
錬金術ギルドの執務室で、ギルドマスターが今回の買い取り金額を告げる。
「俺に金貨500枚、残りはアリサに渡してくれ」
俺とアリサが身分証を出すと、金銭のやり取りができる魔導具で取引が行われた。
手続きが終わり、魔導具に表示された数字を確認すると、確かに提示されたとおりの額が振り込まれている。
金貨500枚が現時点での俺の小遣いとなるので、大切に使おうと考えるのだが、よく考えるとこれだけでも途方もない大金なので、少しくらいは財布を緩めても問題ないのではないかと思った。
「あと、こっちはアリサの退職金だね」
すっと紙が差し出され、内容を改めたアリサはコクリと頷く。これで一通りの手続きが終わったことになるので、アリサはホッしたのか息を吐いた。
街に戻るなり、アリサは錬金術ギルドを辞める胸をギルドマスターに報告したのだが、大量の魔力を保有するアリサは錬金術ギルドになくてはならない人材だ。
そう簡単に辞めることができず、最悪揉めることも想定していたからだ。
ところが、ギルドマスターは特に何か嫌みを言うこともなく、淡々とアリサの退職を受理した。
手続きを終えると間が空く。俺は特に何か言うこともないのだが、二人が互いの目を見合わせているので、黙って様子をみるしかない。
少し時間が経つと、錬金術ギルドのギルドマスターが口を開いた。
「それで、どっちから迫ったんだい?」
「「ぶっ!?」」
ギルドマスターは観察するように鋭い視線を向けてくる。
「私が勧めた時はどちらも拒否した癖に、まったく、最近の若者はころころと意見を変えるからいけないね。私だって若いころはそりゃあもうモテたものさ、今だって捨てたものじゃないというのに世の魔導師の男どもはやれ「若き天才だ」やれ「稀代の錬金術師だ」などと見向きもしない。やつらが見ているのは才能なんかじゃなく、単に欲望のはけ口として、自分の遺伝を盾にして――」
ぐちぐちと文句を言い出すギルドマスター。その言葉には若い男の駄目さかげんと、なぜ自分が結婚できないのかという怨嗟が溢れている。
流石にこのような負の言葉を延々と聞かされ続けると、精神的にきつい。俺は彼女の言葉を遮ることにする。
「アリサからです。酔った勢いで押し倒されて誘惑されました」
「ちょっ!?」
アリサが、裏切られたかのような目で俺を見てきた。仕方ない、質問に答えなければ死んでしまうのだから……。
「ほほぅ、アリサからねぇ?」
ギルドマスターの表情にからかいが混ざる。
「えっと、それは……その……」
しどろもどろになるアリサに、
「まさかアリサにそんな度胸があるとは……いや、そこの男が余程ヘタレだったからに違いない」
「そうよっ! ミナトがいつまでも逃げ回るから、私から行くしかなかったの!」
ほとんど接していないにも関わらず、まるで見ていたかのようにズバリ的中させてくる。アリサは仕返しとばかりにそう言うと、俺に勝ち誇った笑みを浮かべた。
「それでそのままベッドインしたわけだ?」
「「ぐふっ!?」」
二人揃って胸を押さえる。そういう生々しい表現は避けて欲しい。
「それでアリサ、ミナトは優しくしてくれたのかい?」
まだ言うか、と思ったが、ギルドマスターの瞳に優しいものが混ざっていた。
アリサもそれを感じ取ったのか、真剣な顔をすると質問に答えた。
「うん、ミナトは世界中の誰よりも私のことを大切にしてくれている。私はミナトに迫ったことを後悔していないもの」
あまりにもハッキリとそう告げられ、俺は嬉しい気持ちと恥ずかしい気持ちが半々になった。
「最初は、貴族に迫られて、それを断ったせいで閑職に回されて、それでも上から圧力を掛けられていたんだ。あんたと一緒になれば、自由にしてあげられると思ったんだけど、まさか原因まで取りのぞいちまうなんてね」
ヘンイタ男爵のことを言っているのだろう。詳細は彼女から聞いていた。
おそらく、ギルドマスターはアリサのこと大切に思い、これまでも庇ってくれていたのだろう。
そんな彼女にだからこそ俺も答える。
「俺も、アリサのことを世界中の誰よりも愛しています」
「そうかい、あんたみたいな男になら、アリサを任せられるね」
「は、恥ずかしいでしょ!」
顔を赤くして俺の服の裾を掴むアリサ。このような可愛らしい生き物は他にいない。
「とにかく、これからはミナトが護ってくれるだろうから、私の保護はもう必要ないね」
「うん、ありがとうございます」
アリサとギルドマスターの間には色々あったのだろう。今はお互いが優しい顔をしている。
話は終わり、このまま二人で出ようと立ち上がり、ドアに向かって歩き出すと……。
「ああ、そうそう」
何か言い残したことがあるのか、ギルドマスターが声を発したので振り向いた。
「あんたたち、早めに子どもを作るんだよ。そして私に見せにきな」
「そ、そんな早くに作らないからっ!」
アリサが顔を真っ赤にして叫ぶ。
俺は心の中で「そういうところだぞ!」と叫び、この先もギルドマスターが結婚できないのではないかと予想するのだった。
錬金術ギルドの執務室で、ギルドマスターが今回の買い取り金額を告げる。
「俺に金貨500枚、残りはアリサに渡してくれ」
俺とアリサが身分証を出すと、金銭のやり取りができる魔導具で取引が行われた。
手続きが終わり、魔導具に表示された数字を確認すると、確かに提示されたとおりの額が振り込まれている。
金貨500枚が現時点での俺の小遣いとなるので、大切に使おうと考えるのだが、よく考えるとこれだけでも途方もない大金なので、少しくらいは財布を緩めても問題ないのではないかと思った。
「あと、こっちはアリサの退職金だね」
すっと紙が差し出され、内容を改めたアリサはコクリと頷く。これで一通りの手続きが終わったことになるので、アリサはホッしたのか息を吐いた。
街に戻るなり、アリサは錬金術ギルドを辞める胸をギルドマスターに報告したのだが、大量の魔力を保有するアリサは錬金術ギルドになくてはならない人材だ。
そう簡単に辞めることができず、最悪揉めることも想定していたからだ。
ところが、ギルドマスターは特に何か嫌みを言うこともなく、淡々とアリサの退職を受理した。
手続きを終えると間が空く。俺は特に何か言うこともないのだが、二人が互いの目を見合わせているので、黙って様子をみるしかない。
少し時間が経つと、錬金術ギルドのギルドマスターが口を開いた。
「それで、どっちから迫ったんだい?」
「「ぶっ!?」」
ギルドマスターは観察するように鋭い視線を向けてくる。
「私が勧めた時はどちらも拒否した癖に、まったく、最近の若者はころころと意見を変えるからいけないね。私だって若いころはそりゃあもうモテたものさ、今だって捨てたものじゃないというのに世の魔導師の男どもはやれ「若き天才だ」やれ「稀代の錬金術師だ」などと見向きもしない。やつらが見ているのは才能なんかじゃなく、単に欲望のはけ口として、自分の遺伝を盾にして――」
ぐちぐちと文句を言い出すギルドマスター。その言葉には若い男の駄目さかげんと、なぜ自分が結婚できないのかという怨嗟が溢れている。
流石にこのような負の言葉を延々と聞かされ続けると、精神的にきつい。俺は彼女の言葉を遮ることにする。
「アリサからです。酔った勢いで押し倒されて誘惑されました」
「ちょっ!?」
アリサが、裏切られたかのような目で俺を見てきた。仕方ない、質問に答えなければ死んでしまうのだから……。
「ほほぅ、アリサからねぇ?」
ギルドマスターの表情にからかいが混ざる。
「えっと、それは……その……」
しどろもどろになるアリサに、
「まさかアリサにそんな度胸があるとは……いや、そこの男が余程ヘタレだったからに違いない」
「そうよっ! ミナトがいつまでも逃げ回るから、私から行くしかなかったの!」
ほとんど接していないにも関わらず、まるで見ていたかのようにズバリ的中させてくる。アリサは仕返しとばかりにそう言うと、俺に勝ち誇った笑みを浮かべた。
「それでそのままベッドインしたわけだ?」
「「ぐふっ!?」」
二人揃って胸を押さえる。そういう生々しい表現は避けて欲しい。
「それでアリサ、ミナトは優しくしてくれたのかい?」
まだ言うか、と思ったが、ギルドマスターの瞳に優しいものが混ざっていた。
アリサもそれを感じ取ったのか、真剣な顔をすると質問に答えた。
「うん、ミナトは世界中の誰よりも私のことを大切にしてくれている。私はミナトに迫ったことを後悔していないもの」
あまりにもハッキリとそう告げられ、俺は嬉しい気持ちと恥ずかしい気持ちが半々になった。
「最初は、貴族に迫られて、それを断ったせいで閑職に回されて、それでも上から圧力を掛けられていたんだ。あんたと一緒になれば、自由にしてあげられると思ったんだけど、まさか原因まで取りのぞいちまうなんてね」
ヘンイタ男爵のことを言っているのだろう。詳細は彼女から聞いていた。
おそらく、ギルドマスターはアリサのこと大切に思い、これまでも庇ってくれていたのだろう。
そんな彼女にだからこそ俺も答える。
「俺も、アリサのことを世界中の誰よりも愛しています」
「そうかい、あんたみたいな男になら、アリサを任せられるね」
「は、恥ずかしいでしょ!」
顔を赤くして俺の服の裾を掴むアリサ。このような可愛らしい生き物は他にいない。
「とにかく、これからはミナトが護ってくれるだろうから、私の保護はもう必要ないね」
「うん、ありがとうございます」
アリサとギルドマスターの間には色々あったのだろう。今はお互いが優しい顔をしている。
話は終わり、このまま二人で出ようと立ち上がり、ドアに向かって歩き出すと……。
「ああ、そうそう」
何か言い残したことがあるのか、ギルドマスターが声を発したので振り向いた。
「あんたたち、早めに子どもを作るんだよ。そして私に見せにきな」
「そ、そんな早くに作らないからっ!」
アリサが顔を真っ赤にして叫ぶ。
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