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第18話 飯テロ回
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焚き火の前には串に刺された肉が炙られており、美味しそうな匂いを漂わせている。
先程俺が倒した、巨大蜘蛛、燃える鳥、デカいトカゲを解体したものだ。
しばらくして、焦げ目がついたところで串を手に取り、三種類の肉を順番に食べていく。
「うん、巨大蜘蛛の味は知っていたが、燃える鳥もトカゲの肉も美味いもんだ」
俺が味の評価をすると、焚火の向こうで膝を抱えて座っていたアリサと視線があった。
「信じられないわよ。フェニックスとドラゴンとデッドリースパイダーを瞬殺するなんて」
先程戦っていたモンスターの名前のようだ。
確かに燃える鳥はフェニックスだと言われて気付く、でかいトカゲもそう言われればそんな気もする。
これは、現実世界での創作物に対するイメージが強いのだろう。実際に目の当りにしたところで連想できるほどには似ていない。
普段アニメなどで摂取しているぶんデフォルメが効いているからリアルな造形だと気付かない。
「その上、それを焼いて食べる何て……」
「そうは言うが、放っておけば腐ってしまうんだから、倒したのなら責任をもって食べる事こそが獲物に対する礼儀ではないか?」
余った肉に関しても放っておくつもりはない。俺は肉を食べながらアリサを見る。
「それで、アリサはどうしてここにきた? まさか偶然じゃないんだろ?」
俺を見た時の発言といい目的があってのことなのはわかる。沈黙していると食事が味気なくなるので聞いてみた。
「あんたを探しにきたのよ!!」
アリサはそう言って詰め寄ると、綺麗な瞳を俺に向けてくる。
炎で照り返すオレンジの瞳、近付いたことでアリサの端正な顔立ちがはっきりと見える。
「俺を? 何で?」
俺とアリサは一度取引をしただけの間柄。わざわざ探される用などないはず。
「行方不明になってたから! 私が渡した魔導剣のせいかもしれないと思ったのよ」
アリサの説明が理解できず首を傾げると、彼女も言葉足らずと思ったのか言葉を続ける。
「ほら、魔力を吸うと気絶すると言ったでしょ? あんたが倒れて死んでるんじゃないかと思って……」
確かに最初は魔力を吸われて気絶しそうになったが、慣れれば平気なものだ。
アリサは俺がここで行方不明という事で、倒れたんじゃないかと心配してみせた。
説明されてみれば納得するのだが……。俺はアリサの顔をまじまじと観察する。
「な、何よ?」
彼女は俺から離れると顔を背け、髪を指で弄り始めた。
「アリサはイイ女だな」
「は、はぁ!?」
行方不明リストに俺の名前があったから心配になったらしいが、普通は取引が終わった相手をそこまで気に掛けない。
ましてや、生死の確認の為、馬で一週間もかかるこのような僻地まで来るなど絶対にしないだろう。
彼女の顔には打算も嘘も一切なく、心の底から俺を心配してくれていたのが伝わる。
俺が彼女に感謝の気持ちを持ち、優しい目で見ていると……。
「それより、何で山籠りなんてしてるわけ?」
無事ならば何故戻ってこなかったのかを気にし始めた。
「実は一ヶ月前にとある貴族と揉めたら根に持たれてな。ここでの依頼にかこつけてそこの洞窟に閉じ込められたから、そのまま住み着くことにしたんだ」
「えっと……ちょと何言ってるかわからない」
眉間に右手を乗せ俺の言葉の意味を解釈しようとするアリサ。
「貴族の雇った人間に罠に嵌められたからそのままユング樹海に居ついた。そういう訳ね?」
「そうそう」
流石アリサ、理解が早い。
「この、モンスターがそこら中を歩いてる場所に? ありえないしっ!」
ところが一転して大声を出す。
「あんた、ユング樹海のこと知らなかったの?」
「あー、何か面倒な場所ということくらいは知っているぞ」
依頼を請ける際、やたらと持ち上げられたし、他の冒険者も遠目に「まじか?」という視線を送って来ていた。
「世界樹の膝元の樹海で危険なモンスターがウヨウヨいる! 魔法を使える人間でも余程のことがなきゃ近寄らないわよ!」
「なるほど、そう言う場所なのか」
通りで戦ったモンスターが強いわけだ。
「ここに来るなんて自殺者か、後ろ暗い人間くらいよ!」
確かにおびき出された理由はとても表立って言えるようなものではない。
「なるほど、そうだったのか!」
殺す為に都合が良い場所だったと気付く。
「そんなところで生き延びてたなんて、いえ、そもそもあんた何者なのよ?」
アリサには正直に話しても良いだろう。
「俺は異世界から召喚されたんだよ」
「あー、なるほどね。異世界人ならぶっ飛んだ行動してもそりゃそうか……」
何やら不本意な評価をされた気がする。俺は極めて常識的な行動を心掛けているつもりなのだが……。
「とにかく、街に帰りましょう」
アリサは俺の手を引くと、帰ろうと誘ってきた。
先程俺が倒した、巨大蜘蛛、燃える鳥、デカいトカゲを解体したものだ。
しばらくして、焦げ目がついたところで串を手に取り、三種類の肉を順番に食べていく。
「うん、巨大蜘蛛の味は知っていたが、燃える鳥もトカゲの肉も美味いもんだ」
俺が味の評価をすると、焚火の向こうで膝を抱えて座っていたアリサと視線があった。
「信じられないわよ。フェニックスとドラゴンとデッドリースパイダーを瞬殺するなんて」
先程戦っていたモンスターの名前のようだ。
確かに燃える鳥はフェニックスだと言われて気付く、でかいトカゲもそう言われればそんな気もする。
これは、現実世界での創作物に対するイメージが強いのだろう。実際に目の当りにしたところで連想できるほどには似ていない。
普段アニメなどで摂取しているぶんデフォルメが効いているからリアルな造形だと気付かない。
「その上、それを焼いて食べる何て……」
「そうは言うが、放っておけば腐ってしまうんだから、倒したのなら責任をもって食べる事こそが獲物に対する礼儀ではないか?」
余った肉に関しても放っておくつもりはない。俺は肉を食べながらアリサを見る。
「それで、アリサはどうしてここにきた? まさか偶然じゃないんだろ?」
俺を見た時の発言といい目的があってのことなのはわかる。沈黙していると食事が味気なくなるので聞いてみた。
「あんたを探しにきたのよ!!」
アリサはそう言って詰め寄ると、綺麗な瞳を俺に向けてくる。
炎で照り返すオレンジの瞳、近付いたことでアリサの端正な顔立ちがはっきりと見える。
「俺を? 何で?」
俺とアリサは一度取引をしただけの間柄。わざわざ探される用などないはず。
「行方不明になってたから! 私が渡した魔導剣のせいかもしれないと思ったのよ」
アリサの説明が理解できず首を傾げると、彼女も言葉足らずと思ったのか言葉を続ける。
「ほら、魔力を吸うと気絶すると言ったでしょ? あんたが倒れて死んでるんじゃないかと思って……」
確かに最初は魔力を吸われて気絶しそうになったが、慣れれば平気なものだ。
アリサは俺がここで行方不明という事で、倒れたんじゃないかと心配してみせた。
説明されてみれば納得するのだが……。俺はアリサの顔をまじまじと観察する。
「な、何よ?」
彼女は俺から離れると顔を背け、髪を指で弄り始めた。
「アリサはイイ女だな」
「は、はぁ!?」
行方不明リストに俺の名前があったから心配になったらしいが、普通は取引が終わった相手をそこまで気に掛けない。
ましてや、生死の確認の為、馬で一週間もかかるこのような僻地まで来るなど絶対にしないだろう。
彼女の顔には打算も嘘も一切なく、心の底から俺を心配してくれていたのが伝わる。
俺が彼女に感謝の気持ちを持ち、優しい目で見ていると……。
「それより、何で山籠りなんてしてるわけ?」
無事ならば何故戻ってこなかったのかを気にし始めた。
「実は一ヶ月前にとある貴族と揉めたら根に持たれてな。ここでの依頼にかこつけてそこの洞窟に閉じ込められたから、そのまま住み着くことにしたんだ」
「えっと……ちょと何言ってるかわからない」
眉間に右手を乗せ俺の言葉の意味を解釈しようとするアリサ。
「貴族の雇った人間に罠に嵌められたからそのままユング樹海に居ついた。そういう訳ね?」
「そうそう」
流石アリサ、理解が早い。
「この、モンスターがそこら中を歩いてる場所に? ありえないしっ!」
ところが一転して大声を出す。
「あんた、ユング樹海のこと知らなかったの?」
「あー、何か面倒な場所ということくらいは知っているぞ」
依頼を請ける際、やたらと持ち上げられたし、他の冒険者も遠目に「まじか?」という視線を送って来ていた。
「世界樹の膝元の樹海で危険なモンスターがウヨウヨいる! 魔法を使える人間でも余程のことがなきゃ近寄らないわよ!」
「なるほど、そう言う場所なのか」
通りで戦ったモンスターが強いわけだ。
「ここに来るなんて自殺者か、後ろ暗い人間くらいよ!」
確かにおびき出された理由はとても表立って言えるようなものではない。
「なるほど、そうだったのか!」
殺す為に都合が良い場所だったと気付く。
「そんなところで生き延びてたなんて、いえ、そもそもあんた何者なのよ?」
アリサには正直に話しても良いだろう。
「俺は異世界から召喚されたんだよ」
「あー、なるほどね。異世界人ならぶっ飛んだ行動してもそりゃそうか……」
何やら不本意な評価をされた気がする。俺は極めて常識的な行動を心掛けているつもりなのだが……。
「とにかく、街に帰りましょう」
アリサは俺の手を引くと、帰ろうと誘ってきた。
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