13 / 76
第13話 ヘンイタ男爵の復讐
しおりを挟む
「えっ? 仕事がない?」
「……ええ。申し訳ありませんが」
冒険者ギルドを訪れ、いつものように依頼を請けようとしたところそう言われた。
受付嬢は俺からさっと目を逸らすとそれ以上何も言わなくなった。
俺はそんな彼女の表情から何かを読み取ろうとじっと見つめるのだが、どれだけ凝視してもこちらを向かないので追及を諦めた。
受付嬢から視線を外し、周囲を見ると他の冒険者たちも視線を逸らす。
(どうやら、間違いないらしい)
先日揉めたヘンイタ男爵が早速嫌がらせをしてきたのだろう。冒険者ギルドに圧力をかけて仕事を奪う。
あまりにも分かりやすすぎて、実は別に犯人がいるのではないかと勘繰りたくなった。
(まだ資金は結構残ってるよな……)
以前、狩りに出た時に得た報酬の金貨が八枚。多少減ってはいるがこれだけでも数ヶ月は何もせずに過ごすことができる。
(でも、そんな過ごし方で満足できるか)
相手はあの変態男爵だ。根にもっているに違いなく、これから先も嫌がらせをしてくるのは明白だった。
(どうする? いったんこの国を出るか?)
こっちとしても召喚されて放り出された身だ。この国で活動してさほど経っていないので知り合いも少なく、未練もない。
新天地でやり直すのがもっとも効率の良い方法だろう。だが……。
(それだとあの変態男爵に屈したみたいで嫌なんだよな)
向こうは鼻が潰れただけで俺はやり直しを強いられる。それは果たして許容すべき事態なのだろうか?
今回俺が引くことで貴族との衝突を回避し新天地でやり直せるかもしれないが、この世界の貴族に変態男爵と同種がいるかもしれない以上、同じことが起こらないとも言い切れない。
ここは留まるべきではないか、そんなことを考えていると……。
「よう、相変わらず周囲を騒がせているやつだな」
「あっ。どうも、こんにちは」
以前一緒に狩りをした冒険者のリーダーが声を掛けてきた。
「どうしたんだ?」
あの狩りの日以来、遠くに見かけることはあっても声を掛けてこなかったのに、このタイミングで話し掛けてくるとは。
俺は彼がどのような意図で接触してきたのか視線で探りを入れる。もし例の変態貴族からの伝言や敵対行動ならば容赦はしない。そんなことを考えながら待っていると……。
「お前、儲け話に興味はないか?」
「……詳しく聞かせてもらおうか?」
俺は彼の言葉に耳を傾けるのだった。
「ここが、目的の洞窟か……」
王都を出発してから一週間、俺は馬を走らせるととある洞窟へと来ていた。
街道を進むこと三日、外れて荒野を進むこと三日。最後の方は馬も通れない場所だったので徒歩での移動となった。
なぜ俺がここにいるのかというと、冒険者リーダーの伝手で依頼を回してもらったからだ。
街から遠く離れた洞窟奥深くに咲く【ポワレの花】という解毒薬を作るのに必要な材料があり、それを採集してくることが今回俺に与えられた依頼だった。
余程入り組んだ地形と体力が必要らしく、リーダーも他の依頼を請けていて手が離せないのでこうして俺に声を掛けたそうだ。
「ひとまず、早く採集しないといけないよな……」
リーダーからは解毒薬が手に入らなければ苦しみ続ける子供がいると聞いている。俺はなるべく早く採集して帰ろうと洞窟に足を踏み入れたところ……。
――ゴゴゴゴゴゴゴゴ――
「えっ?」
しばらく進んだところで背後の地面がせりあがり洞窟の入り口が塞がって行く。
「罠!? いや、魔法か?」
洞窟に仕掛けられた罠が作動したのかと思ったが、かすかに魔力の流れを感じる。
「くそっ! 急いで出ないと!」
塞がってしまっては脱出が困難になる。俺は全力で入り口に向けて走るのだが……。
――ゴゴゴン――
奥に進みすぎてしまっていた。後少しというところで入り口が塞がれてしまう。
目の前にある壁を見る。
「えーと、聞こえるか?」
『……ああ、聞こえているよ』
しばらくの沈黙の後、声が聞こえる。岩に挟まれており聞き取り辛いがリーダーの声に違いない。
「そちらにいるということは、今回の話は罠ということでいいのか?」
『……そうだな』
また少し時間が経ってから返事が戻ってきた。
「そうですか、良かった」
『良かっただと!?』
俺の呟きに彼は律儀に反応して見せる。
「だって、毒を受けた子供なんていなかったということでしょう?」
依頼を請けたのは毒に苦しむ子供がいるというからだ。それがないというのならこちらも焦る必要がなくなった。
『はははは、とんだお人よしだぜ。これだから異世界人ってのは嵌めやすい。ちょっと女子供を出せば簡単に引っかかるんだからな』
別な声が聞こえる。
「えっと……あんたは?」
『俺はヘンイタ男爵に雇われた魔導師だ。この洞窟の入り口は俺の魔法で塞いでいる』
「なるほど、主人からの命令というわけか……」
『くっ! すまない!』
リーダーの口から申し訳なさそうな声が聞こえる。おそらく、俺との繋がりがあることを調べられ脅されていたのだろう。
こちらこそ巻き込んでしまって悪い気分だ。
『国の上流階級に逆らった報いだ。男爵からは「俺に逆らったことを後悔しながら死ね」と伝言を頼まれている』
「なるほど、ちょっと顔を踏みつけただけなのに随分と陰湿な。きっとアレも小さいんだろうな、と伝えておいてもらえるか?」
直接殺しにきたのならもはや遠慮はいらない。
『なるほど、こいつはイラつくやつだ。お前もよくこんなのと仲良くしていたな』
『はぁ……まぁ……』
二人はそんなやり取りをすると、
『とにかく、せいぜい後悔しながらくたばってくれや』
壁に耳を当てると、二人が離れていくのがわかった。
「まあ、これで復讐が終わるのならいいんだけどな」
魔導剣を駆使すればこの壁くらいいつでも破壊できる。今壊すと音を聞きつけて戻ってこられる可能性が高いので時間を潰す必要があるのだが……。
「せっかくだし、奥を見てみるか」
俺は洞窟の奥へと進むことにした。
「……ええ。申し訳ありませんが」
冒険者ギルドを訪れ、いつものように依頼を請けようとしたところそう言われた。
受付嬢は俺からさっと目を逸らすとそれ以上何も言わなくなった。
俺はそんな彼女の表情から何かを読み取ろうとじっと見つめるのだが、どれだけ凝視してもこちらを向かないので追及を諦めた。
受付嬢から視線を外し、周囲を見ると他の冒険者たちも視線を逸らす。
(どうやら、間違いないらしい)
先日揉めたヘンイタ男爵が早速嫌がらせをしてきたのだろう。冒険者ギルドに圧力をかけて仕事を奪う。
あまりにも分かりやすすぎて、実は別に犯人がいるのではないかと勘繰りたくなった。
(まだ資金は結構残ってるよな……)
以前、狩りに出た時に得た報酬の金貨が八枚。多少減ってはいるがこれだけでも数ヶ月は何もせずに過ごすことができる。
(でも、そんな過ごし方で満足できるか)
相手はあの変態男爵だ。根にもっているに違いなく、これから先も嫌がらせをしてくるのは明白だった。
(どうする? いったんこの国を出るか?)
こっちとしても召喚されて放り出された身だ。この国で活動してさほど経っていないので知り合いも少なく、未練もない。
新天地でやり直すのがもっとも効率の良い方法だろう。だが……。
(それだとあの変態男爵に屈したみたいで嫌なんだよな)
向こうは鼻が潰れただけで俺はやり直しを強いられる。それは果たして許容すべき事態なのだろうか?
今回俺が引くことで貴族との衝突を回避し新天地でやり直せるかもしれないが、この世界の貴族に変態男爵と同種がいるかもしれない以上、同じことが起こらないとも言い切れない。
ここは留まるべきではないか、そんなことを考えていると……。
「よう、相変わらず周囲を騒がせているやつだな」
「あっ。どうも、こんにちは」
以前一緒に狩りをした冒険者のリーダーが声を掛けてきた。
「どうしたんだ?」
あの狩りの日以来、遠くに見かけることはあっても声を掛けてこなかったのに、このタイミングで話し掛けてくるとは。
俺は彼がどのような意図で接触してきたのか視線で探りを入れる。もし例の変態貴族からの伝言や敵対行動ならば容赦はしない。そんなことを考えながら待っていると……。
「お前、儲け話に興味はないか?」
「……詳しく聞かせてもらおうか?」
俺は彼の言葉に耳を傾けるのだった。
「ここが、目的の洞窟か……」
王都を出発してから一週間、俺は馬を走らせるととある洞窟へと来ていた。
街道を進むこと三日、外れて荒野を進むこと三日。最後の方は馬も通れない場所だったので徒歩での移動となった。
なぜ俺がここにいるのかというと、冒険者リーダーの伝手で依頼を回してもらったからだ。
街から遠く離れた洞窟奥深くに咲く【ポワレの花】という解毒薬を作るのに必要な材料があり、それを採集してくることが今回俺に与えられた依頼だった。
余程入り組んだ地形と体力が必要らしく、リーダーも他の依頼を請けていて手が離せないのでこうして俺に声を掛けたそうだ。
「ひとまず、早く採集しないといけないよな……」
リーダーからは解毒薬が手に入らなければ苦しみ続ける子供がいると聞いている。俺はなるべく早く採集して帰ろうと洞窟に足を踏み入れたところ……。
――ゴゴゴゴゴゴゴゴ――
「えっ?」
しばらく進んだところで背後の地面がせりあがり洞窟の入り口が塞がって行く。
「罠!? いや、魔法か?」
洞窟に仕掛けられた罠が作動したのかと思ったが、かすかに魔力の流れを感じる。
「くそっ! 急いで出ないと!」
塞がってしまっては脱出が困難になる。俺は全力で入り口に向けて走るのだが……。
――ゴゴゴン――
奥に進みすぎてしまっていた。後少しというところで入り口が塞がれてしまう。
目の前にある壁を見る。
「えーと、聞こえるか?」
『……ああ、聞こえているよ』
しばらくの沈黙の後、声が聞こえる。岩に挟まれており聞き取り辛いがリーダーの声に違いない。
「そちらにいるということは、今回の話は罠ということでいいのか?」
『……そうだな』
また少し時間が経ってから返事が戻ってきた。
「そうですか、良かった」
『良かっただと!?』
俺の呟きに彼は律儀に反応して見せる。
「だって、毒を受けた子供なんていなかったということでしょう?」
依頼を請けたのは毒に苦しむ子供がいるというからだ。それがないというのならこちらも焦る必要がなくなった。
『はははは、とんだお人よしだぜ。これだから異世界人ってのは嵌めやすい。ちょっと女子供を出せば簡単に引っかかるんだからな』
別な声が聞こえる。
「えっと……あんたは?」
『俺はヘンイタ男爵に雇われた魔導師だ。この洞窟の入り口は俺の魔法で塞いでいる』
「なるほど、主人からの命令というわけか……」
『くっ! すまない!』
リーダーの口から申し訳なさそうな声が聞こえる。おそらく、俺との繋がりがあることを調べられ脅されていたのだろう。
こちらこそ巻き込んでしまって悪い気分だ。
『国の上流階級に逆らった報いだ。男爵からは「俺に逆らったことを後悔しながら死ね」と伝言を頼まれている』
「なるほど、ちょっと顔を踏みつけただけなのに随分と陰湿な。きっとアレも小さいんだろうな、と伝えておいてもらえるか?」
直接殺しにきたのならもはや遠慮はいらない。
『なるほど、こいつはイラつくやつだ。お前もよくこんなのと仲良くしていたな』
『はぁ……まぁ……』
二人はそんなやり取りをすると、
『とにかく、せいぜい後悔しながらくたばってくれや』
壁に耳を当てると、二人が離れていくのがわかった。
「まあ、これで復讐が終わるのならいいんだけどな」
魔導剣を駆使すればこの壁くらいいつでも破壊できる。今壊すと音を聞きつけて戻ってこられる可能性が高いので時間を潰す必要があるのだが……。
「せっかくだし、奥を見てみるか」
俺は洞窟の奥へと進むことにした。
60
お気に入りに追加
854
あなたにおすすめの小説

無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
異世界召喚されたら無能と言われ追い出されました。~この世界は俺にとってイージーモードでした~
WING/空埼 裕@書籍発売中
ファンタジー
1~8巻好評発売中です!
※2022年7月12日に本編は完結しました。
◇ ◇ ◇
ある日突然、クラスまるごと異世界に勇者召喚された高校生、結城晴人。
ステータスを確認したところ、勇者に与えられる特典のギフトどころか、勇者の称号すらも無いことが判明する。
晴人たちを召喚した王女は「無能がいては足手纏いになる」と、彼のことを追い出してしまった。
しかも街を出て早々、王女が差し向けた騎士によって、晴人は殺されかける。
胸を刺され意識を失った彼は、気がつくと神様の前にいた。
そしてギフトを与え忘れたお詫びとして、望むスキルを作れるスキルをはじめとしたチート能力を手に入れるのであった──
ハードモードな異世界生活も、やりすぎなくらいスキルを作って一発逆転イージーモード!?
前代未聞の難易度激甘ファンタジー、開幕!

神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました
向原 行人
ファンタジー
僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。
実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。
そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。
なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!
そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。
だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。
どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。
一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!
僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!
それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?
待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。

召喚されたら無能力だと追放されたが、俺の力はヘルプ機能とチュートリアルモードだった。世界の全てを事前に予習してイージーモードで活躍します
あけちともあき
ファンタジー
異世界召喚されたコトマエ・マナビ。
異世界パルメディアは、大魔法文明時代。
だが、その時代は崩壊寸前だった。
なのに人類同志は争いをやめず、異世界召喚した特殊能力を持つ人間同士を戦わせて覇を競っている。
マナビは魔力も闘気もゼロということで無能と断じられ、彼を召喚したハーフエルフ巫女のルミイとともに追放される。
追放先は、魔法文明人の娯楽にして公開処刑装置、滅びの塔。
ここで命運尽きるかと思われたが、マナビの能力、ヘルプ機能とチュートリアルシステムが発動する。
世界のすべてを事前に調べ、起こる出来事を予習する。
無理ゲーだって軽々くぐり抜け、デスゲームもヌルゲーに変わる。
化け物だって天変地異だって、事前の予習でサクサククリア。
そして自分を舐めてきた相手を、さんざん煽り倒す。
当座の目的は、ハーフエルフ巫女のルミイを実家に帰すこと。
ディストピアから、ポストアポカリプスへと崩壊していくこの世界で、マナビとルミイのどこか呑気な旅が続く。

外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~
海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。
地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。
俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。
だけど悔しくはない。
何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。
そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。
ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。
アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。
フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。
※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています

無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います
長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。
しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。
途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。
しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。
「ミストルティン。アブソープション!」
『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』
「やった! これでまた便利になるな」
これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。
~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる