5 / 76
第5話 魔導装置
しおりを挟む
「これが錬金術ギルドか……」
目の前の巨大な建物に圧倒される。
話に聞くところによると、この世界の建築方法は現実世界のそれとはことなる。
なまじ魔法があるからか、魔法で建材を作り出し、それを魔法で加工することで建造しているのだ。
この錬金術ギルドは、巨大な大理石を削り出し、通路や部屋を用意しているので建物が非常に入り組んでいる。
「えっと、どこに行けばいいんだっけ?」
受付嬢からもらった地図を見てもいまいちわからない。
ところどころに階段があったり「この先地下室」など、これでもかというくらい立体的な構造をしている。まるでテロ対策をしている施設のように入り組んでおり、迷ったら一生出られないのではないかと思った。
「……道理で嫌がるわけだ」
お使いということで気楽に考えていたが、時間をとられるので冒険者が来たがらないのは理解できる。
「とりあえず、誰かに道を聞こうかな……?」
周りを見回すと、錬金術師だと思われるローブ姿の人間がそこら中にいる。
錬金術師たちはせわしなく動き回っており、とてもではないが声を掛けられる雰囲気ではなかった。
そんな中、俺を見ている錬金術師がいた。こうなったら忙しくても構わない。
「あのっ!」
彼女に近付き声を掛けると……。
「ちょっと、ドアの修理に来たんでしょ! 早く直してよ!」
なぜか怒られてしまった。俺は面を食らうと言い訳をする。
「いや、俺は……冒険者ギルドから荷物を……」
荷物を届けようとして迷ってるので案内して欲しいのだが、これでは話を聞いてもらえるか微妙だ。
「この前、乱暴に扱う馬鹿がいたせいで壊れてるの! 一般人が触れると危険な魔導具もあるから早く直してちょうだい」
説明をしようにも、錬金術師は俺の首をひっつかむとずるずると廊下を引きずって行く。女性で腕が細いにも拘わらず、どこにこのような力があるのだろうか?
「はい、ここよろしくね。終わったら声掛けて」
結局、良くわからないうちに施設の奥へと引きずり込まれてしまった。
彼女が嵐のように立ち去ってからしばらく、俺は現状を把握することにつとめる。
蝶番が外れたドアを見る。壊れているとはいっても本体は無事なようだ。部品を取り換えるだけで済むだろう。
ここまで来たのなら直した後で声を掛けて、ついでに荷物の届け先まで案内してもらう方が得策。
俺は床に置かれている工具を手に取ると、ドアの修理を始めた。
「よし、修理完了」
しばらくして、ドアの修理が終わり開閉してみても問題がないことを確認すると、奥の部屋が気になった。
「でかい石だな……魔石ってやつか?」
巨大な魔法陣があり、その中心に透明な石が浮かんでいる。人間など押しつぶしてしまいそうな重厚感。魔法で浮かんでいるのは明らかだが、手前にある台座で操作するのだろうか?
「これが魔導具? やっぱりファンタジー世界に来たんだな」
もう少し近くで見ても大丈夫だろうか?
魔導具に気をとられながら進んだせいか、足元に置いてあった工具を蹴ってバランスを崩してしまった。
「うわっ、とぉっ!」
たたらを踏み、前に出る。転ばないように伸ばした左手が台座に触れてしまった。
――ギュオオオオオオオオオオオオン――
「えっ?」
何やら魔導具が起動するような音が聞こえ、魔石が輝き出す。
「なん……だ……これ……?」
急激に、身体から何かが抜けていくのが解る。咄嗟にこのままでは危険と思った俺は、エリクサーを作り出し、中身を口に含んだ。
(これは……マジできつい……)
手が離れず、ずっとエリクサーを飲み続けているのだが、明らかに身体から何かを吸い上げられている。
虚脱と回復を繰り返すので精神的にかかる負荷は尋常ではない。いつ終わるともわからない苦行。どれだけの時間が経っただろうか、いつの間にか魔導具の鳴動が止んでいた。
「やっと身体から手が離せるようになった」
台座から手を離し、手を開閉してみる。一体何だったのかはわからないが、エリクサーで回復しているお蔭か問題ないようだ。
「あれ? これってこんな色してなかったよな?」
魔石が虹色に輝いている。まるで俺のエリクサーと同じような色だ。
「なんだか疲れたし、お使いもしなきゃいけないから出るとするか……」
身体も精神も万全なのだが、気疲れした俺は荷物を持つと部屋を出るのだった。
★
「これは由々しき事態です」
錬金術ギルドの会議室で長は険しい目付きをすると、その場の全員を睨みつけていた。
それというのも、前代未聞の事件が起こったからだ。
「施設に魔力を供給する魔導装置、それが満タンまで充魔されていました。アリサ、本当にあなたの仕業ではないのですね?」
その場にいた全員の視線がアリサへと降り注ぐ。
「えっと……あははは、そうですね。流石に無理です」
この魔導装置は錬金術ギルドの施設に五つあり、それぞれが各所に魔力を供給している。
充魔には大量の魔力が必要で、満タンまで行くにはこの錬金術ギルドの平均的な人間百人分の魔力が必要になる。
「私の魔力をフルに注いでも十人分が限界ですし……」
アリサは、この錬金術ギルドで最も多くの魔力を保有している。彼女で無理なら他の誰にもできるはずがない。
魔力が満タンなので「良かったね、これで施設を使い放題だわ」とはならない。
「だとしたら、誰がやったというの?」
誰にもできないはずの魔力補充がなされているのだ。アリサでないなら違う答えを示さなければならない。
「えっと、誰か他の人が代わりにやったのでは?」
能面を浮かべるギルド長に、アリサは冷や汗を掻きながらも答えを提示した。
「他の錬金術師は魔力が残っています。あなたも錬金術師なら、一度使い切った魔力は回復の魔法陣でも一週間は全快しないと知っているでしょう?」
百人の錬金術師がアリサの面目を潰そうとしたということも考えられなくはないが、全員十分な魔力が残っている時点であり得ない。
「だとすると、百人分の魔力を持つ人物がいてそれを秘匿している?」
ばかけている。これまでの国の歴史でこの魔導装置の魔力をたった一人で補充したのは四人しか存在しない。
膨大な魔力を持つそれらの人物は賢者とたたえられ、様々な魔法を操り伝説を残している。
もし五人目の達成者が現れたとして、それを隠す意味がわからない。
「ほ、他に怪しい奴は……いなかったんで……しょう……か?」
アリサの言葉がしりすぼみに小さくなっていく。元はと言えば彼女の失態だからだ。
「貴女が寝坊などせず、きちんと充魔の仕事をしていれば正体も掴めているはずなのですけどね?」
アリサは同僚の忠告があったにもかかわらず二度寝をし、魔力が満タンになった魔導装置を見た錬金術師が事情を聞きに部屋を訪ねるまで眠っていた。
「とにかく、これをやった犯人を突き止めること。それが貴女への罰則ですよ。見つけるまでは減給です」
「そ、そんなぁ~~~~!?」
涙目になったアリサ、悲痛な叫び声が会議室を満たした。
★
目の前の巨大な建物に圧倒される。
話に聞くところによると、この世界の建築方法は現実世界のそれとはことなる。
なまじ魔法があるからか、魔法で建材を作り出し、それを魔法で加工することで建造しているのだ。
この錬金術ギルドは、巨大な大理石を削り出し、通路や部屋を用意しているので建物が非常に入り組んでいる。
「えっと、どこに行けばいいんだっけ?」
受付嬢からもらった地図を見てもいまいちわからない。
ところどころに階段があったり「この先地下室」など、これでもかというくらい立体的な構造をしている。まるでテロ対策をしている施設のように入り組んでおり、迷ったら一生出られないのではないかと思った。
「……道理で嫌がるわけだ」
お使いということで気楽に考えていたが、時間をとられるので冒険者が来たがらないのは理解できる。
「とりあえず、誰かに道を聞こうかな……?」
周りを見回すと、錬金術師だと思われるローブ姿の人間がそこら中にいる。
錬金術師たちはせわしなく動き回っており、とてもではないが声を掛けられる雰囲気ではなかった。
そんな中、俺を見ている錬金術師がいた。こうなったら忙しくても構わない。
「あのっ!」
彼女に近付き声を掛けると……。
「ちょっと、ドアの修理に来たんでしょ! 早く直してよ!」
なぜか怒られてしまった。俺は面を食らうと言い訳をする。
「いや、俺は……冒険者ギルドから荷物を……」
荷物を届けようとして迷ってるので案内して欲しいのだが、これでは話を聞いてもらえるか微妙だ。
「この前、乱暴に扱う馬鹿がいたせいで壊れてるの! 一般人が触れると危険な魔導具もあるから早く直してちょうだい」
説明をしようにも、錬金術師は俺の首をひっつかむとずるずると廊下を引きずって行く。女性で腕が細いにも拘わらず、どこにこのような力があるのだろうか?
「はい、ここよろしくね。終わったら声掛けて」
結局、良くわからないうちに施設の奥へと引きずり込まれてしまった。
彼女が嵐のように立ち去ってからしばらく、俺は現状を把握することにつとめる。
蝶番が外れたドアを見る。壊れているとはいっても本体は無事なようだ。部品を取り換えるだけで済むだろう。
ここまで来たのなら直した後で声を掛けて、ついでに荷物の届け先まで案内してもらう方が得策。
俺は床に置かれている工具を手に取ると、ドアの修理を始めた。
「よし、修理完了」
しばらくして、ドアの修理が終わり開閉してみても問題がないことを確認すると、奥の部屋が気になった。
「でかい石だな……魔石ってやつか?」
巨大な魔法陣があり、その中心に透明な石が浮かんでいる。人間など押しつぶしてしまいそうな重厚感。魔法で浮かんでいるのは明らかだが、手前にある台座で操作するのだろうか?
「これが魔導具? やっぱりファンタジー世界に来たんだな」
もう少し近くで見ても大丈夫だろうか?
魔導具に気をとられながら進んだせいか、足元に置いてあった工具を蹴ってバランスを崩してしまった。
「うわっ、とぉっ!」
たたらを踏み、前に出る。転ばないように伸ばした左手が台座に触れてしまった。
――ギュオオオオオオオオオオオオン――
「えっ?」
何やら魔導具が起動するような音が聞こえ、魔石が輝き出す。
「なん……だ……これ……?」
急激に、身体から何かが抜けていくのが解る。咄嗟にこのままでは危険と思った俺は、エリクサーを作り出し、中身を口に含んだ。
(これは……マジできつい……)
手が離れず、ずっとエリクサーを飲み続けているのだが、明らかに身体から何かを吸い上げられている。
虚脱と回復を繰り返すので精神的にかかる負荷は尋常ではない。いつ終わるともわからない苦行。どれだけの時間が経っただろうか、いつの間にか魔導具の鳴動が止んでいた。
「やっと身体から手が離せるようになった」
台座から手を離し、手を開閉してみる。一体何だったのかはわからないが、エリクサーで回復しているお蔭か問題ないようだ。
「あれ? これってこんな色してなかったよな?」
魔石が虹色に輝いている。まるで俺のエリクサーと同じような色だ。
「なんだか疲れたし、お使いもしなきゃいけないから出るとするか……」
身体も精神も万全なのだが、気疲れした俺は荷物を持つと部屋を出るのだった。
★
「これは由々しき事態です」
錬金術ギルドの会議室で長は険しい目付きをすると、その場の全員を睨みつけていた。
それというのも、前代未聞の事件が起こったからだ。
「施設に魔力を供給する魔導装置、それが満タンまで充魔されていました。アリサ、本当にあなたの仕業ではないのですね?」
その場にいた全員の視線がアリサへと降り注ぐ。
「えっと……あははは、そうですね。流石に無理です」
この魔導装置は錬金術ギルドの施設に五つあり、それぞれが各所に魔力を供給している。
充魔には大量の魔力が必要で、満タンまで行くにはこの錬金術ギルドの平均的な人間百人分の魔力が必要になる。
「私の魔力をフルに注いでも十人分が限界ですし……」
アリサは、この錬金術ギルドで最も多くの魔力を保有している。彼女で無理なら他の誰にもできるはずがない。
魔力が満タンなので「良かったね、これで施設を使い放題だわ」とはならない。
「だとしたら、誰がやったというの?」
誰にもできないはずの魔力補充がなされているのだ。アリサでないなら違う答えを示さなければならない。
「えっと、誰か他の人が代わりにやったのでは?」
能面を浮かべるギルド長に、アリサは冷や汗を掻きながらも答えを提示した。
「他の錬金術師は魔力が残っています。あなたも錬金術師なら、一度使い切った魔力は回復の魔法陣でも一週間は全快しないと知っているでしょう?」
百人の錬金術師がアリサの面目を潰そうとしたということも考えられなくはないが、全員十分な魔力が残っている時点であり得ない。
「だとすると、百人分の魔力を持つ人物がいてそれを秘匿している?」
ばかけている。これまでの国の歴史でこの魔導装置の魔力をたった一人で補充したのは四人しか存在しない。
膨大な魔力を持つそれらの人物は賢者とたたえられ、様々な魔法を操り伝説を残している。
もし五人目の達成者が現れたとして、それを隠す意味がわからない。
「ほ、他に怪しい奴は……いなかったんで……しょう……か?」
アリサの言葉がしりすぼみに小さくなっていく。元はと言えば彼女の失態だからだ。
「貴女が寝坊などせず、きちんと充魔の仕事をしていれば正体も掴めているはずなのですけどね?」
アリサは同僚の忠告があったにもかかわらず二度寝をし、魔力が満タンになった魔導装置を見た錬金術師が事情を聞きに部屋を訪ねるまで眠っていた。
「とにかく、これをやった犯人を突き止めること。それが貴女への罰則ですよ。見つけるまでは減給です」
「そ、そんなぁ~~~~!?」
涙目になったアリサ、悲痛な叫び声が会議室を満たした。
★
58
お気に入りに追加
854
あなたにおすすめの小説

無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
異世界召喚されたら無能と言われ追い出されました。~この世界は俺にとってイージーモードでした~
WING/空埼 裕@書籍発売中
ファンタジー
1~8巻好評発売中です!
※2022年7月12日に本編は完結しました。
◇ ◇ ◇
ある日突然、クラスまるごと異世界に勇者召喚された高校生、結城晴人。
ステータスを確認したところ、勇者に与えられる特典のギフトどころか、勇者の称号すらも無いことが判明する。
晴人たちを召喚した王女は「無能がいては足手纏いになる」と、彼のことを追い出してしまった。
しかも街を出て早々、王女が差し向けた騎士によって、晴人は殺されかける。
胸を刺され意識を失った彼は、気がつくと神様の前にいた。
そしてギフトを与え忘れたお詫びとして、望むスキルを作れるスキルをはじめとしたチート能力を手に入れるのであった──
ハードモードな異世界生活も、やりすぎなくらいスキルを作って一発逆転イージーモード!?
前代未聞の難易度激甘ファンタジー、開幕!

召喚されたら無能力だと追放されたが、俺の力はヘルプ機能とチュートリアルモードだった。世界の全てを事前に予習してイージーモードで活躍します
あけちともあき
ファンタジー
異世界召喚されたコトマエ・マナビ。
異世界パルメディアは、大魔法文明時代。
だが、その時代は崩壊寸前だった。
なのに人類同志は争いをやめず、異世界召喚した特殊能力を持つ人間同士を戦わせて覇を競っている。
マナビは魔力も闘気もゼロということで無能と断じられ、彼を召喚したハーフエルフ巫女のルミイとともに追放される。
追放先は、魔法文明人の娯楽にして公開処刑装置、滅びの塔。
ここで命運尽きるかと思われたが、マナビの能力、ヘルプ機能とチュートリアルシステムが発動する。
世界のすべてを事前に調べ、起こる出来事を予習する。
無理ゲーだって軽々くぐり抜け、デスゲームもヌルゲーに変わる。
化け物だって天変地異だって、事前の予習でサクサククリア。
そして自分を舐めてきた相手を、さんざん煽り倒す。
当座の目的は、ハーフエルフ巫女のルミイを実家に帰すこと。
ディストピアから、ポストアポカリプスへと崩壊していくこの世界で、マナビとルミイのどこか呑気な旅が続く。

神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました
向原 行人
ファンタジー
僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。
実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。
そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。
なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!
そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。
だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。
どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。
一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!
僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!
それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?
待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。

外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~
海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。
地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。
俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。
だけど悔しくはない。
何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。
そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。
ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。
アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。
フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。
※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる