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第7話 二人だけの秘密
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「……これがペナルティか」
これまで三職業の能力を問題なく扱えただけに、なんらかのペナルティがあるのは間違いないと思っていたが、意外な形で発見してしまった。
異世界に転生する人間が最大の目標にするのは二つ「最強になる」「ハーレムを作る」になる。
通常、チート一つもあればその両方を満たすことも不可能ではないのだが、今回俺が選んだのは三つの職業を得るという選択だった。
得られるモノが大きいほどリスクも高くなる。その結果「ハーレムを作る」ができなくなってしまった。
「大丈夫です。他の方には絶対に教えませんから」
俺が固まっていると、クロエさんが優しい瞳で話しかけてきてくれた。
彼女は俺のこの称号を見て何を思うのだろうか?
先程の光が気になったのか、後ろから覗き込もうとする気配を感じる。
いつまでもこのままでいるとさらに大胆な行動に出かねない。
「初期数値があまりにも低いこともありますし、例え今は弱くても、依頼をこなしていくうちに成長することもありますから。ね?」
見せないことで俺のステータスが低いと思ったのか、彼女は諭すように微笑み掛けてきてくれた。
「本当に、二人だけの秘密にしてもらえますか?」
俺は恥を忍んで彼女に確認をする。
「勿論です。担当になったからには、タクマさんは大切なパートナー。決して他言しません」
「それじゃあ……」
あの称号が知られるのは恥ずかしいのだが、このまま注目を浴びるくらいならサッサと済ませてしまった方が良い。
彼女は身分証を受け取ると俺のステータスを確認した。
「これ……は!?」
思わせぶりな彼女の態度に、後ろで待機していた冒険者たちが聞き耳を立てる気配を感じた。
「凄……い」
口元を手で隠し驚愕しているクロエさん。
「一体何を言っているんだ?」
「えっ?」
「えっ?」
予想外のリアクションに戸惑いを覚え、彼女と目を合わせる。その瞳には何やら尊敬のようなキラキラしたものが感じられた。
「なるほど、確かにこれは簡単に人に見せるわけにはいきませんね」
「そうでしょう」
神妙な顔をして頷く彼女に俺は同意する。
称号になっている『永遠に童貞』を知られてしまえば、あっという間に笑い者だ。
「ひとまず、斡旋できる仕事についてはこちらで探しておくということでよろしいですか?」
「ええ、よろしくお願いします」
こっちとしてはどのような依頼があるのかわかっていないのだ。彼女に任せてしまおう。
「それにしても、勇気を出して良かったです。てっきり笑われるのかと思ったので……」
「笑うなんてとんでもないです。少し驚きましたが、たまにタクマ様のような方は現れますので」
なるほど、俺のようにペナルティを受けて冒険者ギルドに登録するやつもいるということか……。
「それにしたって恥ずかしい称号ですから」
俺は彼女だけに聞こえる声でそう囁くのだが……。
「えっ?」
身分証を返してもらおうとしたところで手が止まる。彼女は俺のステータスの称号の部分に視線をやると。
「あっ……そっち」
顔を赤らめると目を逸らしてしまった。
「何だと思ったんですか?」
冷や汗が垂れ、彼女が何と勘違いしていたのか聞いてみる。
「ただ、ステータスが随分と高かったので……」
恥ずかしそうにしながら、彼女はこっそりと俺に耳打ちをした。
称号があまりにも衝撃的すぎて、自分のステータスについては失念していた。
余計な一言さえなければ称号に気付かれずに済んだのに……。
そんな後悔をしていると……。
「その……タクマ様が童貞というのは意外です。格好良いのに」
顔を真っ赤にしながら慌ててフォローを入れてくる。
「……ありがとうございます」
俺はお礼を言うと、慌てて冒険者ギルドを後にした。これ以上彼女の顔を見ていることができなかったから……。
これまで三職業の能力を問題なく扱えただけに、なんらかのペナルティがあるのは間違いないと思っていたが、意外な形で発見してしまった。
異世界に転生する人間が最大の目標にするのは二つ「最強になる」「ハーレムを作る」になる。
通常、チート一つもあればその両方を満たすことも不可能ではないのだが、今回俺が選んだのは三つの職業を得るという選択だった。
得られるモノが大きいほどリスクも高くなる。その結果「ハーレムを作る」ができなくなってしまった。
「大丈夫です。他の方には絶対に教えませんから」
俺が固まっていると、クロエさんが優しい瞳で話しかけてきてくれた。
彼女は俺のこの称号を見て何を思うのだろうか?
先程の光が気になったのか、後ろから覗き込もうとする気配を感じる。
いつまでもこのままでいるとさらに大胆な行動に出かねない。
「初期数値があまりにも低いこともありますし、例え今は弱くても、依頼をこなしていくうちに成長することもありますから。ね?」
見せないことで俺のステータスが低いと思ったのか、彼女は諭すように微笑み掛けてきてくれた。
「本当に、二人だけの秘密にしてもらえますか?」
俺は恥を忍んで彼女に確認をする。
「勿論です。担当になったからには、タクマさんは大切なパートナー。決して他言しません」
「それじゃあ……」
あの称号が知られるのは恥ずかしいのだが、このまま注目を浴びるくらいならサッサと済ませてしまった方が良い。
彼女は身分証を受け取ると俺のステータスを確認した。
「これ……は!?」
思わせぶりな彼女の態度に、後ろで待機していた冒険者たちが聞き耳を立てる気配を感じた。
「凄……い」
口元を手で隠し驚愕しているクロエさん。
「一体何を言っているんだ?」
「えっ?」
「えっ?」
予想外のリアクションに戸惑いを覚え、彼女と目を合わせる。その瞳には何やら尊敬のようなキラキラしたものが感じられた。
「なるほど、確かにこれは簡単に人に見せるわけにはいきませんね」
「そうでしょう」
神妙な顔をして頷く彼女に俺は同意する。
称号になっている『永遠に童貞』を知られてしまえば、あっという間に笑い者だ。
「ひとまず、斡旋できる仕事についてはこちらで探しておくということでよろしいですか?」
「ええ、よろしくお願いします」
こっちとしてはどのような依頼があるのかわかっていないのだ。彼女に任せてしまおう。
「それにしても、勇気を出して良かったです。てっきり笑われるのかと思ったので……」
「笑うなんてとんでもないです。少し驚きましたが、たまにタクマ様のような方は現れますので」
なるほど、俺のようにペナルティを受けて冒険者ギルドに登録するやつもいるということか……。
「それにしたって恥ずかしい称号ですから」
俺は彼女だけに聞こえる声でそう囁くのだが……。
「えっ?」
身分証を返してもらおうとしたところで手が止まる。彼女は俺のステータスの称号の部分に視線をやると。
「あっ……そっち」
顔を赤らめると目を逸らしてしまった。
「何だと思ったんですか?」
冷や汗が垂れ、彼女が何と勘違いしていたのか聞いてみる。
「ただ、ステータスが随分と高かったので……」
恥ずかしそうにしながら、彼女はこっそりと俺に耳打ちをした。
称号があまりにも衝撃的すぎて、自分のステータスについては失念していた。
余計な一言さえなければ称号に気付かれずに済んだのに……。
そんな後悔をしていると……。
「その……タクマ様が童貞というのは意外です。格好良いのに」
顔を真っ赤にしながら慌ててフォローを入れてくる。
「……ありがとうございます」
俺はお礼を言うと、慌てて冒険者ギルドを後にした。これ以上彼女の顔を見ていることができなかったから……。
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