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1巻

1-2

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 2


 魔法による仕掛けで開いた部屋は狭かった。
 部屋というよりは物置きとでもいうべきだろうか?
 大人が数人も入れば窮屈になる程度の広さしかないこの場所の中心には、輝かんばかりの装備が飾られていた。


 ・金の刺繍ししゅうが入った幾重いくえにも魔法がかかっているローブ
 ・こぶし程の虹魔石こうませきをつけた杖
 ・属性が違ういくつもの魔石が嵌め込まれた腕輪
 ・宝玉が輝くサークレット


 いずれも、ただならぬ気配を放っており、これが伝説に名高い神器アーティファクトなのだと俺は一瞬で理解した。
 一つだけでも人生を千回遊んで暮らせる神器が四つも同時に目の前に現れたのだ。
 どうすべきか躊躇ためらっていたがずっとこのままというわけにもいかない。
 俺は意を決してそれらに触れることにした。

「杖があっただけでも大助かりだ」

 犯罪者に奪われてしまったせいで簡単な魔法しか使えなくなっていたが、これさえあれば脱出するための魔法を使うことができる。

「やはり、魔導師としてはこれがないと落ち着かないからな」

 俺は目の前に飾られていたローブを身に着け、杖を手にした。

「……凄いな、驚く程軽いし、魔力がおそろしい程スムーズに流れる」

 熱くもなければ寒くもない、それでいて身を守ってもらえるような確かな安心感があり着ている感覚が薄い。重さがゼロどころかマイナスのようで身体が軽く感じる。

「他の装備もこんな感じなのか?」

 神器を装備したことで気後きおくれがなくなった俺は、続けて左腕に腕輪を通し、サークレットを頭に被せた。

「うっ……頭がっ!」

 次の瞬間、頭痛が起こり、俺は杖を手放してしまう。

「くっ、なんだこれ……」

 平衡へいこう感覚を失い地面に手をつく。
 しばらくの間耐えていると、徐々に痛みがやわらいできた。

「これは……今まで使うことができなかった魔法の知識が突然湧いてきた。このサークレットのせいか?」

 頭痛が消え、頭がスッキリすると、これまで使い方を知らなかった魔法を覚えていた。
 その中には現代の魔導師では扱えない遺失魔法ロストマジックも存在している。

「そうだ、この魔法を使えば神器を調べることができるかもしれない」

 俺はそう思いつくと、杖を掴み、身に着けている神器に魔法を使った。

「アナリシス」

 目の前に神器の説明が浮かび上がる。俺はその内容をゆっくりと読んだ。


 大賢者のローブ
 すべての属性魔法を吸収し魔力に換える。魔力を注いだ分だけ防御力がアップする。ローブの中は常に快適な温度に調整される。


 破邪はじゃの杖
 魔法使用時の消費魔力が十分の一になる。魔法の威力が通常の十倍になる。一度使ったことがある魔法を記録しておき無詠唱で繰り出すことができる。


 亜空間の腕輪
 亜空間に無限にアイテムを収納できる。閉じている間は時間が経過しないので品質は入れた時のまま保たれる。


 大賢者のサークレット
 大賢者の知識を引き出すことができる。古代より存在するすべての魔法を扱うことができる。



 あまりの高性能っぷりに開いた口がふさがらない。
 一つだけでも性能が凄すぎるのに同時に四つも入手したのだ。
『大賢者のローブ』があれば魔法を使ってくる相手を完全に無効化できるばかりか、物理的な攻撃にも対応できる。
『破邪の杖』があれば見習い魔導師でも強力な魔法を扱え、大人数を相手にしても立ち回れるようになる。
『亜空間の腕輪』があれば無限にアイテムを収納できるので、商人をしても良いし、食糧など大量に用意しておけばダンジョンに長期間もることも可能。
 戦争時に武器や防具を一手に引き受ければ進行速度も上がるし、兵士たちの疲労を抑えることもできる。あらゆる事態をくつがえす可能性があった。
 最後に『大賢者のサークレット』だが、必要な魔法を大まかに思い浮かべると魔法の候補が浮かんでくる。
 その中から一番使えそうなものを選択するだけで、最大限の効果を得られるというもので、ある意味これが一番反則な気がする。

「えっと、これ本当に俺が持っていっていいんだよな?」

 ダンジョンで拾った物は最初に手に入れた人間の物というルールがある。これまで誰もこの場所に到達しなかったので、最初に発見した俺に権利があるのは間違いない。

「まあ、これがないと生き残れないかもしれないからな」

 何せここは生還率ゼロのジョンだ。凶悪な罠や凶暴なモンスターが存在している。強い力を持つに越したことはない。

「とりあえず、穴から脱出したいけど何か適当な魔法はないか?」

 サークレットに尋ねると、フライという身体を飛ばす魔法があった。

「ひとまず穴から出て、そのあとは……先に進むか」

 丸一日経っているので、遠くに行ってしまっているかもしれないが、犯罪者のあとを追うのは難しくない。
 もし彼らが深淵ダンジョンからの脱出を目指しているのなら、俺が指し示したルートを通るはず。

「まあ、出てから考えるか」

 俺は杖を構えると魔法を唱えた。

「フライ」

 足元の感触が消え、身体が浮かび上がった。

「お、おお……」

 地に足がついていないというのはバランスを取るのが難しい。最初は苦戦したが、魔法をコントロールすることで浮かぶ方向も速度も意のままに操れるようになった。

「とりあえず、ゆっくり浮かんで上を目指すか」

 ふらふらしながらも身体が浮上していく。天井が近くなり、下を見ると結構な高さまで上がっていた。
 俺は慎重に高度を下げると、横に移動し地面に足をつける。

「ふぅ、落とし穴からようやく出られた」

 上に戻れたことに安堵すると溜息を吐いた。


 ★


 暗闇の中、照明魔法を使わず慎重に歩く。
 ナイトビジョンという暗闇の中でも明るく見える魔法のおかげで、視界を確保し動くことができた。
 ダンジョンに入ったばかりの頃は壁が光っていて周囲を明るくしていたが、時間が経つにつれて徐々に暗くなり、最終的には真っ暗になってしまった。
 その時一緒に行動をしていた犯罪者が慌てた様子だったので、俺は「外が夜になっただけだ。多分外の太陽の光を投影しているのだろう」と言って落ち着かせた。
 事実、暗闇の時間は俺が記憶している限りこの時期の日没・日の出とほぼ一致している。
 ダンジョン内とはいえ昼夜がはっきりしているのはありがたい。
 進むべきか休むべきかの判断基準にもなるし、モンスターも暗がりの中では活動を控えるはず。
 つまり、今の俺のように安全に動き回ることも可能になるのだ。
 話をナイトビジョンに戻すと、この魔法は明かりを生み出すライトの魔法と同じく消費魔力が少なく長時間継続できるので重宝するのだが、魔導師は夜中にわざわざ動き回らないし、見張りの際に使おうにも、視界が明るくなりすぎるので眠りの妨げにもなる。
 そんなわけで、わざわざ覚えようとしない魔導師はわりと多かったりする。
 今回はそれを覚えていることが幸いした。俺が現在進んでいるルートは、犯罪者も進んでいるはずのルートだ。
 明かりをつけて接近すればたちまち気付かれてしまう。俺が無事なことを悟られたくないので、不意をつくならこちらのほうがよい。

「……それにしてもなかなか追いつかないな」

 向こうは集団で、道中モンスターとの戦闘を繰り広げているはずなのだ。だというのに落とし穴から這い上がって半日追いかけているが、犯罪者どもの背中を見ることができなかった。

「ぎゃああああああああああ」

 その瞬間、聞いた覚えがある声の悲鳴が聞こえる。
 わりと遠くのようだが、それだけ大きな声をあげる何かがあったのだろう。

(行ってみるしかない)

 あくまで、こちらの動きを悟られるような真似はせず、目立たないよう素早く走る。


 やがて、声がした場所にたどり着いた俺は、姿を隠すのも忘れその場の光景を見てしまった。

「嘘……だろ?」

 そこには、数メートルを超すモンスターが三匹おり、周囲には俺とともに深淵ダンジョンに投獄された犯罪者たちが倒れていた。
 戦闘職ではなかったからか、モンスターを相手になすすべもなくほふられてしまっている。
 首の骨が折れていたり、身体が潰されていたり。どう見ても死んでいるのは明らかだ。

「あぐ……たすけ……」

 俺を嵌めた犯罪者の一人がモンスターに掴まれており、「ゴキッ」と音がして崩れ落ちる。

「なるほど、ここまで誘導するのがこのダンジョンを設計した人間の意図だったか……」

 罠の配置に気付き、一本道で進ませ強力なモンスターを配置して一気に全滅させる。

「こんなレアモンスターを三体も同時に相手にするなんて、外の世界だと考えられないな」

 そいつが動くたびに地面が揺れ、パラパラと小石が落下する。
 三メートル程の巨体は二本の足を開き、両手を前に構えている。完全に通路を塞ぎ進行を阻むつもりらしい。
 身体から土ががれていき、ミスリルの肌が露出する。二つの瞳が輝き俺を見据える頃には、俺は戦闘の準備を終えていた。

「……ランクBの超希少モンスター、ミスリルゴーレム」

 魔法に高い耐性を持つ――外の世界でも出会うことすら希少なミスリルゴーレムと相対することになった。

「ファイアアロー」

 破邪の杖を振るうと火炎が発生し、ミスリルゴーレムへ突き進む。
 ゴウンッ。
『アロー』と呼ぶには似つかわしくない炎のかたまりが直撃し、衝撃が伝わり壁が焼け焦げる。

「くっ!」

 熱が伝わってきて周囲の温度が急上昇する。
 ひとまず最初ということで、今まで通りの魔力を込めて使い慣れた魔法を使ってみたつもりだったが、これではファイアアローではなくフレアキャノンだ。
 魔力が十分の一で威力が十倍という、破邪の杖の性能のおそろしさを味わった。

「だが、相性が悪い相手だ。これでどれだけのダメージを与えられたことか……」

 Aランク魔導師が高ランク魔法を連発してごり押しでミスリルゴーレムを単独討伐した噂を聞いたことがある。
 その時はマナポーションをがぶ飲みして五十近い魔法を使ってようやく核を破壊したとか。
 ゴーレムの核は胸の中心にある。
 普通のゴーレムなら物理破壊可能で、魔法を当て続ければ問題ないが、今回のは魔法に耐性がある金属、ミスリルでできたゴーレムだ。
 高レアの武器を持つ一流の戦士ならば倒せるかもしれないが、魔法で戦うには難がある相手だ。
 最悪、効いていないようなら、もう一発魔法を当てて離脱したほうがよい。そんなことを考えていると、煙が晴れてミスリルゴーレムが姿を現した。

『ガガガガガガガ……』

 ミスリルゴーレムの腕が溶けて、地面には腕の塊が転がっている。当たりどころさえ良ければ今の一発で倒せていたのではないだろうか?
 ギギギと身体をきしませながらも、ミスリルゴーレムは前へ進もうとしてくる。

「魔法が通じるなら、いくらでもやりようがあるな」

 どうやら神器の力を甘く見ていたようだ。単純な魔法一発で高温の炉を使わなければ溶かせないミスリルをドロドロにできるのなら、目の前の相手は美味しい獲物でしかない。

「これだけの量のミスリルだ。外に出て売ったら大金になるよな」

 魔法のせいで周囲の気温が上がっている。大賢者のローブを着ている身体は問題ないが、むき出しの顔が熱い。
 この熱を何とかしながら攻撃する魔法を俺は唱えた。

「ウインドスラッシャー」

 風が起こり、真空の刃が三体のミスリルゴーレムに襲い掛かる。

『ギ……ア……ア……』

 ミスリルゴーレムの身体が刻まれて崩れ落ちていく。もっていた熱気は風により奥へと押しやられ、今までの暑さが嘘のように快適になった。

「あれが核か、最小限の威力で……エナジーボルト」

 魔力を従来の十分の一に絞り魔法をぶつける。魔力の塊を撃ち出すエナジーボルトは露出した核を破壊した。

「ふぅ、これなら上のランクのモンスターが出ても何とかなりそうだ」

 ミスリルゴーレムを倒した俺は一息吐くと、無事な者がいないか見て回った。

「まさか全滅するとはな……」

 犯罪者一行に生き残りはおらず、俺の背筋を冷たい汗が流れ落ちる。
 ミスリルゴーレムはそれだけ強敵だし、もし仮に俺が神器なしに挑んでいた場合、彼らと同じ運命をたどっていただろう。
 ダンジョンの外に出るためには、ダンジョン構造に誘導されるままに従えば良いかと考えまっすぐ進んできたが、このダンジョンを設計した人物は思いのほか性格が悪いらしい。
 正しいルートにこのような強力なモンスターを配置しているとは。

「よし、そろそろ行くか」

 俺はミスリルを亜空間に収納し終えると移動することにした。
 他のモンスターとの遭遇を避けるため、俺は慎重な足取りでダンジョンの先を目指した。



 3


 ミスリルゴーレムと遭遇してから数時間、俺は洞窟内をひたすら北上していた。
 途中、何度かモンスターとの戦闘を重ね進み続けた。遭遇したのはゴーレムやガーゴイルといった魔力で動く敵ばかりだったので、装備と魔法の威力の確認をしながら倒していった。
 道中、即死級の罠もいくつかあったのだが、遺失魔法のトラップサーチのお蔭で、罠がある場所がはっきりとしていたので引っかかることはなかった。
 そんなわけで、順調に洞窟を進んでいた俺だったが……。

「ここは……抜けたのか?」

 目の前には一面に森が広がっている。
 先程までの洞窟のような造りから一転して、天井は高く目をらしてようやくうっすらと見えるくらいだ。
 遠くを見ると、何やら小さな生物が大量に飛び回っているのが映る。
 魔法で視覚を強化して見ると、小さな生き物と思っていたのはどうやらドラゴンの群れのようだ。

「浮かんで地形を確認したいけど、やめておいたほうがいいな……」

 遺失魔法のフライはただ浮かぶだけでも結構な魔力を消費する上、そんなに速く飛ぶことができない。もし浮かんで、飛行型モンスターに見つかっては格好の的だ。

「そういえば、洞窟の出口はどうなってるんだ?」

 少し前に進み後ろを振り返る。
 自分が出てきた場所が気になって見たのだが、洞窟の出口の上には絶壁が広がっていた。天まで覆う壁を見て、ここが深淵ダンジョンの中なのだと確信を得る。
 俺が出てきた穴の左右には等間隔で同じような穴がずらりと開いていた。視界に見渡す限り穴が広がっている。確認したわけではないが、このダンジョンの外側の地形と、造り手の意図から考えると一周ずっと同じように穴が開いているのだろう。
 どのルートを通っても方角さえ見失わなければここに出るようになっているに違いない。

「もっとも、ここまで来るのはかなり難しかったがな……」

 トラップやモンスターの存在もあるので、生きてたどり着けるかどうかは運しだいということにもなる。
 とはいえ、徒歩で丸三日程度で到達したことから、ここは深淵ダンジョンでもまだ外周だろうと予測する。

「十二国のどの入り口から入ってもここに向かうようになっている。だとすれば、各国の入り口もこの内部で繋がっている可能性があるな」

 中にはこれまで投獄されてきた犯罪者もいるに違いない。もしこの先、人間と会うことがあったら警戒しておかなければならないだろう。
 ――ぐぅぅぅぅ。
 そんな俺の緊張とは無関係で腹の音が鳴る。

「そういえば、食事……できてなかったんだっけ」

 落とし穴に落とされる時に食糧は犯罪者に奪われ、俺があいつらに追いついた時にはその食糧はミスリルゴーレムによって叩き潰されていた。
 そのせいでまともな食事を取れていなかったので空腹だったのだ。
 目の前に森が広がっている以上、何か食べられる植物などが自生しているかもしれない。

「ひとまず、森に入ってみることにするか」

 俺は気を取り直すと、食糧を確保すべく森に分け入ることにした。


 草木をかき分けて進んでいく。
 下を見ると葉が積もっており、地面から突き出した木の根や枝が邪魔で、たびたび杖が当たらないように動かさなければならなかった。
 森に入ってから数十分程経ったかと思うのだが、今のところモンスターにも獣にも人にも出会わない。
 狩人なら些細な痕跡から生物の移動跡を発見し追いかけることができるのだろうが、俺にその技術はない。
 鳥の鳴き声や草が揺れる音は聞こえるので、こちらを察知して逃げているのだろう。
 どうにか食事にありつけないかと考えながら、さらに森の奥へと入っていくと……。

「おっ!」

 果物が実っている木を発見した。
 木は高さが十メートルを超えているようで、てっぺんには果物とおぼしき黄色い物が見えている。
 木の表面はツルツルしていて凹凸おうとつもほとんどなかった。足を掛けることができないので、普通なら登るのは不可能だろう。
 もっとよく見ようと近付いてみると、木の裏側に生き物の気配を感じた。
 覗いてみると小柄な獣型モンスターがいた。
 傷だらけで弱っており、それでも木に登ろうとチャレンジしてはしばらくしてずり落ちてくる。
 どうやら俺と同じくあの果物を狙っているようだ。

『クゥーン』

 自分が採取する参考になるかと思って見ていたが、段々と動きが緩慢になりとうとう力尽きて倒れてしまった。

「あっ……おい?」
『キュゥゥーン』

 か弱い鳴き声を出す。このまま放っておけば死んでしまうに違いない。
 それは自然の摂理なので仕方のないことなのかもしれないが、今の俺はどういうわけか見捨てる気が起きなかった。

「ちょっと待ってろよ?」

 俺は木に触れると登れるかどうか考えてみる。
 木に傷をつけてくぼみに足を掛けて登る方法もあるが、ナイフなどの武器は持ち合わせていない。

「あとは魔法で斬り倒すか?」

 この先も果物を採取するつもりならそれは勿体もったいないし、倒したことで果物が潰れてしまったり、周囲に自分の存在を伝えてしまうことになりかねない。


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