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第33話 昨夜はお楽しみでしたね……
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「う、うぅーん」
隣ではシーラが目を閉じて俺に寄り添っている。その寝顔はとても幸せそうで、きっと良い夢を見ているのだろう。
身体に柔らかくも暖かい感触を覚える。
昨夜の行為の後で力尽きてしまったため、お互いに生まれたままの姿で寝てしまったからだ。
初めて触れる彼女の身体はどこも柔らかく、行為の間のことがまるで夢心地の中であるように感じた。
頬にかかる髪が口に入りそうになっていたのでどけてやる。
「うぅん?」
どうやら起こしてしまったようだ、彼女は微睡ながら俺を見る。まだ頭が働かないのか、しばらくお互いに見つめ合っていると……。
「えっ? ピート?」
意識が覚醒し慌てて起き上がる。
「っ!?」
シーツが落ち、眩しくも芸術的な白い肌が目に飛び込んできた。
「落ち着け、シーラ」
彼女はシーツを巻き付けると顔を真っ赤にする。そして恥ずかしそうに上目遣いをすると……。
「そ、そっか……。私、昨日ピートと結ばれたんだ……」
思い出したようで、チラチラと視線を向けてくる。
「えへへ、おはようピート」
可愛らしい顔で朝の挨拶をするのだった。
「おはようございます。お迎えに上がりましたわ」
ホテルを出ると、そこには数人の男とミモザが立っていた。
「ありがとうございます」
泊っているホテルにピンポイントで現れたということは監視されていたということだろう。
「それでは、早速屋敷へと案内いたしますわ」
ミモザはそう言うと、振り返り歩き出した。
「昨夜は随分とお楽しみだったと聞き及んでおるぞ」
「なっ!」
屋敷に戻り、テーブルに着いたところべモンドが早速切り出してきた。
「いえいえ、これもべモンド殿からいただいた資金のお蔭です」
顔を真っ赤にしたシーラを手で遮りながら答える。どうやらシーラは昨晩の違うことを想像しているようだが、どうにか誤魔化せたか。
ミモザさんと目が合う。何かを察した様子を見せたので彼女にはバレていそうだ。
「今朝部下からの報告を聞いて驚いたわい、まさかそこまでギャンブルが強いとは」
視線をべモンドへと戻す。
あくまで友好的な態度を崩さず笑顔を見せているのだが、カジノを荒らしたことを良く思っていないのは明らかだ。
「たまたま運が良かっただけです、それよりそろそろ俺たちを呼んだ理由について話してもらえませんか?」
「うっ……そ、それもそうだな」
明らかに狼狽えた様子を見せるべモンド。やはりこちらを借金漬けにして飼い殺しにするつもりだったのは間違いなさそうだ。
「今回お呼びしたのは外界から来た方にこの領地の重要な役職について手腕を発揮してもらうためよ。こちらが条件を記した書類になるわ」
べモンドに代わりミモザさんが俺たちの前に一枚の紙を置いた。
「ちょっと読ませてもらいますね」
シーラと二人して内容を確認する。
そこにはヌエベ領で働く場合の条件と契約金に業務内容が書かれている。
シーラは執務官として、俺は私兵として雇われることになる。肩書は隊長となっているしヌエベ領の規模を考えると中々の厚遇と言えるだろう。
「どうじゃな? この領は昨晩体験してもらったように娯楽や食料に酒が豊富だ。外から来たお主らも退屈せずに暮らせると思うが?」
「確かにこの領地はこれまで見てきた中でもっとも栄えていて過ごしやすそうです。ここに滞在すれば仕事にも困らなそうだし、契約すれば裕福な生活を送ることが保証されている」
「そ、そうであろう!」
ヌエベ領に滞在する利点を挙げるとべモンドが嬉しそうに相槌をうった。
「……ピート」
だが、俺は裾を摘まんでくるシーラに頷くと。
「だがお断りさせてもらおう」
「なぬっ!?」
「り、理由を聞かせて下さい!」
焦るべモンドとミモザさん。
「相手を嵌めようとする奴は信用ならないからだ」
俺が理由を言うと二人は口を大きく開いたまま固まるのだった。
隣ではシーラが目を閉じて俺に寄り添っている。その寝顔はとても幸せそうで、きっと良い夢を見ているのだろう。
身体に柔らかくも暖かい感触を覚える。
昨夜の行為の後で力尽きてしまったため、お互いに生まれたままの姿で寝てしまったからだ。
初めて触れる彼女の身体はどこも柔らかく、行為の間のことがまるで夢心地の中であるように感じた。
頬にかかる髪が口に入りそうになっていたのでどけてやる。
「うぅん?」
どうやら起こしてしまったようだ、彼女は微睡ながら俺を見る。まだ頭が働かないのか、しばらくお互いに見つめ合っていると……。
「えっ? ピート?」
意識が覚醒し慌てて起き上がる。
「っ!?」
シーツが落ち、眩しくも芸術的な白い肌が目に飛び込んできた。
「落ち着け、シーラ」
彼女はシーツを巻き付けると顔を真っ赤にする。そして恥ずかしそうに上目遣いをすると……。
「そ、そっか……。私、昨日ピートと結ばれたんだ……」
思い出したようで、チラチラと視線を向けてくる。
「えへへ、おはようピート」
可愛らしい顔で朝の挨拶をするのだった。
「おはようございます。お迎えに上がりましたわ」
ホテルを出ると、そこには数人の男とミモザが立っていた。
「ありがとうございます」
泊っているホテルにピンポイントで現れたということは監視されていたということだろう。
「それでは、早速屋敷へと案内いたしますわ」
ミモザはそう言うと、振り返り歩き出した。
「昨夜は随分とお楽しみだったと聞き及んでおるぞ」
「なっ!」
屋敷に戻り、テーブルに着いたところべモンドが早速切り出してきた。
「いえいえ、これもべモンド殿からいただいた資金のお蔭です」
顔を真っ赤にしたシーラを手で遮りながら答える。どうやらシーラは昨晩の違うことを想像しているようだが、どうにか誤魔化せたか。
ミモザさんと目が合う。何かを察した様子を見せたので彼女にはバレていそうだ。
「今朝部下からの報告を聞いて驚いたわい、まさかそこまでギャンブルが強いとは」
視線をべモンドへと戻す。
あくまで友好的な態度を崩さず笑顔を見せているのだが、カジノを荒らしたことを良く思っていないのは明らかだ。
「たまたま運が良かっただけです、それよりそろそろ俺たちを呼んだ理由について話してもらえませんか?」
「うっ……そ、それもそうだな」
明らかに狼狽えた様子を見せるべモンド。やはりこちらを借金漬けにして飼い殺しにするつもりだったのは間違いなさそうだ。
「今回お呼びしたのは外界から来た方にこの領地の重要な役職について手腕を発揮してもらうためよ。こちらが条件を記した書類になるわ」
べモンドに代わりミモザさんが俺たちの前に一枚の紙を置いた。
「ちょっと読ませてもらいますね」
シーラと二人して内容を確認する。
そこにはヌエベ領で働く場合の条件と契約金に業務内容が書かれている。
シーラは執務官として、俺は私兵として雇われることになる。肩書は隊長となっているしヌエベ領の規模を考えると中々の厚遇と言えるだろう。
「どうじゃな? この領は昨晩体験してもらったように娯楽や食料に酒が豊富だ。外から来たお主らも退屈せずに暮らせると思うが?」
「確かにこの領地はこれまで見てきた中でもっとも栄えていて過ごしやすそうです。ここに滞在すれば仕事にも困らなそうだし、契約すれば裕福な生活を送ることが保証されている」
「そ、そうであろう!」
ヌエベ領に滞在する利点を挙げるとべモンドが嬉しそうに相槌をうった。
「……ピート」
だが、俺は裾を摘まんでくるシーラに頷くと。
「だがお断りさせてもらおう」
「なぬっ!?」
「り、理由を聞かせて下さい!」
焦るべモンドとミモザさん。
「相手を嵌めようとする奴は信用ならないからだ」
俺が理由を言うと二人は口を大きく開いたまま固まるのだった。
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