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日常1

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 はあー、今日も一日疲れたあ。
 ただいまの時刻は午後6時を回ったところ。
 いつも通り定時で仕事を終え帰路につているわけなのだが、そのまま真っ直ぐ帰宅することはない。
 いつもの足取りで向かうのは行き慣れたカフェ。
 チリンチリン。
 お店の扉を開ければ、扉につけてある鈴が来客を知らせる。
「いらっしゃいませ」
 店長とバイトの青年に出迎えられながら中へと足を踏み入れる。
「いらっしゃい、美樹(みき)ちゃん」
 声をかけてきたのはカウンターでコーヒーを淹れているご年配の丸眼鏡をかけた男性。
「こんばんは、店長」
 そう挨拶を交わし、いつも通り窓際のテーブル席へと腰を下ろす。
「いらっしゃいませ、美樹さん。ご注文は、アイスオーレとチーズケーキでよかったですか?」
 颯爽と水とおしぼりを運んでくれたのはここでバイトをしている大学生の鮎川光輝(あゆかわこうき)君。
「お願いします」
「少々お待ちください」
 彼はそう言い裏に下がっていった。
 さてと……。
 鞄から取り出したのは丁度今読んでるミステリー小説。
 ここはただのカフェではなくブックカフェ。なので店の至る所には本棚が置かれ、数多くの本が収納されている。
 店内はゆったりとした空気が流れ、うるさくも静かすぎるわけでもなく、とても居心地がいい。だから自然とかれこれ1年ほどほぼ毎日通っている。
 読みかけのページを開き、本の世界へと入り込む。
「お待たせしました、アイスオーレとチーズケーキになります」
 光輝君が注文の品を持ってきてくれたので一度意識をそちらへ移した。
「ありがとう」
「いえ、ごゆっくりとお過ごしください」
 カフェオレを一口喉に通し、再び意識は本の中へ。
 そして時間はあっという間に過ぎていき……ストローを吸うとズズズっと音が鳴り、カフェオレを飲みきてしまったことに気づく。
 もう終わりか。
 滞在時間は決まってドリンクを飲み終わるまで。そう制限しておかないと閉店時間まで居座ってしまうから。
 最初の頃はよく閉店時間まで居座っていたのだが、それだと生活のリズムが狂ってしまったためいつからかドリンクを飲み終わるまでと自身に制約をした。
「お会計お願いします」
 伝票を持ってレジへと向かいそう言った。
「ありがとうございます。750円になります」
「お願いします」
 お金を出してそう言った。
「丁度ですね。ありがとうございました」
 そのままお店を出て、今度こそ自宅へと向かった。
 これが私の日常。いつも通り仕事をして、カフェでひと時の安らぎを感じてそのまま帰宅。なんの変哲もない私の日常。
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