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本編

4話目 / 5話目

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『4話目・部屋と宝箱と私 / 更楽茄子』



飛ばされるとそこは、ちょっとした部屋だった。

置いてあるのは机と椅子、それとベッドだ。

奥の扉を開けると、トイレっぽい何かと大きな壺が置いてある。



『そこにある壺にはぁ、命の泉の水が常に湧き出すようにしてありますぅ。減った体力を回復したり、汚れを落としたり出来るのでぇ、上手く使ってくださいぃ』

なるほど、つまりこれはユニットバスってことみたい。


「ところで体力回復って事は、この部屋は何度でも帰ってこれるのね?」

『はいぃ、皆さん一人ずつにお部屋を用意してますのでぇ、ご自由にお使いくださいぃ』

なるほどなるほど、初期のレベリングの拠点用の部屋になるわけね。

『私はぁ、この村から出る事が出来ないのでぇ、ほんとよろしくお願いしますぅ』



部屋の確認も終わったので、持って来た宝箱の前に座る。

「んじゃ、まずは……ステータス」


─────System───────
ユキナ
Lv1 鍵師
Exp:0
スキル:開錠アンロックLv1・施錠ロックLv1

───────────────


さっきテンプレお嬢様に邪魔されて確認してなかったけど、これが私のステータスみたい。

他にも筋力や持久力や知力のステータスもあったけど、今は必要ないので気にしない。


「さてと…開錠アンロック

─────System───────
宝箱はすでにあいている
───────────────

施錠ロック

─────System───────
宝箱にカギをかけた
───────────────

開錠アンロック

─────System───────
宝箱のカギを開けた
───────────────

「よし、がんばるぞー」

私の……私なりの冒険がいよいよ始まる。



───────────────────────



『5話目・スキルアップと私 / 更楽茄子』



施錠ロック

─────System───────
宝箱にカギをかけた
───────────────

開錠アンロック

─────System───────
宝箱のカギを開けた
───────────────

施錠ロック

─────System───────
宝箱にカギをかけた
───────────────

開錠アンロック

─────System───────
宝箱のカギを開けた
───────────────


『…あのぉ、そろそろ冒険にぃ、出られてはいかがですかぁ?』

どこからともなく間延びした女性の声がする。

私は相手にしないで集中して黙々と続ける。


施錠ロック

─────System───────
宝箱にカギをかけた
───────────────

開錠アンロック

─────System───────
宝箱のカギを開けた
───────────────

施錠ロック

─────System───────
宝箱にカギをかけた
施錠ロックのレベルが上がった
施錠ロックLv1 → 施錠ロックLv2
───────────────


「ふぅ……」

やっとあがった。

でもこれで上がることが確認できたし、私の冒険が加速する……気がする。


開錠アンロック

─────System───────
宝箱のカギを開けた
開錠アンロックのレベルが上がった
開錠アンロックLv1 → 開錠アンロックLv2
───────────────


やった回数一緒で同じように上がるって事は、開錠アンロック施錠ロックの必要経験値は一緒みたい。

これは判り易くていい、収穫だ。


そして私はこの後も延々宝箱の鍵の開け閉めをしてから、疲れたので壺のお風呂に入ってから寝た。

私の冒険初日はこうして幕を閉じたのだった。



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