3 / 59
1日目: AI判定70→60%
しおりを挟む
人口知能が書いた文章をリライトした。一日で一記事の半分までリライトした。案外時間のかかる仕事だった。
リライトしたものは、AI判定ツールに出した。
そのツールでは、リライト後の文章、つまり僕の書き直した文章が、AIが書いたものかどうかをパーセンテージで判定してもらうのだ。
例えば、書いたものがAIのものに限りなく近ければ、AIが80パーセント、人間が20パーセントという具合でグラフが表示される。
結果、一度目のリライトは8割がAI、2割が人間の判定だった。
ほとんどAIが書いたものとしてバレているということだ。実際、何語かの単語を言い換えただけなので、そんな判定を食らっても仕方なかった。
僕は少しむきになり、文法を少しいじってみた。文章の順番を入れ替えてみたり、主語や述語を工夫するなどもしてみた。
二度目のリライトは、7割がAI判定だった。
上司によれば、理想的なパーセンテージは6割以下らしい。
あと1割足りなかったので、今度は文章を丸ごと書き換えるなどして対応した。
ぱっと見た感じでは、僕の書いた文章のように見えた。
三度目のリライトで、ようやく6割を切った。
しかし、まだ半分以上がAI判定されている。恐らく、記事の構造自体を変えなければ大きく下回ることはないだろう。
AIの記事には型がある。見出し、小見出し、見出しの説明などに構成されており、科学的根拠に基づいて製品を説明してくれる。
が、やはり説明は何処か不自然だ。英語の文章をそのまま日本語に翻訳したような感じがあり、日本人には馴染みにくい。
英語のエッセイにもまた、型がある。導入は客観的事実を提示し、その説明を軽くした後、「この記事では」と本題に入る。
文章はまるでマトリョーシカのような構造になっている。AIの作る文章にも、その傾向が顕著に見られる。
ただ構造が露骨すぎるので、僕がリライトしなければならない。口語も織り交ぜながら、上手く身を隠し、人間らしい文章に書き換えるのだ。
「皆さんは~したことはありますか?」とか、「~するのは大変ですよね」とか、疑問文に変えたりある程度の共感を示せば、AI判定はどんどん下がっていく。
もちろん、書いている本人は仏頂面である。
気持ちが乗らないと、人間的な文章が書けない。
リライトの仕事では、上手く書くかというよりも、いかに愉快な気持ちで書くかという方が大事になってきそうだ。
僕はゲーム実況をよく見る。ゲームの実況者はゲームを簡単に説明しながら、楽しくゲームをしてくれるので、大いに参考になる。
これは僕なりの応用だが、効果はあった。リライトの時、実況者が盛り上がっているゲーム場面を思い出しながら書いていると、気分が上がった。
結果、何となく人間っぽい文が完成し、AI判定から逃れられた。
結局のところ、ゲーム実況であれ何であれ、愉快な気持ちがあれば文章も人間らしくなるのかもしれない。バイブス大事。心を開け僕よ。
リライトしたものは、AI判定ツールに出した。
そのツールでは、リライト後の文章、つまり僕の書き直した文章が、AIが書いたものかどうかをパーセンテージで判定してもらうのだ。
例えば、書いたものがAIのものに限りなく近ければ、AIが80パーセント、人間が20パーセントという具合でグラフが表示される。
結果、一度目のリライトは8割がAI、2割が人間の判定だった。
ほとんどAIが書いたものとしてバレているということだ。実際、何語かの単語を言い換えただけなので、そんな判定を食らっても仕方なかった。
僕は少しむきになり、文法を少しいじってみた。文章の順番を入れ替えてみたり、主語や述語を工夫するなどもしてみた。
二度目のリライトは、7割がAI判定だった。
上司によれば、理想的なパーセンテージは6割以下らしい。
あと1割足りなかったので、今度は文章を丸ごと書き換えるなどして対応した。
ぱっと見た感じでは、僕の書いた文章のように見えた。
三度目のリライトで、ようやく6割を切った。
しかし、まだ半分以上がAI判定されている。恐らく、記事の構造自体を変えなければ大きく下回ることはないだろう。
AIの記事には型がある。見出し、小見出し、見出しの説明などに構成されており、科学的根拠に基づいて製品を説明してくれる。
が、やはり説明は何処か不自然だ。英語の文章をそのまま日本語に翻訳したような感じがあり、日本人には馴染みにくい。
英語のエッセイにもまた、型がある。導入は客観的事実を提示し、その説明を軽くした後、「この記事では」と本題に入る。
文章はまるでマトリョーシカのような構造になっている。AIの作る文章にも、その傾向が顕著に見られる。
ただ構造が露骨すぎるので、僕がリライトしなければならない。口語も織り交ぜながら、上手く身を隠し、人間らしい文章に書き換えるのだ。
「皆さんは~したことはありますか?」とか、「~するのは大変ですよね」とか、疑問文に変えたりある程度の共感を示せば、AI判定はどんどん下がっていく。
もちろん、書いている本人は仏頂面である。
気持ちが乗らないと、人間的な文章が書けない。
リライトの仕事では、上手く書くかというよりも、いかに愉快な気持ちで書くかという方が大事になってきそうだ。
僕はゲーム実況をよく見る。ゲームの実況者はゲームを簡単に説明しながら、楽しくゲームをしてくれるので、大いに参考になる。
これは僕なりの応用だが、効果はあった。リライトの時、実況者が盛り上がっているゲーム場面を思い出しながら書いていると、気分が上がった。
結果、何となく人間っぽい文が完成し、AI判定から逃れられた。
結局のところ、ゲーム実況であれ何であれ、愉快な気持ちがあれば文章も人間らしくなるのかもしれない。バイブス大事。心を開け僕よ。
1
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる