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第6話 探索(3)
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二階左側の壁には、ふたつのドア。
手前のドアをあけると、そこはバスルームだった。
大理石の床に、トイレと、カーテンでしきられた浴槽が見える。
廊下を歩いて、となりの部屋へ向かう。
ふたつめのドアは、モスグリーンに塗られたアンティーク調のドア。
そのドアをあけたとたん、とてもいい香りがあたりにたちこめた。
「なんだろう……。甘酸っぱいような、どこか覚えのある、いい香り……」
雲の隙間から月が顔を出したのだろう。白いレースのカーテンをすかして、部屋のなかに、すうっと月明かりがさしこんできた。
籐製の鏡台に、籐で組まれたチェスト。小さなガラステーブルのむこうには、アップライトのピアノが見える。
広い部屋の隅には天蓋付きのベッドがあり、その上に無造作に置かれていたのは、見おぼえのある白いブラウスに、水色のチェックのスカート……。
「ここ……。サトミの部屋じゃん!」
あわててドアを閉めた。
どきどきと胸が高鳴っている。
女の子の部屋を無断でのぞいてしまった。このことは、絶対サトミに秘密にしておこう。でないとおれ、変態だと思われちゃう!
よくよく考えたら、サトミが寝ているあいだに、サトミの家を見てまわるなんて、ずいぶん失礼なことだ。
「いいかげん部屋にもどって、本物のゲームのつづきをしよう」
踵を返して階段を下りようとするも、シャンデリア越しに、むかい側の壁にならぶドアが目にとまる。
ここまでくると、残り少ない手つかずの部屋が気になってしかたがない。
ゲーマーの悪いくせ。
宝箱を探してダンジョンを歩きまわっていると、チェックしていない場所が気になってしかたがないのだ。
「ほんのちょっと、確認するだけだから……」
そう自分に言いきかせ、おれは館の正面側にある、渡り廊下へ向かった。
手前のドアをあけると、そこはバスルームだった。
大理石の床に、トイレと、カーテンでしきられた浴槽が見える。
廊下を歩いて、となりの部屋へ向かう。
ふたつめのドアは、モスグリーンに塗られたアンティーク調のドア。
そのドアをあけたとたん、とてもいい香りがあたりにたちこめた。
「なんだろう……。甘酸っぱいような、どこか覚えのある、いい香り……」
雲の隙間から月が顔を出したのだろう。白いレースのカーテンをすかして、部屋のなかに、すうっと月明かりがさしこんできた。
籐製の鏡台に、籐で組まれたチェスト。小さなガラステーブルのむこうには、アップライトのピアノが見える。
広い部屋の隅には天蓋付きのベッドがあり、その上に無造作に置かれていたのは、見おぼえのある白いブラウスに、水色のチェックのスカート……。
「ここ……。サトミの部屋じゃん!」
あわててドアを閉めた。
どきどきと胸が高鳴っている。
女の子の部屋を無断でのぞいてしまった。このことは、絶対サトミに秘密にしておこう。でないとおれ、変態だと思われちゃう!
よくよく考えたら、サトミが寝ているあいだに、サトミの家を見てまわるなんて、ずいぶん失礼なことだ。
「いいかげん部屋にもどって、本物のゲームのつづきをしよう」
踵を返して階段を下りようとするも、シャンデリア越しに、むかい側の壁にならぶドアが目にとまる。
ここまでくると、残り少ない手つかずの部屋が気になってしかたがない。
ゲーマーの悪いくせ。
宝箱を探してダンジョンを歩きまわっていると、チェックしていない場所が気になってしかたがないのだ。
「ほんのちょっと、確認するだけだから……」
そう自分に言いきかせ、おれは館の正面側にある、渡り廊下へ向かった。
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