化け猫ミッケと黒い天使

ひろみ透夏

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エピローグ パパさん

02

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「はえ……?」

 目を丸くする美玲みれいちゃんに、ぼくも目を丸くしながら確認する。

「毎日、リビングのソファーで、新聞読んでいるじゃない? 美玲みれいちゃんとママさんの会話をニコニコしながら聞いているし、みんなと一緒にテレビもているよね?
 美玲みれいちゃんが自分の机で勉強しているときは、いつも、うしろから見ていてくれてるし、寝ているときも、たまに部屋にきて頭をなでているじゃない。
 えっ、ウソでしょ? パパさんって……」

 自分で言いながらも、次々と思い出すパパさんの姿に不自然さを覚える。
 そういえばパパさんは、ママさんとも美玲みれいちゃんとも、一言ひとことも会話をしていない……。


 美玲みれいちゃんの家に居候いそうろうしたとき、すでにぼくは、お化けと出会っていたのだ!


 衝撃しょうげきの事実におどろきながら美玲みれいちゃんを見上げると、美玲みれいちゃんの目からは、とめどなく涙があふれていた。

「わたし、ずっと見守られていたのね!
 なんで、パパは姿を見せてくれなかったの? 
 いいえ、わたしが強い子になれるよう、あえて姿を見せなかったんだわ!
 ミッケ! もっともっと、パパのことを聞かせて!!」

「わかった!」

 感動のあまり滝のように流れる涙をそのままに、ぼくは、いままで見たパパさんの姿をけんめいに思い出す。

美玲みれいちゃんがお風呂に入るときは、一緒にはだかになって入っていくし、トイレでうんうんうなっているときも、心配そうに様子を見にいくし、こっそり鼻をほじって、そこらへんに放り投げたときも、しっかりティッシュにつつんでゴミ箱に捨ててくれるし……。ほんとにむすめおもいの、やさしいパパさんだよっ!」

 美玲みれいちゃんの顔がみるみるうちに、真っ赤に染まっていく。
 ぼくは余計よけいなことまで、言っちゃったのかなぁ?


 「ばかばか、パパのバカ~!
  こっそりかくれて見てないで、姿をあらわせ、この変態へんたいオヤジ!!」


 部屋じゅうを走り回りながら、わめきらす美玲みれいちゃん。
 なんでパパさんは、美玲みれいちゃんに姿を見せないのかわからないけど、いまも美玲みれいちゃんのことを、微笑ほほえみながら見つめている。 

 パパさん、バラしちゃってごめんね。でもこれで、美玲みれいちゃんの怠惰たいだな生活も、少しは改善かいぜんされるよね。
 大好きなお父さんに、いつも見守られているんだから。



 あれ、裏世界うらせかいから美玲みれいちゃんを連れ戻したのって、もしかして……。




 【おしまい】

 ぼくミッケ。読んでくれて、ありがと!
 じゃあまたね~。
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感想 4

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みんなの感想(4件)

橘 弥久莉
2024.11.20 橘 弥久莉

遅ればせながら、最後まで読ませていただき
ました。ストーリーのテンポが良く、化け猫
ミッケの語りが可愛らしい上に読んでて凄く
楽しかったです!世界観が作り込まれていて
伏線の回収も鮮やかで、とても読み応えが
ありました。

色んな謎が残るラストも続編を期待してし
まいます。面白い物語を読ませていただき
ありがとうございました!

2024.11.20 ひろみ透夏

橘 弥久莉さま
同じく執筆活動している方にご感想をいただけるなんて、とても嬉しく励みになります!
実は結構前に書いた作品で、ラストで広げた風呂敷のたたみ方が、まるで思い出せないのですが、
なんか続編が書きたくなりました〜
今度、橘さまの作品もぜひ読まさせていただきますね。
ご感想、ありがとうございました!

解除
saruyan
2024.10.17 saruyan

思わずアジフライが食べたくなった😋

2024.10.18 ひろみ透夏

ありがとございます!!

解除
kinokonomori
2023.01.17 kinokonomori

美玲ちゃんの性格と、ミッケちゃんの性格の対比が面白いです。
ミッケちゃんの行動が可愛すぎる〜

2024.10.18 ひろみ透夏

ねこって可愛いですよね〜

解除

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