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第3章 裏世界
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「廃病院のお化けも、見事に退治したんですってね? すごいじゃない美玲ちゃん!」
週末の廃病院での出来事から二日たった、月曜日の朝の通学路。
美玲ちゃんの背中に声をかけたのは、萌ちゃんだった。
「退治なんかしてないよ。わたしはただ……てか萌、なんでもう知ってるの?」
「日曜の午後に、優斗くんを家に呼んだから」
素っ気なく言う萌ちゃん。
ぼくは、そのときの美玲ちゃんの顔を見るのが恐くて、空を見上げていた。
抜けるような青空にそびえる、くっきりとした入道雲。
もう夏だねぇ……。
「優斗くん、とっても眠そうだったくせに、美玲ちゃんの話になったら興奮してんの。ちょっと、うらやましいな~。……朝帰りだったんでしょ?」
「あんた、ドタキャンしておいて、よくそんなこと言えるわね。どんだけ大変だったと思ってるのよ。てか、わたしの傷だらけの顔が見えていませんか? ほらほらほら!」
美玲ちゃんが絆創膏だらけの顔を突き出す。
萌ちゃんは「きゃあ怖い、おばけ、いやあぁん」と悲鳴を上げて、笑いながら逃げていった。
ぼくは萌ちゃんを見て思う。
「あの子はしたたかだよ。生き方がこずるいけど、たくましいよ」
その日の放課後、なぜかまた放課後怪奇クラブの緊急ミーティングが開かれることになった。その会場は、またもや美玲ちゃんの家。
「なんでまた集まるの? もう解決したでしょ? てか、やるなら萌の家でやろうよ」
むくれながら言った美玲ちゃんの提案に、萌ちゃんはそれ以上にむくれながら、力いっぱい首を横にふった。
参加するはずの優斗くんが、とつぜん都合ができて来れなくなったからだ。
「今日は反省会や。おもに反省しなアカンのは、ワイやねんけども……」
チャーシューが申し訳なさそうに言う。
廃病院で気絶してしまったことを、深く反省しているらしい。
週末の廃病院での出来事から二日たった、月曜日の朝の通学路。
美玲ちゃんの背中に声をかけたのは、萌ちゃんだった。
「退治なんかしてないよ。わたしはただ……てか萌、なんでもう知ってるの?」
「日曜の午後に、優斗くんを家に呼んだから」
素っ気なく言う萌ちゃん。
ぼくは、そのときの美玲ちゃんの顔を見るのが恐くて、空を見上げていた。
抜けるような青空にそびえる、くっきりとした入道雲。
もう夏だねぇ……。
「優斗くん、とっても眠そうだったくせに、美玲ちゃんの話になったら興奮してんの。ちょっと、うらやましいな~。……朝帰りだったんでしょ?」
「あんた、ドタキャンしておいて、よくそんなこと言えるわね。どんだけ大変だったと思ってるのよ。てか、わたしの傷だらけの顔が見えていませんか? ほらほらほら!」
美玲ちゃんが絆創膏だらけの顔を突き出す。
萌ちゃんは「きゃあ怖い、おばけ、いやあぁん」と悲鳴を上げて、笑いながら逃げていった。
ぼくは萌ちゃんを見て思う。
「あの子はしたたかだよ。生き方がこずるいけど、たくましいよ」
その日の放課後、なぜかまた放課後怪奇クラブの緊急ミーティングが開かれることになった。その会場は、またもや美玲ちゃんの家。
「なんでまた集まるの? もう解決したでしょ? てか、やるなら萌の家でやろうよ」
むくれながら言った美玲ちゃんの提案に、萌ちゃんはそれ以上にむくれながら、力いっぱい首を横にふった。
参加するはずの優斗くんが、とつぜん都合ができて来れなくなったからだ。
「今日は反省会や。おもに反省しなアカンのは、ワイやねんけども……」
チャーシューが申し訳なさそうに言う。
廃病院で気絶してしまったことを、深く反省しているらしい。
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