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第14話 復讐のとき
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しおりを挟む「ひるむな! バイオロイドで操縦しているのだから、体当たりしてでも食い止めろ!」
母船の司令室で、ジランダ将軍はまっ赤な顔で怒鳴り散らしていた。
「なんとしても、あの攻撃船を破壊するのだ。あれは我ら先祖の仇である!」
その命令にこたえるように、小型攻撃船は、まるで流星群のごとくイヴに降りそそいだ。
しかし、炎の龍と化したイヴにはまったく歯が立たない。群がる無数の攻撃船は次々と碧い炎に包まれ、爆発して消えた。
「退却しましょう。これではきりがない。ああ、早く。迫ってきます……」
ジランダ将軍の横で、ズメイ参謀は、青白い顔をさらに青くしていた。
「いくら伝説に語られる兵器とはいえ、太古の遺跡ではないか。栄えある銀河連合軍が……、英雄の子孫であるわたしが……。ええい一時退却だ! 空間転移装置、起動!」
ジランダ将軍の苦渋の決断も時すでに遅し。攻撃船イヴは、母船の底面にある発着ドッグのゲートに体当たりし、巨大な母船をぐらりとゆらした。
轟音と悲鳴がうずまくなか、発着ドッグにいた船員たちがクモの子を散らすように姿を消す。
銀河連合の攻撃船をふれるまでもなく焼け落としたキリ星の攻撃船――。そんなものが船内に入り込んだら、いくら銀河一頑強なこの母船でもひとたまりもないだろう。
そう思った船員たちは、さきを争うように母船側面にある脱出艇に向かって逃げ出したのだ。
耳をつんざくような金属の摩擦音をたてて回転し続けるイヴ。発着ドッグのゲートは、またたくまに赤く変色していき、停泊していた無数の宇宙船は、その熱で次々と爆発した。
「ああ……もうこの母船はだめです……。わたしたちも早く脱出しないと!」
震える声でズメイ参謀が進言した直後、轟音、爆風、炎とともに、ついにイヴはゲートを破壊して母船内部に飛び込んだ。そして船内を破壊しながら、上へ上へと突き進む。
司令室は各所から通信で伝わる悲鳴で埋めつくされ、モニタには母船側面から次々と飛び出していく脱出艇が映し出されていた。
ジランダ将軍の顔からは、すっかり血の気が引いていた。
目を見開き、青ざめたまま立ちつくす将軍を見て、ズメイ参謀はゆっくりと後ずさりながら司令室をあとにした。
その様子を見ていたほかの船員たちも、我れさきにと司令室から立ち去っていく。
いまや母船は反撃も退却もできない。誰の目にも銀河連合軍の敗北があきらかに見えた。
しかし、強烈な炎の熱と回転で母船の中腹まで突き進んでいたイヴもまた、母船内部との摩擦で船体を激しく損傷していた。
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