AZ雫over drive

sayure

文字の大きさ
上 下
24 / 38

桃色文集

しおりを挟む
「おい、女ぁ?この熊野山に一人でのこのこやって来て、どういうつもりだぁ?」





「クケケ、中々いい女じゃねぇか?」







「何だい、あんた達は!?これからおとっつぁんに大事な薬を届けなきゃ、なんねんだよ!じゃまぁぁ、すんな!」







「おい!俺ら、山嵐三兄弟相手に、随分と威勢がいいじゃねぇか!?オウ!何なら、この刀のサビに変えてやってもいいんだぞ?」








「ひぃぃ!や、やめておくれよ!」










「へへへ、じゃあ、わかってるな?」









「クケケ、大人しくしてろ」









「おい!いっぺんに相手しろや!?オウ!」











このままじゃ、やられてしまうよ!どうすれば…。









!?










その時、黒い着物姿の男が、目の前に現れた。脇に刀を差しているお侍さん!?私を助けてくれるの?











「何だぁ?お前!?邪魔する気じゃ、ないよなぁぁ!?」









「助けて!お侍さん!?このままじゃ、私…こいつらにやられてしまうべ!」










「…」











「おい!何か言えよ、オウ!」












「…さむりえ、まんがちょっぴや」











えっ!?












「…おい。菊次、あいつ、何て言ったんだ?」










「ソムリエ、漫画ちょっと読ませて、とかなんとか」












「いつの時代だ、テメェ!?ボケてんじゃねぇぞ。菊次、鎌倉時代だぞ、しっかりしろ!あいつは、何て言ったんだ?」












「あれ、まさか海の向こうの国の奴が話す、マタンゴって言葉じゃないか?」











「マタンゴ??聞いた事ねぇぞ。三太、多分よ、そりゃ、英語ってヤツじゃねぇのか?」










「クケケ、政兄ぃ、そりゃねぇわ!」











「おい。それこそ、聞いた事ないな。政兄」











「何だ、俺が間違ってるみてぇな雰囲気だな。まぁいいや。おい!テメェ!!俺達と、やるつもりじゃ、ねぇだろうな!?」












「まぬけんた、だだもれふふふめろんにゃ?」










「…菊次。次は何て?」










「間抜け野郎、漏れちゃったじゃねぇか。残りは、メロンにすりゃいいのか?ニャン、ニャン…」










「…何、威張って漏らしてんだ?あいつ。残りは、貴重なメロンにするだと?最後のニャン、ニャンの意味が全くわからねぇ!」











「おい。要するに、何か俺達を馬鹿にすることわざか何かだろうよ」










「クケケ、殺せ、殺せ。そんな事言う奴は!」











「お侍さん、助けて!」













「くけ。なまんちょ。むくぬけもはのはどるるやろ」













え?何?私の事、犯すとか言ってる様に聞こえるのは、私が頭の中、桃色に染まっているせい?私の味方という事で、正しいのかしら?そこは、確認しとくべきだわ。










「お侍さーーーん!!」












私がお侍さんの近くに寄ろうとしたら、少しびくっとして、今、刀を抜こうとしたわね?もしかして、私が敵??このお侍さんの方言がきつ過ぎて、いまいち敵味方がはっきりしないわ。















「ななめふぬぬ、えへえら、おうま」













私を舐め回して、お馬にしてどうとか…言ったのかしら??いえ、気のせいね。昨日、おとっつぁんが寝ている時に、布団の下に隠してあった桃色文集を読んだツケが回ってきたわね。まわりの人が言う言葉の脳内変換が、全て桃色に染まりそうだわ。












「おい!それじゃ、俺が相手だ。オウ!」













「さむさ、ちちじけんじゃろ?」











「何、訳わからねぇ、事ばかり…!?」














「ふふ、我が二天一流の剣理、継承できるかどうか、試してやろうかや?」
















「うっ!?三太、止めろ!!こいつ、とんでもねぇ剣豪かも知れねぇ!」













「まともに喋れるんなら、最初から、喋ってくれ…オウ!」













今のうちに薬を持って帰って、おとっつぁんに飲ませてやんねぇと。その後、私は桃色文集の続きを、読むわ!













『桃色文集』…完
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

コントな文学『パンチラ』

岩崎史奇(コント文学作家)
大衆娯楽
春風が届けてくれたプレゼントはパンチラでした。

声劇・シチュボ台本たち

ぐーすか
大衆娯楽
フリー台本たちです。 声劇、ボイスドラマ、シチュエーションボイス、朗読などにご使用ください。 使用許可不要です。(配信、商用、収益化などの際は 作者表記:ぐーすか を添えてください。できれば一報いただけると助かります) 自作発言・過度な改変は許可していません。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

【Vtuberさん向け】1人用フリー台本置き場《ネタ系/5分以内》

小熊井つん
大衆娯楽
Vtuberさん向けフリー台本置き場です ◆使用報告等不要ですのでどなたでもご自由にどうぞ ◆コメントで利用報告していただけた場合は聞きに行きます! ◆クレジット表記は任意です ※クレジット表記しない場合はフリー台本であることを明記してください 【ご利用にあたっての注意事項】  ⭕️OK ・収益化済みのチャンネルまたは配信での使用 ※ファンボックスや有料会員限定配信等『金銭の支払いをしないと視聴できないコンテンツ』での使用は不可 ✖️禁止事項 ・二次配布 ・自作発言 ・大幅なセリフ改変 ・こちらの台本を使用したボイスデータの販売

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

河童村

ごむらば
大衆娯楽
河童村という視聴者参加型のゲーム番組に参加した大学生はその番組である親子と出会う。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...