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護り人

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私は朝6時に目が覚めた。



まだ昨日の疲れが残っているなと感じながらも、仕事に行かなければいけないという脅迫にも近い圧力に押される様にして、ベッドから出て、洗面所に向かった。



そして、洗面所の照明スイッチを、OFFからONに…。





決してONからOFFじゃない、もちろん、ONからONじゃない。






という事は、OFFからOFFでもないという事だ。







そもそも、スイッチとは…







『早くしろよ、バカ。バリカンで頭の真ん中剃るぞ、テルヨシ!!』








え?誰だ…?心の中で、俺に話しかけているのは?







もしや、私は宇宙生命体に乗っ取られて、もう体と心の制御ができなくなっているのでは…








『できてるよ!俺がお前を乗っ取って制御できてたら、スイッチがONがONとか、キチガイ野郎相手でもギリギリ意味が通じねー様な事言わせる訳ねーだろうが!後、俺に向かって宇宙生命体とか言わせる訳ねーだろーが!』







何処の誰かはわかりませんが、お口が悪いみたいですね、今すぐにモンダ◯ンした方がいいですよ。








『口くせー奴が必要な洗口液だよ、それ!モンダ◯ンとか、商品名99%明かしてる様なもんだな!』






それが何か?







『おやおや、強気だねぇ!?どうでもいいから、早く仕事に行けよ。俺は、お前のご先祖様だ』







この姿で仕事に行けと?髪は逆立ち、後はギターを受け取れば即ライブステージに立てる様な、この姿で?








『大丈夫だよ、立てねーから。お前、ネグリジェ着てんだろうが。男用のネグリジェとかねーからさ』







何で?何で?調べたの?調べてもないのに、言い切らないでくれ。








『お前も調べてねーんだよ。調べてないで、買ってんだよ。100%女用だよ、それ』








何だ、男がネグリジェ着ると、皮膚が荒れて溶けていくのか?死ぬのか?俺は。







『思考がまともな路線から外れて、山の中に行ってんだから、頭の中は死んでる様なもんだろ?というかさ、ご先祖様って自己紹介してやってんのに、驚異的な無視の仕方してんじゃねぇよ、テルヨシ。今世紀初かもしんねーぞ?』







光栄です。









『褒めてねーよ』










何なんですか、貴方は。ここは私の家です。出て行って下さい。









『いいのか?人は先祖が守護していないと、高い確率で死ぬぞ?』










はぁ?じゃあ、いて下さい。でも、邪魔はしないで。









『結構ビビリだね。まぁ、知ってたけど。邪魔じゃなくて、助言だと思ってくれよ』









除菌ですか?










『お前、除菌したら消滅するだろうが。助言だよ、助言!』










バイキンみたいに言わないで下さい。バイキンがネグリジェ着れる訳ないでしょ?










『だから、今世紀初だって』








何なんですか、貴方は!?ご先祖様ならご先祖様らしく、褒めてくれてもいいじゃないですか!?








『ご先祖様だと、何で褒めなきゃなんねーんだよ、褒める所ねーのに!』







ネグリジェだけでも褒めて下さい!







『もっと厚めの生地のもの買った方がいいぞ』







ネグリジェの意味がないでしょ!!













『護り人』…完


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