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エリート?

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目指すは超難関大学。高校を入学して間もないが、今日から早速徹夜で勉強開始だ。

社会に出て、超一流企業に入社し、早期出世、そしてその企業のノウハウを頭に叩き込み、取引先との確固たる関係を築いた後、独立し、この日本全国に知らぬ者などいないほどの大企業に成長させるのだ。

まず、隣りに座っている女学生に、俺の名前をその脳裏に焼きつかせてやろう。

「おいぃ、お前。俺はこれから信じられない位のサクセスストーリーを歩む。覚えておいて損はない。俺の、名前は…」

うん?早いな。俺はこれから…辺りから、こちらに向けた顔を再び前に向けたな。さては、お前も俺と同じサクセスストーリーを描いていたと見える。まぁ、いい。早速ライバルだと見抜いたお前も、ただ者じゃないな。

じゃあライバルという事で、机と机の間に板で壁を作るが、気にするな。お互いのサクセスストーリーへの過程を知られたくはないだろう。明日から早速、作らせてもらうぞ。

おっと、時間じゃないか!?脳の栄養であるブドウ糖が切れてきた。早速、脳内に供給しなければいけないぞ。脳は食欲旺盛、常に栄養を送らねば、サクセスストーリーの進行に影響が出る。

フフフ。

このメーカーのラムネの糖分は、全てブドウ糖で作られていると聞く。

鞄の中に20個は買ってある、今日分くらいは保つはずだ。

ん?

隣りの女、サバ食べてんのか?しかも、生で。

記憶力を上げ、学習能力を上げるというドコサヘキサエン酸摂取が狙いか。

愚かな、それは自分自身が無能だという証拠。実力以上のものを出したいという哀れな行為なのだ。

それは、運動競技で言うなれば、ドーピング違反だぞ、女。

だが、それも俺と競うなら丁度良いハンデにもなるか。

良いだろう、許す。脇目も振らず、一心不乱にその鯖を食べると良いぞ。

ただ、お前のその姿を見て、まずお前に俺を超える事が出来ない事が、容易に想像出来る!

フフフ。

もう一度、笑う。

フフフ。

さらに、笑うぞ。

フフフ。

そして、進化系だ。

フフフンフーフ♪フンフフンフン!フフン!フン!フフン!ンフーフ!ンンン、フッフ♪オーレイ!!

オーレイは余計だったか。



…しまった!

帰宅中に書店に立ち寄り、買うはずの書籍…思い浮かばないぞ!?

人生に最も影響の出るものじゃなかったか?

えーと。



えーと。

あ!

思い出したぞ!

フフフ。

危うく忘れる所だった。

私の将来、妻になる女…

その名は、

団子虫シズクさん!!

団子虫シズクさんの、世界の団子について執筆したいと思っている心境を1冊の本にまとめ、豪華版のカバーとして鉄板を採用したものだ。

定価5万円。

安い!

安すぎるよ、団子虫シズクさん…

あ。

手持ちないな…

仕方がない、サクセスストーリーライバルの隣りの女に借りるか。お互いに目指すは日本の…いや、世界の頂点。そこは変わらないのだから、ある意味仲間だ。その仲間からの協力は惜しまないだろう。

「おいぃ!お前、出世払いで2億円払ってやるから、今5万円貸せ!」

え?

何なの?今グーで殴ったのか!?



今の脳への衝撃により、ブドウ糖の供給経路に狂いが出た様だ。

この後の授業が全て無駄に終わる可能性が出てきたぞ!?

仕方がないな…

「先生、早退させて下さい!この後の授業、無駄なので」



え?無理…?



『エリート?』…完
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