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面接

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「高校に入って、初めてのバイトですが、一生懸命に頑張ります」

中学を卒業して、もう親から小遣いなんてもらってられないからね。自分でバイトしていかないと。

しかし、裏通りのビルの一室、事務机一つにイス二つ。それ以外は何もない。ふう、より緊張するな。

「今まで、何回くらい、やらかしてきた?」

向かいのイスに座ったスーツ姿の面接官が口を開いたぞ。よし、いいアピールを。

「はい、実家が酒屋だったので、品出しとかは手伝ってきました。

「へぇ?いい品を、出してきたってのかい?例えば、どんな良質な品を出してきたんだ?」

「品は…よくわからないんですが、毒蝮どくまむしというおさ」

「毒蝮!?とんだおイタ野郎が来ちまったな!ええ?おい。わかった、じゃあはっきり聞いてやるから、覚悟しろ?」

このスーツ姿の人、ちょっと威圧感が半端ないな。僕のバイト未経験だから、気圧されてよりそう感じるのだろうか。

「どのくらいヤれそうか?」

「はい、週2くらいから考えています」

「12人!?いきなり、そんな数をヤれるってのかい!?お前…相当なはみ出しもんだな…」

「(ん?12人?聞き間違いかな?)…多いですか?」

「多ければ多いほど、この業界には都合がいいんだよ!最強の男にしてやるぜ…覚悟しておきな」

「え?じゃあ、採用して頂けるんですか?」

「お前みたいなヤバい奴、うち以外に働けねぇだろ?」

ヤバい奴?僕がかな。どこがヤバい奴なんだろう。というか、何かコンビニの面接というよりは、ヤクザの面接の様な臭いがするのは、気のせいだろうか。

「おい、早速仕事だ!しくじるんじゃねぇぞ?」

「はい…。店舗は何処になりますか?」

「はぁ?…着いてくれば、わかるよ!」

そう言って、手渡された物。ぁぁぁ、この物騒な物は一体!?

「こ、ここ…こ、これは?」

恐ろしくて震え出す僕は、呼吸を乱しながら、何とか目の前の面接官に聞いた。

ニヤリと悪そうな笑みを浮かべ、じっと僕を見つめる面接官。



はわわ…



はわわ…



「バーコードリーダーだ。それで商品を読み込むんだよ」



はわわ…



はわわ…



「わ、わかりました!い、一体、誰をヤれば良いのでしょうか!?」



はわわ…



はわわ…



「コンビニに来たお客様だよ。ちゃんと働けよ!」



ほっ…




『面接』…完
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