魔gic Operation Girl! HARUKA

sayure

文字の大きさ
上 下
42 / 47
第2章 それは夢を謳い…紡ぐは絶望

戦艦の揺れ

しおりを挟む
空中戦艦ベイオアルガに激しい揺れを感じた、明花はるか姿のメデナリンジェは、椅子から立ち上がり、目の前にいる絹毛の二足歩行犬、シュケインに強い口調で聞く。

「貴方!状況は!?」

艦内に警報音が鳴り響く。

シュケインは、耳奥にある通信機で、艦橋と連絡を取る。

「…わかった、優美留ゆみるは、1126号室じゃろう。あの子は、扱いが難しい。儂がいく」

シュケインは、椅子から飛び降り、

「戦艦に、タコがくっついているらしい。儂らだけで大丈夫じゃろう。行ってくるよ」

そう言い、部屋から出ていってしまった。

「タコだって。明花、知ってる?」

メデナリンジェは、心の中にいる明花に聞く。

「…?明花?」

「…」

「寝てる様ね。まぁ、いいわ。疲れたでしょう、寝ていなさい」

メデナリンジェは、このラウンジにある冷蔵庫を見つけ、扉を開ける。

酒類、ソフトドリンクがそれぞれ10本ずつ入っていた。

メデナリンジェは、冷蔵庫内にあったワイン小瓶を取り出し、スクリューキャップを回す。

「あ、明花の身体じゃ、酒が飲めないんだ。…じゃあ、こっちの方か」

ワイン小瓶を冷蔵庫に戻し、オレンジジュースを取り出す。

「あ、おいしい。この星の飲み物も、結構いけるわね。ねぇ、明花」

『(はい…)』

「いつ、起きたの?」

『(ほぼ、今です…)』

「もう戻りたい…?」

『(はい…)』

「ダーメ!」

『(!?)』

「明花の身体侵略達成よ。もう、私のものよ!」

『(…か、返して下さい!!)』

「じゃあ、もっと発育よくしてから、返すわね。お姉さんからの、贈り物」

『(そ、そんなの、いいですよぉ!メデナリンジェさん、早く、返してぇ!!)』

メデナリンジェと明花が、そんな中身のない言葉のやり取りをしていると、戦艦に先程よりさらに大きな激震が起こる。

「…明花、この身体、もう少しだけ貸して。何か、やばいものがこの戦艦に対して、攻撃しているのかも知れない」

『(え?わ、私の身体で戦うんですか?大丈夫ですか!私の身体、大丈夫ですかぁ!?)』

慌てる明花に、メデナリンジェはなだめる様な口調で、言った。

「大丈夫よ。これ以上、胸がなくなる事はないもの」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

もう死んでしまった私へ

ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。 幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか? 今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!! ゆるゆる設定です。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持

空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。 その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。 ※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。 ※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。

私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜

月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。 だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。 「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。 私は心を捨てたのに。 あなたはいきなり許しを乞うてきた。 そして優しくしてくるようになった。 ーー私が想いを捨てた後で。 どうして今更なのですかーー。 *この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

(完結)「君を愛することはない」と言われて……

青空一夏
恋愛
ずっと憧れていた方に嫁げることになった私は、夫となった男性から「君を愛することはない」と言われてしまった。それでも、彼に尽くして温かい家庭をつくるように心がければ、きっと愛してくださるはずだろうと思っていたのよ。ところが、彼には好きな方がいて忘れることができないようだったわ。私は彼を諦めて実家に帰ったほうが良いのかしら? この物語は憧れていた男性の妻になったけれど冷たくされたお嬢様を守る戦闘侍女たちの活躍と、お嬢様の恋を描いた作品です。 主人公はお嬢様と3人の侍女かも。ヒーローの存在感増すようにがんばります! という感じで、それぞれの視点もあります。 以前書いたもののリメイク版です。多分、かなりストーリーが変わっていくと思うので、新しい作品としてお読みください。 ※カクヨム。なろうにも時差投稿します。 ※作者独自の世界です。

出来損ない王女(5歳)が、問題児部隊の隊長に就任しました

瑠美るみ子
ファンタジー
魔法至上主義のグラスター王国にて。 レクティタは王族にも関わらず魔力が無かったため、実の父である国王から虐げられていた。 そんな中、彼女は国境の王国魔法軍第七特殊部隊の隊長に任命される。 そこは、実力はあるものの、異教徒や平民の魔法使いばかり集まった部隊で、最近巷で有名になっている集団であった。 王国魔法のみが正当な魔法と信じる国王は、国民から英雄視される第七部隊が目障りだった。そのため、褒美としてレクティタを隊長に就任させ、彼女を生贄に部隊を潰そうとした……のだが。 「隊長~勉強頑張っているか~?」 「ひひひ……差し入れのお菓子です」 「あ、クッキー!!」 「この時間にお菓子をあげると夕飯が入らなくなるからやめなさいといつも言っているでしょう! 隊長もこっそり食べない! せめて一枚だけにしないさい!」 第七部隊の面々は、国王の思惑とは反対に、レクティタと交流していきどんどん仲良くなっていく。 そして、レクティタ自身もまた、変人だが魔法使いのエリートである彼らに囲まれて、英才教育を受けていくうちに己の才能を開花していく。 ほのぼのとコメディ七割、戦闘とシリアス三割ぐらいの、第七部隊の日常物語。 *小説家になろう・カクヨム様にても掲載しています。

処理中です...