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第2章 それは夢を謳い…紡ぐは絶望
マリンディ
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メデナリンジェが威圧する視線を変えず、椅子につくと、絹毛の犬姿のシュケインは、ふむ、と声を出し、少し間を空けて語り出した。
「儂らオルロッド銀銃士団は、あの時、強大な魔力を感知し、この戦艦ベイオアルガから1人の女性を向かわせた。お主らが見た魔法銃士ではない。偵察部隊のマリンディという者だ」
「その人が、私をこの身体に?」
「まぁ、結果的にはな。お主は、魔力が消え、死ぬ寸前といったところだった」
「私も、そう思っていた」
シュケインの話に、少し気を落ち着かせ、耳を傾けるメデナリンジェ。
「今、その身体の主の女の子が、お主が先ほど言っていたザドシエリ…魔人、と交戦していたが、先に意識を失って、倒れてしまったのじゃ」
「それで、助けに入った?」
「まぁ、結果的にはな…」
「正義の味方ね、かっこいいわ。でも、結果的には、の話みたいだけどね」
メデナリンジェの反応に、シュケインは少し苦々しい表情を見せる。
「その魔人の力は、常軌を逸している。儂らの犠牲者は出したくはない。だから、魔人には、手を出すな、と言ったのだが…」
「…」
「命令に背き、その女の子を助けるため、マリンディは魔人に攻撃を仕掛けたんじゃ」
「…」
「魔人は、その女の子との戦いで、疲弊していた。だから、退ける事ができたのかも知れん。ただ、マリンディは深い傷を負ってしまった。そのまま、帰還すれば良かったと思ってはいるが…」
「…私が、憎いのね…」
「他人の細胞に一時的な結合をし、生命を維持させる方法。エリンシーズンという魔法じゃが、それは魔力をかなり消費させる。そして、それを使える者は、マリンディ以外、いない」
シュケインはそう言い、少し恨めしそうな目をメデナリンジェに向ける。
メデナリンジェは、ふうっと息を吐き、目を閉じた。
「感謝するわ。だけど、私はそんな事してなんて、頼んだ覚えはないの。逆恨みは、しないでもらえるかしら」
メデナリンジェは、少し冷たい言い方で、そう言った。
「一度結合させた細胞から、離してしまえば、もう一度回復させるという事にはならない。お主の傷は深く、身体は砂の一粒より遥かに小さいものになっているはず。そうでないと、その女の子に痛みが伝わり、正気ではいられない。そして、回復は、非常に遅い」
「この子には迷惑をかけるけれど、回復が遅いのは、別にいいわ」
「ちなみに、マリンディは、生きておる。峠を越え、状態は安定もしているが、今は回復が優先なのでな、話す事はできん」
「そう…。良かった、助かってくれて」
メデナリンジェは、そう言って、目を閉じた。そして、悲しそうな表情を見せる。
メデナリンジェは、ガーディアンワールドで、彼女を庇い、重傷を負った同僚、イリュードを思い浮かべていた。
彼は、その重傷と緊迫した状況で、対峙する魔人に、相討ちを仕掛ける事となった。それは、メデナリンジェの心に深い傷となって、残っていた。
「儂らオルロッド銀銃士団は、あの時、強大な魔力を感知し、この戦艦ベイオアルガから1人の女性を向かわせた。お主らが見た魔法銃士ではない。偵察部隊のマリンディという者だ」
「その人が、私をこの身体に?」
「まぁ、結果的にはな。お主は、魔力が消え、死ぬ寸前といったところだった」
「私も、そう思っていた」
シュケインの話に、少し気を落ち着かせ、耳を傾けるメデナリンジェ。
「今、その身体の主の女の子が、お主が先ほど言っていたザドシエリ…魔人、と交戦していたが、先に意識を失って、倒れてしまったのじゃ」
「それで、助けに入った?」
「まぁ、結果的にはな…」
「正義の味方ね、かっこいいわ。でも、結果的には、の話みたいだけどね」
メデナリンジェの反応に、シュケインは少し苦々しい表情を見せる。
「その魔人の力は、常軌を逸している。儂らの犠牲者は出したくはない。だから、魔人には、手を出すな、と言ったのだが…」
「…」
「命令に背き、その女の子を助けるため、マリンディは魔人に攻撃を仕掛けたんじゃ」
「…」
「魔人は、その女の子との戦いで、疲弊していた。だから、退ける事ができたのかも知れん。ただ、マリンディは深い傷を負ってしまった。そのまま、帰還すれば良かったと思ってはいるが…」
「…私が、憎いのね…」
「他人の細胞に一時的な結合をし、生命を維持させる方法。エリンシーズンという魔法じゃが、それは魔力をかなり消費させる。そして、それを使える者は、マリンディ以外、いない」
シュケインはそう言い、少し恨めしそうな目をメデナリンジェに向ける。
メデナリンジェは、ふうっと息を吐き、目を閉じた。
「感謝するわ。だけど、私はそんな事してなんて、頼んだ覚えはないの。逆恨みは、しないでもらえるかしら」
メデナリンジェは、少し冷たい言い方で、そう言った。
「一度結合させた細胞から、離してしまえば、もう一度回復させるという事にはならない。お主の傷は深く、身体は砂の一粒より遥かに小さいものになっているはず。そうでないと、その女の子に痛みが伝わり、正気ではいられない。そして、回復は、非常に遅い」
「この子には迷惑をかけるけれど、回復が遅いのは、別にいいわ」
「ちなみに、マリンディは、生きておる。峠を越え、状態は安定もしているが、今は回復が優先なのでな、話す事はできん」
「そう…。良かった、助かってくれて」
メデナリンジェは、そう言って、目を閉じた。そして、悲しそうな表情を見せる。
メデナリンジェは、ガーディアンワールドで、彼女を庇い、重傷を負った同僚、イリュードを思い浮かべていた。
彼は、その重傷と緊迫した状況で、対峙する魔人に、相討ちを仕掛ける事となった。それは、メデナリンジェの心に深い傷となって、残っていた。
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