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第2章 それは夢を謳い…紡ぐは絶望
君達は
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鈴木明花は、戦闘服のまま、大型戦艦内のラウンジで、椅子に腰掛けている。
オッドー大佐という顔が獅子に見える中年男が、崩壊する異空間から明花を連れ出し、この大型戦艦に案内していた。
オッドー大佐は、あだ名で、大佐の地位にいるという事ではない。
その説明をして、少しばかりの武勇伝を付け加えて、オッドー大佐は笑った。
明花は、愛想笑いをする。
「儂等、オルロッド銀銃士団は、この大型戦艦ベイオアルガを母艦として、他2つの戦艦を持ち、総勢6人の魔法銃士、50人の船員を持つ。目的は、君達と、同じじゃないかな」
オッドー大佐の言葉に、明花は、戸惑いを見せた。
「(君達…?もしかして、メデナリンジェさんの事も、言っているのかな?)」
明花が、心の声で言うと、
『私の事、言っているのよ。きっと』
メデナリンジェが、心の声で返した。
オッドー大佐は、明花の着ている戦闘服に興味がある様で、色々な角度で見つめ、眼鏡型電子バイザーを取り出し、操作をする。
「何か、凄い物着ているね。自動防御魔法A級と、解読が難しいけど、特殊攻撃魔法が仕込まれている。君達は、何者かな?」
オッドー大佐は、聞く。
明花は、視線を逸らし、2つ結びの垂れた片側の髪を撫でる。
「普通の…小学生ですけど」
明花は、言葉に困り、何とかそう呟いた。
オッドー大佐は、フハハハ、と豪快に笑い、指を鳴らした。
ラウンジの奥の扉が開き、女教師型ロボットが、マー、マー、言いながら出てきた。
逆三角形の眼鏡に、目つきは鋭く、口はへの字。厳しそうだ。
「嘘はいかんよね!大人の儂がふざけて話す内容にしては、域を超えすぎているよ。だから、儂の話は、真面目な話という事だ」
女教師型ロボットに、合図を送るオッドー大佐。
『明花、壊しておやり』
メデナリンジェは、心の声で言う。
「え…あ、はぁい。え?壊す…?あ、ちょっと、止めてっ!」
混乱している明花は、女教師型ロボットと揉み合いになり、四つん這いにさせられた。
「え…?土下座!」
「違う、違う。そんな事、させられない」
明花の言葉に、オッドー大佐は否定する。
女教師型ロボットは、明花のお尻を叩き始めた。
「え?痛っ…い!ちょっと、あ、ま…、待ってぇ!」
お尻を叩く音は、容赦ない事を表す。スパン、スパンと破裂しそうな音を響かせる。
オッドー大佐は、手を小さく上げ、女教師型ロボットのお尻叩きを制止させる。
「さぁ、真実を語る番だよ」
オッドー大佐がそう言うと、明花はゆらりと立ち上がった。
その明花の背中には、彼女にはない戦士の気が浮かび上がる。
「…わかったわ。真実を話して欲しいんでしょ?いいわよ。ただ、貴方達も、真実を話す事ね。そうでないと、お姉さん、獅子顔を、か弱い小動物みたいな顔になるまで、お仕置きしちゃうかも知れないわよ」
自信たっぷりで、高圧的な態度に変わる明花。
オッドー大佐は、不敵な笑みを浮かべ、ニヤリと笑った。
「初めまして。勇敢な、戦士よ」
オッドー大佐という顔が獅子に見える中年男が、崩壊する異空間から明花を連れ出し、この大型戦艦に案内していた。
オッドー大佐は、あだ名で、大佐の地位にいるという事ではない。
その説明をして、少しばかりの武勇伝を付け加えて、オッドー大佐は笑った。
明花は、愛想笑いをする。
「儂等、オルロッド銀銃士団は、この大型戦艦ベイオアルガを母艦として、他2つの戦艦を持ち、総勢6人の魔法銃士、50人の船員を持つ。目的は、君達と、同じじゃないかな」
オッドー大佐の言葉に、明花は、戸惑いを見せた。
「(君達…?もしかして、メデナリンジェさんの事も、言っているのかな?)」
明花が、心の声で言うと、
『私の事、言っているのよ。きっと』
メデナリンジェが、心の声で返した。
オッドー大佐は、明花の着ている戦闘服に興味がある様で、色々な角度で見つめ、眼鏡型電子バイザーを取り出し、操作をする。
「何か、凄い物着ているね。自動防御魔法A級と、解読が難しいけど、特殊攻撃魔法が仕込まれている。君達は、何者かな?」
オッドー大佐は、聞く。
明花は、視線を逸らし、2つ結びの垂れた片側の髪を撫でる。
「普通の…小学生ですけど」
明花は、言葉に困り、何とかそう呟いた。
オッドー大佐は、フハハハ、と豪快に笑い、指を鳴らした。
ラウンジの奥の扉が開き、女教師型ロボットが、マー、マー、言いながら出てきた。
逆三角形の眼鏡に、目つきは鋭く、口はへの字。厳しそうだ。
「嘘はいかんよね!大人の儂がふざけて話す内容にしては、域を超えすぎているよ。だから、儂の話は、真面目な話という事だ」
女教師型ロボットに、合図を送るオッドー大佐。
『明花、壊しておやり』
メデナリンジェは、心の声で言う。
「え…あ、はぁい。え?壊す…?あ、ちょっと、止めてっ!」
混乱している明花は、女教師型ロボットと揉み合いになり、四つん這いにさせられた。
「え…?土下座!」
「違う、違う。そんな事、させられない」
明花の言葉に、オッドー大佐は否定する。
女教師型ロボットは、明花のお尻を叩き始めた。
「え?痛っ…い!ちょっと、あ、ま…、待ってぇ!」
お尻を叩く音は、容赦ない事を表す。スパン、スパンと破裂しそうな音を響かせる。
オッドー大佐は、手を小さく上げ、女教師型ロボットのお尻叩きを制止させる。
「さぁ、真実を語る番だよ」
オッドー大佐がそう言うと、明花はゆらりと立ち上がった。
その明花の背中には、彼女にはない戦士の気が浮かび上がる。
「…わかったわ。真実を話して欲しいんでしょ?いいわよ。ただ、貴方達も、真実を話す事ね。そうでないと、お姉さん、獅子顔を、か弱い小動物みたいな顔になるまで、お仕置きしちゃうかも知れないわよ」
自信たっぷりで、高圧的な態度に変わる明花。
オッドー大佐は、不敵な笑みを浮かべ、ニヤリと笑った。
「初めまして。勇敢な、戦士よ」
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