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第1章 怨讐に女童
至難
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怪しげな色に染まる、空での戦い。
クーペリュスは鮮血に染まる目を、くせっ毛金髪少女桜夢優美留へ向け、襲いかかる。
空間が歪み、優美留が少しバランスを崩した。
それは、クーペリュスの仕業であり、彼は優美留を見て、にやりと笑みを浮かべ、掌に溜めた闇エネルギーを彼女の胸元に食らわせようとする。
優美留は、身体を捻り、その反動でクーペリュスに蹴りを食らわせようとする。
クーペリュスの伸ばす掌と、優美留の足が交差する。
クーペリュスの顔に、優美留の回し蹴りが届く。しかし、攻撃は浅く、威力はない。しかし、彼の掌も、彼女の胸元からは逸れる。
「oll"ender.jeck"ill!!」
優美留の魔法発動。
魔法増幅装置の緑色ゲージの2本目がなくなる。
空中に、火、氷、雷、風の属性を持った2メートルほどの長さの槍が出現し、クーペリュスの頭、心臓、腹を狙い、襲いかかる。
クーペリュスは、自らの身体を中心に闇エネルギーによる激しい風を呼び、槍の軌道を歪め、そして、赤く、そして黒く、空の色を瞬間、点滅させ、槍の動きを止めた。
「フフ…。さすがはドルヴァスク様をやっただけはある様だな。だが、この程度では、私相手に勝てはしないぞ」
優美留の放った魔法の槍は、動きを止め、そして4本共、灰になり、散っていった。
「…手加減してあげてるのさ。あたしは、優しいんだよ」
2人は睨み合いながら、下降し、地面に足をつける。
魔幻とくしは、肩を回し、鼻息を荒くしながら、優美留に背後から近づく。
優美留はクーペリュスと対峙しながら、背後にいる魔幻とくしを気にして、少し後ろを窺った。
明花は、倒れたまま、動かないでいる。
明花の中にいるメデナリンジェは、懸命に明花に心の声で、語りかけ続けていた。
『明花!起きなさい。今、予想外に良い状況が生まれているわ。貴女が、突然現れたあの子と一緒に戦えば、勝機はある!』
クーペリュスは、掌を動かし、闇エネルギーを高めている。
「悔いのない様に、来い。最高のもので私を喜ばせ、そして散れ…」
クーペリュスは、冷淡な口調で言う。
優美留は、電子バイザーの表示を見て、口笛を吹いた。
「あたしにおねだりなんて、いけないなぁ。でも、その期待に応えてあげようか?おにいちゃん♡」
優美留はそう言い、不敵な笑みを浮かべる。
『明花…。ダメージはそれほどなかったはずよ?』
「…」
『…起きなさい。えーと、貴女の好きなプリン、作ったわよ…』
「…ん…?」
『(何なの?かかったわ)…食べないのぉ?じゃあ、私が…』
「食べ…る、から」
『…はぁ(何だこの子)。起きなさい…』
明花は、薄っすらと目を開け、滅紫色の空を眺める。
ここは、何処だろうかと、明花は定まらない意識を、頭の中で放浪させる。
声が聞こえる。
聞き覚えのある声。
そうだ、貴女の名前は。
メデナリンジェさん。
明花は、ふらつきながら、周辺を見回す。
頭が重い。
少し離れた所で、同じ年くらいの少女が、片膝をついている。
その向こう側に、不敵な笑みを浮かべる男。
そう…。
「クーペリュス…」
鮮血の目を向け、にやりと笑みを浮かべる。
「お目覚めかな?麗しの乙女よ。いや、魔幻の姫と呼ぼうか?」
クーペリュスは、膨大な闇エネルギーを身体から漂わせ、今にも明花に襲いかかろうとしていた。
クーペリュスは鮮血に染まる目を、くせっ毛金髪少女桜夢優美留へ向け、襲いかかる。
空間が歪み、優美留が少しバランスを崩した。
それは、クーペリュスの仕業であり、彼は優美留を見て、にやりと笑みを浮かべ、掌に溜めた闇エネルギーを彼女の胸元に食らわせようとする。
優美留は、身体を捻り、その反動でクーペリュスに蹴りを食らわせようとする。
クーペリュスの伸ばす掌と、優美留の足が交差する。
クーペリュスの顔に、優美留の回し蹴りが届く。しかし、攻撃は浅く、威力はない。しかし、彼の掌も、彼女の胸元からは逸れる。
「oll"ender.jeck"ill!!」
優美留の魔法発動。
魔法増幅装置の緑色ゲージの2本目がなくなる。
空中に、火、氷、雷、風の属性を持った2メートルほどの長さの槍が出現し、クーペリュスの頭、心臓、腹を狙い、襲いかかる。
クーペリュスは、自らの身体を中心に闇エネルギーによる激しい風を呼び、槍の軌道を歪め、そして、赤く、そして黒く、空の色を瞬間、点滅させ、槍の動きを止めた。
「フフ…。さすがはドルヴァスク様をやっただけはある様だな。だが、この程度では、私相手に勝てはしないぞ」
優美留の放った魔法の槍は、動きを止め、そして4本共、灰になり、散っていった。
「…手加減してあげてるのさ。あたしは、優しいんだよ」
2人は睨み合いながら、下降し、地面に足をつける。
魔幻とくしは、肩を回し、鼻息を荒くしながら、優美留に背後から近づく。
優美留はクーペリュスと対峙しながら、背後にいる魔幻とくしを気にして、少し後ろを窺った。
明花は、倒れたまま、動かないでいる。
明花の中にいるメデナリンジェは、懸命に明花に心の声で、語りかけ続けていた。
『明花!起きなさい。今、予想外に良い状況が生まれているわ。貴女が、突然現れたあの子と一緒に戦えば、勝機はある!』
クーペリュスは、掌を動かし、闇エネルギーを高めている。
「悔いのない様に、来い。最高のもので私を喜ばせ、そして散れ…」
クーペリュスは、冷淡な口調で言う。
優美留は、電子バイザーの表示を見て、口笛を吹いた。
「あたしにおねだりなんて、いけないなぁ。でも、その期待に応えてあげようか?おにいちゃん♡」
優美留はそう言い、不敵な笑みを浮かべる。
『明花…。ダメージはそれほどなかったはずよ?』
「…」
『…起きなさい。えーと、貴女の好きなプリン、作ったわよ…』
「…ん…?」
『(何なの?かかったわ)…食べないのぉ?じゃあ、私が…』
「食べ…る、から」
『…はぁ(何だこの子)。起きなさい…』
明花は、薄っすらと目を開け、滅紫色の空を眺める。
ここは、何処だろうかと、明花は定まらない意識を、頭の中で放浪させる。
声が聞こえる。
聞き覚えのある声。
そうだ、貴女の名前は。
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明花は、ふらつきながら、周辺を見回す。
頭が重い。
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その向こう側に、不敵な笑みを浮かべる男。
そう…。
「クーペリュス…」
鮮血の目を向け、にやりと笑みを浮かべる。
「お目覚めかな?麗しの乙女よ。いや、魔幻の姫と呼ぼうか?」
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