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第二章 熱き炎よギルロに届け、切なる思い
その311裏
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どの様な役割を与えたとしても、所詮は不穏分子に変わりがない。いずれ古球磨族には消えてもらう予定ではあったが、良い口実ができた。
礼を言うぞ、メカリエ、ゲルよ。
主戦力となり得る我が種族の者達を奴らに暗殺された事は確かに痛手だったが、しかし私にはそれを補い、余りある力をすでに手中に収めているのだ。
このハムカンデが、世界を統べる存在となる日もそう遠い話ではなくなった。オーロフ族に歯向かう者共も、1人残らず駆逐してくれる!
「ハムカンデッ!」
太鼓六変人に魔怪兵への扉を開いた。後はこやつらがどの様に変化しようが、古球磨族を倒せば文句などない。
白桃怪族は以前、オーロフ族を下等生物と嘲笑い、私に手を上げた。よって、その報いを受けさせたが、その途端、私に従順な僕となった。
その転身振りには実に楽しませてもらったが、ここで古球磨族を倒す事に成功すれば、今まで生かし、目を掛けてやった甲斐があったというものよ。
「息巻いている様だが、メカリエよ。ただ太鼓六変人が、少し化けた程度に捉えているのであれば、それが命取りとなるのだ。心して戦うが良い」
ガキィィンッ!
キィンッ!
「ま、ままま魔臭兵の力は、どうだ!?メカリェェッ!」
「所詮は白桃怪族というだけの事だよ。大して変わり映えのしないその醜態を見せ、僕を落胆させるのが、実に上手いな…」
「こんのぉオぉおッ!メカ…メカッリエェェッ!」
オーロフ族よ、そして東角猫族よ狼狽えるな。
この宴を存分に楽しむが良い…!
これもまた一興、忠実に事が運ぶのも、そうでなくとも、結果は同じ。
オーロフ族の躍進は未だ道を違わず、歩み続けているその実感が、私にはある。
だがなぁぁ…。
メベヘよ。
お前がそのリョウマ族を倒そうが、倒すまいが、お前には最も惨たらしい死を与えてやろう。
お前が不穏分子の古球磨族という事だけではない。
お前はあの小鈴を殺したのだからなぁぁ…。
私が…目指した、もう一つの…。
私が…。
「…」
「フハハハハハッ!」
小鈴も私の役に立ったとあの世で喜んでいるわッ!
お前の死も、私をより高みに導く良い機会となったのだ。
愉快!
実に、愉快だ!!
「さあ、太鼓六変人!忠誠の欠片も見当たらぬ愚かなその古球磨族を、殺せッ!」
力がまだ足らぬと言うのなら、お前達の体が破裂寸前になるほどまでに、魔力を注ぎ込んでやる。
死んでも古球磨族を殺すのだ。
お前の命運が掛かっているのだぞ、白桃怪族よ。
抜かりなく事を運べば、この先もお前達を使ってやる。
そうでなければ…。
お前達も、所詮は古球磨族と変わり映えしない愚かな存在だったというだけの事よ。
その時は、お前達にも相応の死をくれてやろう。
礼を言うぞ、メカリエ、ゲルよ。
主戦力となり得る我が種族の者達を奴らに暗殺された事は確かに痛手だったが、しかし私にはそれを補い、余りある力をすでに手中に収めているのだ。
このハムカンデが、世界を統べる存在となる日もそう遠い話ではなくなった。オーロフ族に歯向かう者共も、1人残らず駆逐してくれる!
「ハムカンデッ!」
太鼓六変人に魔怪兵への扉を開いた。後はこやつらがどの様に変化しようが、古球磨族を倒せば文句などない。
白桃怪族は以前、オーロフ族を下等生物と嘲笑い、私に手を上げた。よって、その報いを受けさせたが、その途端、私に従順な僕となった。
その転身振りには実に楽しませてもらったが、ここで古球磨族を倒す事に成功すれば、今まで生かし、目を掛けてやった甲斐があったというものよ。
「息巻いている様だが、メカリエよ。ただ太鼓六変人が、少し化けた程度に捉えているのであれば、それが命取りとなるのだ。心して戦うが良い」
ガキィィンッ!
キィンッ!
「ま、ままま魔臭兵の力は、どうだ!?メカリェェッ!」
「所詮は白桃怪族というだけの事だよ。大して変わり映えのしないその醜態を見せ、僕を落胆させるのが、実に上手いな…」
「こんのぉオぉおッ!メカ…メカッリエェェッ!」
オーロフ族よ、そして東角猫族よ狼狽えるな。
この宴を存分に楽しむが良い…!
これもまた一興、忠実に事が運ぶのも、そうでなくとも、結果は同じ。
オーロフ族の躍進は未だ道を違わず、歩み続けているその実感が、私にはある。
だがなぁぁ…。
メベヘよ。
お前がそのリョウマ族を倒そうが、倒すまいが、お前には最も惨たらしい死を与えてやろう。
お前が不穏分子の古球磨族という事だけではない。
お前はあの小鈴を殺したのだからなぁぁ…。
私が…目指した、もう一つの…。
私が…。
「…」
「フハハハハハッ!」
小鈴も私の役に立ったとあの世で喜んでいるわッ!
お前の死も、私をより高みに導く良い機会となったのだ。
愉快!
実に、愉快だ!!
「さあ、太鼓六変人!忠誠の欠片も見当たらぬ愚かなその古球磨族を、殺せッ!」
力がまだ足らぬと言うのなら、お前達の体が破裂寸前になるほどまでに、魔力を注ぎ込んでやる。
死んでも古球磨族を殺すのだ。
お前の命運が掛かっているのだぞ、白桃怪族よ。
抜かりなく事を運べば、この先もお前達を使ってやる。
そうでなければ…。
お前達も、所詮は古球磨族と変わり映えしない愚かな存在だったというだけの事よ。
その時は、お前達にも相応の死をくれてやろう。
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