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第二章 熱き炎よギルロに届け、切なる思い
その252
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パルンガの体の奥から何かのゴツゴツしたものが表に出ようともがいている様に見える。
特に肩や胸、腕や足から見られる。どうなってるんだ?
パルンガは目を見張って、何かを探す様に辺りを見回して、俺を睨みつける。それを何回か続けた後、大きく息を吐いた。
ハムカンデの指示でこけしから吹き矢で何かを打たれてから、明らかに様子が変わった。
何を打たれたんだ?
「グガガガァアアッ!」
「パルンガ…!?」
お前から感じるその目は、深い恨みだ。何でそんな目で俺を見るんだ。
俺は、お前にそんなに酷い事をしたのか?
お前は俺に優しかった。
でも、俺はお前に何かしてあげた事はない。
お前の優しさに甘えていたのかも知れない。
「グガガガッ。…殺ス!」
体の奥から外に出ようとしていたもの、それは筋肉か?
俺に一歩一歩近づく動作に力強さを感じる。俺よりも背が低いのに、何か大きな相手と向き合ってる感じがする。威圧感が明らかに強まった。
力が上がったと考えた方がいいのかも知れない。
用心しないと。不意の攻撃を食らったらまずい。
俺はこんな世界で死ぬ訳にはいかないんだから。
「パルンガ!」
俺の声が届いていないみたいだ。
もう止められない?
もうどうしようもないのか?
パルンガが俺に近づくにつれ、周りの奴らの歓声が大きくなる。
闘って、誰かが傷ついて、望みが絶たれるのを見ると爽快か?
お前らの発してる言葉は、決して気持ちのいい言葉じゃない。心から腐ってるんだよ。
「ガァアアアッ!!」
ビシュンッ!!
「!?」
ガキィィンッ!
くそっ!剣を構えていなければやられていた。
パルンガの爪攻撃のひと振りが重く、そして速い。
少しでも相手を撹乱する動きを混ぜられると、対応なんかできない厄介な攻撃をしてくる。
でも、パルンガはまだ体の動きが重い。
体全体の動きに違和感がある。
城に監禁される前のパルンガの動きはとても俊敏だったはず。それが今は見る影もない。
吹き矢で打ち込まれた内容によっては、これから何かが起こるのか?
気になるのは、パルンガの目だ。
深く恨むその目は、パルンガの目にしては異質過ぎて、違和感があり過ぎる。
うまくは言えないけど、今のパルンガの目は他人の目だ。
「本当にパルンガなら、返事をしてみろ…!」
「グガガガッ!」
どうした?体が痛むのか?苦しいのなら、その構えた腕を下ろして、闘うのをを止めよう。
俺はお前と闘う気なんかない。
少し落ち着いたら、俺とまた前みたいに話をしよう。
「ガァアアアッ!」
ビシュンッ!
「パ、パルンガッ!?」
ガキィィンッ!
う、腕が痛えっ!パルンガの一撃の衝撃が剣越しに俺の腕にくる。
こんなにも重い攻撃、そう何度も受けていられない。
パルンガ、正気に戻れ!
「おい!早く闘え!!こんなつまらねえ闘いを見たくて集まってるんじゃねえぞ!?」
「リョウマ族!いいからそのゼドケフラーを殺せ!」
「何だかあのゼドケフラー、滑稽だわ。リョウマ族に遊ばれてるんじゃないの?」
周りから不満の声が聞こえてくる。俺はこの闘いを望んでいない。仕組まれて始まったこの闘い、俺はもう降りたいんだ。
「リョウマ族、私は構わんぞ。特別、時間に制限を設けていないのだから。思う存分に闘うが良い」
「俺は…!」
「相手に不足があるのなら、解決手段はある。ぜひ、任せてくれ」
待て!?
俺はそんな事が言いたいんじゃない!
ハムカンデがまたこけしに何か合図を送った!?
止めろ、これ以上パルンガに変なものをを打つな!
「ガァアアアッ!!」
「!?」
しまった…!?
シャキッ!!
「ぐぁあああッ!?」
「ようやく闘いが始まりそうだな。君が約束したのだぞ?この日に君の本領を発揮すると。私に嘘は通用しない。嘘と分かれば、その身をもって償って頂こう…」
特に肩や胸、腕や足から見られる。どうなってるんだ?
パルンガは目を見張って、何かを探す様に辺りを見回して、俺を睨みつける。それを何回か続けた後、大きく息を吐いた。
ハムカンデの指示でこけしから吹き矢で何かを打たれてから、明らかに様子が変わった。
何を打たれたんだ?
「グガガガァアアッ!」
「パルンガ…!?」
お前から感じるその目は、深い恨みだ。何でそんな目で俺を見るんだ。
俺は、お前にそんなに酷い事をしたのか?
お前は俺に優しかった。
でも、俺はお前に何かしてあげた事はない。
お前の優しさに甘えていたのかも知れない。
「グガガガッ。…殺ス!」
体の奥から外に出ようとしていたもの、それは筋肉か?
俺に一歩一歩近づく動作に力強さを感じる。俺よりも背が低いのに、何か大きな相手と向き合ってる感じがする。威圧感が明らかに強まった。
力が上がったと考えた方がいいのかも知れない。
用心しないと。不意の攻撃を食らったらまずい。
俺はこんな世界で死ぬ訳にはいかないんだから。
「パルンガ!」
俺の声が届いていないみたいだ。
もう止められない?
もうどうしようもないのか?
パルンガが俺に近づくにつれ、周りの奴らの歓声が大きくなる。
闘って、誰かが傷ついて、望みが絶たれるのを見ると爽快か?
お前らの発してる言葉は、決して気持ちのいい言葉じゃない。心から腐ってるんだよ。
「ガァアアアッ!!」
ビシュンッ!!
「!?」
ガキィィンッ!
くそっ!剣を構えていなければやられていた。
パルンガの爪攻撃のひと振りが重く、そして速い。
少しでも相手を撹乱する動きを混ぜられると、対応なんかできない厄介な攻撃をしてくる。
でも、パルンガはまだ体の動きが重い。
体全体の動きに違和感がある。
城に監禁される前のパルンガの動きはとても俊敏だったはず。それが今は見る影もない。
吹き矢で打ち込まれた内容によっては、これから何かが起こるのか?
気になるのは、パルンガの目だ。
深く恨むその目は、パルンガの目にしては異質過ぎて、違和感があり過ぎる。
うまくは言えないけど、今のパルンガの目は他人の目だ。
「本当にパルンガなら、返事をしてみろ…!」
「グガガガッ!」
どうした?体が痛むのか?苦しいのなら、その構えた腕を下ろして、闘うのをを止めよう。
俺はお前と闘う気なんかない。
少し落ち着いたら、俺とまた前みたいに話をしよう。
「ガァアアアッ!」
ビシュンッ!
「パ、パルンガッ!?」
ガキィィンッ!
う、腕が痛えっ!パルンガの一撃の衝撃が剣越しに俺の腕にくる。
こんなにも重い攻撃、そう何度も受けていられない。
パルンガ、正気に戻れ!
「おい!早く闘え!!こんなつまらねえ闘いを見たくて集まってるんじゃねえぞ!?」
「リョウマ族!いいからそのゼドケフラーを殺せ!」
「何だかあのゼドケフラー、滑稽だわ。リョウマ族に遊ばれてるんじゃないの?」
周りから不満の声が聞こえてくる。俺はこの闘いを望んでいない。仕組まれて始まったこの闘い、俺はもう降りたいんだ。
「リョウマ族、私は構わんぞ。特別、時間に制限を設けていないのだから。思う存分に闘うが良い」
「俺は…!」
「相手に不足があるのなら、解決手段はある。ぜひ、任せてくれ」
待て!?
俺はそんな事が言いたいんじゃない!
ハムカンデがまたこけしに何か合図を送った!?
止めろ、これ以上パルンガに変なものをを打つな!
「ガァアアアッ!!」
「!?」
しまった…!?
シャキッ!!
「ぐぁあああッ!?」
「ようやく闘いが始まりそうだな。君が約束したのだぞ?この日に君の本領を発揮すると。私に嘘は通用しない。嘘と分かれば、その身をもって償って頂こう…」
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