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第二章 熱き炎よギルロに届け、切なる思い

その238裏

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「ガルルルルァアアッ!!」



ザシュッ!!



「くぅうぉ…ッ!」



「く…はぁ」



バタンッ。



ついに、やったか!?ついに、ベルダイザーを倒したか?

今度こそ、本物だろう?

さあ、食べてやるど!

こいつの肉を体の中に入れて、オデが成獣になるためのエネルギーを高めるんだど!

ついに…。

オデも、成獣だ!!



ガァアアアッ!



ハハハハッ!



ハハハハッ!



ガブッ!



「ん?」



ベルダイザーが服を着てる?

少し固いど。



「グルルルッ…」



何か、光った…。

金属を身につけてる?



はっ!?



ガァアアアッ!



ま、まさか??

テテ?



ガァアアアッ!!



ウソだ!?

ウソだ!

ウソだぁぁぁあッ!!!



「ガァアアアッ!!」



テテ!?

死なないで…!



「ガァアアアッ!!」



ち、違う。これは武器の金属だ。鎧じゃない。それなら、テテじゃない。そうだど!テテじゃないど!

幻ばかりで、もう何もわけがわからなくなった。

この場所に閉じ込められて、何度も周りが森に変わって、ベルダイザーと思ってどれだけを倒したんだ?

どれもベルダイザーじゃない。

でも、1匹だけ、テテみたいなベルダイザーにあった。

変な壁が邪魔して、戦う事ができなかったけど。

あれはもしかして、本当はテテだったのか?

でも。

もう、いなくなった。

オデはもう、伝言の魔法が使えなくなったんだ。

確かめられない。

この幻のせいだ。

変なものを体に打たれて、段々とオデじゃなくなっている。

テテ。

この街からもう逃げたのかな。

オデはたくさんの兄弟が幼獣のままで死んでいるのを見てきた。

体が今にも破裂しそうな感じがする。少し前から、体が中から裂ける様な感じがしていた。

オデも、多分、もう間に合わない。

ゼドケフラーの成獣なんて、ほとんどなれないんだ。

夢の、また夢。

誰もがエズアに憧れるけど、誰もエズアみたいになれるわけじゃない。

恥ずかしい。

神獣人とか、色々いい様な事を言う住人も少なくなかった。

でも、なれないなら。

なれないで死んでいる姿を見られるのは、恥ずかしい。

そうか。

だから、兄弟達は、見つからない様な草の丈の伸びた森の中で、死んでいったんだ。



…。



オデも、ベルダイザーを探す事もできないで、このまま死ぬ。

そんなの。



いやだ!

いやだ!!



ダァンッ!!



ダァンッ!!



「ガァアアアッ!!」



「グルルルァァ…!」



オデは、成獣になって、テテに見せてあげるんだ。

ほら、こんなオデでも、立派に成獣になれたんだよって。

だから、何も恥ずかしい事なんて、ないんだって。

ほら…。

自信をもって、自分の名前を言ってみて。


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