260 / 441
第二章 熱き炎よギルロに届け、切なる思い
その176裏
しおりを挟む
「何ッ!?」
ゼドケフラーめ。妖獣の体の分際で、俺の腐乱天元斬りを直感でかわしたな!?
お前の死角に入り込んだはずなのに!
「ガルルルルルルッ!」
「まぐれでも、俺の腐乱天元斬りをかわせたお前を称賛してやるさ。しかし、今ので運も尽き果てただろう。次で最後だ。せめてもの情け、苦しまずにあの世に送ってやる…」
カチャッ。
どうせお前は、苦し紛れに突進した爪攻撃しかできない単細胞だ。俺が万に一でも負ける可能性などないのさ。
「ガルルルルルルァァッ!」
ダダダダダダッ!!
ほぅら、来た来た来た!!
そのバカのひとつ覚えの、単調な攻撃しかできないのが、ゼドケフラーの妖獣だよ。
ビュンッ!
「ハハッ!聞こえているのなら、返事をしてみせろ、エズア。お前がどんな思いを持っていたとしても、俺はお前を許す事などあり得ない。簡単な事だ。こんな体になったのもお前のせいだからだ!」
ビュンッ!ビュンッ!
動きは読めてるんだよ。先ほどより動きの速さは増した様にも思えるけど、それでも予想の範囲内。今度こそ、お前に腐乱天元斬りを食らわし、止めといこうじゃないか。
「ガアアアァァッ!!」
ガキィィンッ!
「くそっ!」
何だ、今の攻撃は!?関節でも外したのか、不思議な角度から腕を強振してきた。
「ガアアアァァッ!」
ビュンッ!!
ダッ!
クルクルクルッ!
タッ!
「調子に乗るなよ、エズア。お前に何度もやられるほど、間抜けじゃない…」
「ガアアアァァッ!」
エズアの血をこのゼドケフラーの幼獣に注入しただけで、ここまで覚醒するとは。しかし、これでいい。俺は心の中で、ずっとエズアに仕返しをする機会を望んでいた。無念を晴らす時が、ついに来たんだ。
ダッ!ダダッ!
警戒しながら素早く近づいて来たな?俺の動きを見くびるなよ。
「ガアアアッ!」
ビュンッ!
見切ったぞ、エズア!
ヒュンッ!
ビシュッ。
「ガアアアッ…」
ゼドケフラーの爪攻撃に合わせて腹を斬りつけたつもりだったが、予想以上に表皮が固い。踏み込みが浅かったか?
「ガルルルルルルッ!」
俺のすれ違い様の攻撃を予測され、身を固めたか。なら、それすらもさせない様にしてやるさ。
今の俺に、これ以上、戦いのための時間はかけられない。遊びは終わりだ。ここで勝負を決めさせてもらう。
「ガルルルルルルッ!」
「エズア、そろそろ決着をつけるとしようじゃないか…」
「鬼眼!」
目の黒目白目全てが血の如く真っ赤に染まる。この時の動きは通常の数十倍の速さとなる。お前に、この俺の動きを目で追う事ができるかな?
シュ…タタタッ。
…タ…。
「ガルルルルルルッ!?」
どうした?お前の目に映る俺は、何処にいる?
お前が目で追っているのは、俺の残像でしかない。ほら、エズアの血で動体視力をもっと高めろ!俺は何処だ、エズア!
「ガアアアッ!」
ビュンッ!
「フハハ…」
「残念だな、エズア?俺はお前の真後ろにいる…」
「ガアアア?」
すでに遅い、エズア!お前の命の灯火は今消え去るんだッ!
「最後だッ!食らえ、腐乱天元斬りッ!!」
ピュゥウンッ!!
「!?」
ガッ!!キーーーンッ!!!
「この速さだぞ?…何処に目がついてるんだ?何で、この攻撃が防げる!?」
「ゴホッ!ゴホッ…!」
まずい、またあの時の傷口が広がる時間が…!早く離れないと!!
「ガルルルルルルァァアッ!!!」
「ま、待て…!!」
ズシュッ!
「ぐ…はぁっ!?」
「ガルルルルルル…」
胸を、貫かれた。こんな、こんな…低能野郎に。
「うぐっ…!」
まさか?この俺が負ける…だと。
「ガルル…。この街…の。全ての者が恨めしい…。許し難き、者共よ」
「ゴホッ!ゴホッ!…エズアか?」
「ガアアアッ!」
ザシュッ!ザシュッ!
「グブッ!や、止め、ろッ!」
「ガルルル…。クェタルドを助けられ…なかっ…た。恨めしい。うう、恨めしい…!」
「ガアアアァァッ!!!」
ズザシュッ!!!
「ぐあッ!!」
ガタッ。
「一度…ならず、二度までも」
「俺は…。ま、負け…」
タタンッ。
ドサッ。
「…ナグ?大丈夫ですか?」
「…」
「ヒ、ヒィィッ!た、大変だ!?黒眼五人衆のナグが、ゼドケフラーの幼獣にやられた!すぐにハムカンデ様にご報告しなくては!!」
ゼドケフラーめ。妖獣の体の分際で、俺の腐乱天元斬りを直感でかわしたな!?
お前の死角に入り込んだはずなのに!
「ガルルルルルルッ!」
「まぐれでも、俺の腐乱天元斬りをかわせたお前を称賛してやるさ。しかし、今ので運も尽き果てただろう。次で最後だ。せめてもの情け、苦しまずにあの世に送ってやる…」
カチャッ。
どうせお前は、苦し紛れに突進した爪攻撃しかできない単細胞だ。俺が万に一でも負ける可能性などないのさ。
「ガルルルルルルァァッ!」
ダダダダダダッ!!
ほぅら、来た来た来た!!
そのバカのひとつ覚えの、単調な攻撃しかできないのが、ゼドケフラーの妖獣だよ。
ビュンッ!
「ハハッ!聞こえているのなら、返事をしてみせろ、エズア。お前がどんな思いを持っていたとしても、俺はお前を許す事などあり得ない。簡単な事だ。こんな体になったのもお前のせいだからだ!」
ビュンッ!ビュンッ!
動きは読めてるんだよ。先ほどより動きの速さは増した様にも思えるけど、それでも予想の範囲内。今度こそ、お前に腐乱天元斬りを食らわし、止めといこうじゃないか。
「ガアアアァァッ!!」
ガキィィンッ!
「くそっ!」
何だ、今の攻撃は!?関節でも外したのか、不思議な角度から腕を強振してきた。
「ガアアアァァッ!」
ビュンッ!!
ダッ!
クルクルクルッ!
タッ!
「調子に乗るなよ、エズア。お前に何度もやられるほど、間抜けじゃない…」
「ガアアアァァッ!」
エズアの血をこのゼドケフラーの幼獣に注入しただけで、ここまで覚醒するとは。しかし、これでいい。俺は心の中で、ずっとエズアに仕返しをする機会を望んでいた。無念を晴らす時が、ついに来たんだ。
ダッ!ダダッ!
警戒しながら素早く近づいて来たな?俺の動きを見くびるなよ。
「ガアアアッ!」
ビュンッ!
見切ったぞ、エズア!
ヒュンッ!
ビシュッ。
「ガアアアッ…」
ゼドケフラーの爪攻撃に合わせて腹を斬りつけたつもりだったが、予想以上に表皮が固い。踏み込みが浅かったか?
「ガルルルルルルッ!」
俺のすれ違い様の攻撃を予測され、身を固めたか。なら、それすらもさせない様にしてやるさ。
今の俺に、これ以上、戦いのための時間はかけられない。遊びは終わりだ。ここで勝負を決めさせてもらう。
「ガルルルルルルッ!」
「エズア、そろそろ決着をつけるとしようじゃないか…」
「鬼眼!」
目の黒目白目全てが血の如く真っ赤に染まる。この時の動きは通常の数十倍の速さとなる。お前に、この俺の動きを目で追う事ができるかな?
シュ…タタタッ。
…タ…。
「ガルルルルルルッ!?」
どうした?お前の目に映る俺は、何処にいる?
お前が目で追っているのは、俺の残像でしかない。ほら、エズアの血で動体視力をもっと高めろ!俺は何処だ、エズア!
「ガアアアッ!」
ビュンッ!
「フハハ…」
「残念だな、エズア?俺はお前の真後ろにいる…」
「ガアアア?」
すでに遅い、エズア!お前の命の灯火は今消え去るんだッ!
「最後だッ!食らえ、腐乱天元斬りッ!!」
ピュゥウンッ!!
「!?」
ガッ!!キーーーンッ!!!
「この速さだぞ?…何処に目がついてるんだ?何で、この攻撃が防げる!?」
「ゴホッ!ゴホッ…!」
まずい、またあの時の傷口が広がる時間が…!早く離れないと!!
「ガルルルルルルァァアッ!!!」
「ま、待て…!!」
ズシュッ!
「ぐ…はぁっ!?」
「ガルルルルルル…」
胸を、貫かれた。こんな、こんな…低能野郎に。
「うぐっ…!」
まさか?この俺が負ける…だと。
「ガルル…。この街…の。全ての者が恨めしい…。許し難き、者共よ」
「ゴホッ!ゴホッ!…エズアか?」
「ガアアアッ!」
ザシュッ!ザシュッ!
「グブッ!や、止め、ろッ!」
「ガルルル…。クェタルドを助けられ…なかっ…た。恨めしい。うう、恨めしい…!」
「ガアアアァァッ!!!」
ズザシュッ!!!
「ぐあッ!!」
ガタッ。
「一度…ならず、二度までも」
「俺は…。ま、負け…」
タタンッ。
ドサッ。
「…ナグ?大丈夫ですか?」
「…」
「ヒ、ヒィィッ!た、大変だ!?黒眼五人衆のナグが、ゼドケフラーの幼獣にやられた!すぐにハムカンデ様にご報告しなくては!!」
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
異世界の親が過保護過ぎて最強
みやび
ファンタジー
ある日、突然転生の為に呼び出された男。
しかし、異世界転生前に神様と喧嘩した結果、死地に送られる。
魔物に襲われそうな所を白銀の狼に助けられたが、意思の伝達があまり上手く出来なかった。
狼に拾われた先では、里ならではの子育てをする過保護な里親に振り回される日々。
男はこの状況で生き延びることができるのか───?
大人になった先に待ち受ける彼の未来は────。
☆
第1話~第7話 赤ん坊時代
第8話~第25話 少年時代
第26話~第?話 成人時代
☆
webで投稿している小説を読んでくださった方が登場人物を描いて下さいました!
本当にありがとうございます!!!
そして、ご本人から小説への掲載許可を頂きました(≧▽≦)
♡Thanks♡
イラスト→@ゆお様
あらすじが分かりにくくてごめんなさいっ!
ネタバレにならない程度のあらすじってどーしたらいいの……
読んで貰えると嬉しいです!
皇女様の女騎士に志願したところ彼女を想って死ぬはずだった公爵子息に溺愛されました
ねむりまき
恋愛
※本編完結しました!今後はゆっくりペースで他エピソードを更新予定です。
-原作で隠されてた君が運命の人だった-
家族に溺愛されすぎて社交界から隔離されて育った侯爵令嬢エミリア、読んでいた小説の始まる3年前の世界に入り込んだ”私”が宿ったのは彼女だった。馬車事故で死んでしまう設定の皇女、そんな彼女を想って闇落ちし自害してしまう小説の主人公・公爵子息アルフリード。彼らを救うためエミリアは侯爵家の騎士団の制服をまとい、もぐりこんだ舞踏会で皇女に対面。彼女の女騎士になりたいと直談判することに。しかし、そこでは思わぬトラブルが待ち受けており……なぜかアルフリードに見初められ結婚まで申し込まれてしまう。
原作でも語られていなかったアルフリードの生い立ち、近隣諸国との関係。シスコンの兄など様々な登場人物(動物)や出来事に翻弄されながらも、エミリアは無事に彼らを救うことができるのか?
※第2部までは伏線を散りばめた、ほのぼの系。第3部からシリアス展開も混ぜながら、物語が本格的に動き出す構成になってます。
※第2部、第3部の前にそれまでの登場人物とあらすじをまとめました。
司書ですが、何か?
みつまめ つぼみ
ファンタジー
16歳の小さな司書ヴィルマが、王侯貴族が通う王立魔導学院付属図書館で仲間と一緒に仕事を頑張るお話です。
ほのぼの日常系と思わせつつ、ちょこちょこドラマティックなことも起こります。ロマンスはふんわり。
収容所生まれの転生幼女は、囚人達と楽しく暮らしたい
三園 七詩
ファンタジー
旧題:収容所生まれの転生幼女は囚人達に溺愛されてますので幸せです
無実の罪で幽閉されたメアリーから生まれた子供は不幸な生い立ちにも関わらず囚人達に溺愛されて幸せに過ごしていた…そんなある時ふとした拍子に前世の記憶を思い出す!
無実の罪で不幸な最後を迎えた母の為!優しくしてくれた囚人達の為に自分頑張ります!
離縁された妻ですが、旦那様は本当の力を知らなかったようですね? 魔道具師として自立を目指します!
椿蛍
ファンタジー
【1章】
転生し、目覚めたら、旦那様から離縁されていた。
――そんなことってある?
私が転生したのは、落ちこぼれ魔道具師のサーラ。
彼女は結婚式当日、何者かの罠によって、氷の中に閉じ込められてしまった。
時を止めて眠ること十年。
彼女の魂は消滅し、肉体だけが残っていた。
「どうやって生活していくつもりかな?」
「ご心配なく。手に職を持ち、自立します」
「落ちこぼれの君が手に職? 無理だよ、無理! 現実を見つめたほうがいいよ?」
――後悔するのは、旦那様たちですよ?
【2章】
「もう一度、君を妃に迎えたい」
今まで私が魔道具師として働くのに反対で、散々嫌がらせをしてからの再プロポーズ。
再プロポーズ前にやるのは、信頼関係の再構築、まずは浮気の謝罪からでは……?
――まさか、うまくいくなんて、思ってませんよね?
【3章】
『サーラちゃん、婚約おめでとう!』
私がリアムの婚約者!?
リアムの妃の座を狙う四大公爵家の令嬢が現れ、突然の略奪宣言!
ライバル認定された私。
妃候補ふたたび――十年前と同じような状況になったけれど、犯人はもう一度現れるの?
リアムを貶めるための公爵の罠が、ヴィフレア王国の危機を招いて――
【その他】
※12月25日から3章スタート。初日2話、1日1話更新です。
※イラストは作成者様より、お借りして使用しております。
気づいたら異世界でスライムに!? その上ノーチートって神様ヒドくない?【転生したらまさかのスライム《改題》】
西園寺卓也
ファンタジー
北千住のラノベ大魔王を自称する主人公、矢部裕樹《やべひろき》、28歳。
社畜のように会社で働き、はや四年。気が付いたら異世界でスライムに転生?してました!
大好きなラノベの世界ではスライムは大魔王になったりかわいこちゃんに抱かれてたりダンジョンのボスモンスターになったりとスーパーチートの代名詞!と喜んだのもつかの間、どうやら彼にはまったくチートスキルがなかったらしい。
果たして彼は異世界で生き残る事ができるのか? はたまたチートなスキルを手に入れて幸せなスラ生を手に入れられるのか? 読みまくった大人気ラノベの物語は知識として役に立つのか!?
気づいたら異世界でスライムという苦境の中、矢部裕樹のスラ生が今始まる!
※本作品は「小説家になろう」様にて「転生したらまさかのスライムだった!その上ノーチートって神様ヒドくない?」を改題した上で初期設定やキャラのセリフなどの見直しを行った作品となります。ストーリー内容はほぼ変更のないマルチ投稿の形となります。
逃げるが価値
maruko
恋愛
侯爵家の次女として生まれたが、両親の愛は全て姉に向いていた。
姉に来た最悪の縁談の生贄にされた私は前世を思い出し家出を決行。
逃げる事に価値を見い出した私は無事に逃げ切りたい!
自分の人生のために!
★長編に変更しました★
※作者の妄想の産物です
転売屋(テンバイヤー)は相場スキルで財を成す
エルリア
ファンタジー
【祝!第17回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞!】
転売屋(テンバイヤー)が異世界に飛ばされたらチートスキルを手にしていた!
元の世界では疎まれていても、こっちの世界なら問題なし。
相場スキルを駆使して目指せ夢のマイショップ!
ふとしたことで異世界に飛ばされた中年が、青年となってお金儲けに走ります。
お金は全てを解決する、それはどの世界においても同じ事。
金金金の主人公が、授かった相場スキルで私利私欲の為に稼ぎまくります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる