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第二章 熱き炎よギルロに届け、切なる思い
その126
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黒眼五人衆のメベヘは、俺とパルンガに交互に視線を送って、重圧を与え、動きを封じようとする。
歯のない口を開き、笑っている。俺なんかと戦って、何が楽しい?俺が、お前に何をしたって言うんだ。
戦うのが楽しいか?
人を殺すのが快感なのか?
ただ、それだけで相手を殺すのか?
メベヘの立ち回り方が、明らかに、黒い灯籠で城を中心に円を描く並びの、その外側に俺達を逃がさない様な動きだ。
少し腰を屈めているのは、俺達がどんな動きをしても、瞬間で対応できる様にだろう。
一歩。
また一歩。
俺達に少し回り込む様な動きで、近づいてくる。
俺とパルンガは、後退りながら、メベヘを警戒して。
だけど、相手の術中にはめられているのは間違いない。
俺達の背には、城がある。
黒い灯籠の外側に出たければ、メベヘを抜けて行かないといけない。
うまく立ち回られた。
「ガルルルルルルッ!」
「ゼドケフラー。いい返り血を浴びせてくれそうだな。思いっきり、来るよな?頼むぜ、おい!」
メベヘはまだ、刀を鞘から抜いてはいない。
パルンガは言ってたよな?メベヘの体から死肉の臭いがするって。
体を洗いたくないくらい、他人の血肉を浴びるのが好きなのかも…。
気持ち悪い。
刀を抜いていない今、わずかな可能性に賭けて、メベヘに正面からぶつかって突破するのはどうか?
このままじゃ、やられる。
「ほら、お前の剣は飾りじゃないだろうに。構えた方がいいな。儂の抜刀術は、お前が思う以上に、速いからな…」
「俺達が戦う意味が、何処にあるって言うんだ?」
少しは落ち着け…!
「この街にそんな大きな剣を見せびらかしておいて、何を言っとるんだ?鞘にも納めずに、儂らをいつでも殺せると、畏怖の念を植え込もうとしておるんだろう?大丈夫だ、今すぐに殺してやる。ゼドケフラーの嫌がらせもさすがだがな、同じく肉塊にしてやるから、大丈夫だ」
「ガルルルルルルッ!」
大きな誤解だ。この剣の入れ物でも作ってくれよ。それで解決か?それに、パルンガはゼドケフラーの幼獣だろ?マスコット程度に思ってくれればいいんだ。
ザッ!
ザザッ!
パルンガが地面に吸いつく様な動きで機敏に動きを変えながら、メベヘに向かっていく!
パルンガが攻勢に出た!
メベヘがにやりと笑った。パルンガの動きを見切ってるのか!?
くそっ!
俺も行くしかねえっ!
「2人がかりで倒せると思うのが良いなぁ。だがな、そんなにこの世は、お前達に甘い蜜は吸わせてくれないんだと、自省しろ。そうだ、しろな!?」
シャキッ!
メベヘがついに刀を抜いた!?
そして、そのままの勢いで、パルンガに斬撃を食らわそうとしている。
パルンガは、動きの緩急をつけて、読みずらい動きで突進した。だけど、メベヘの刀の動きとパルンガの動きのタイミングが重なる!?
パルンガの動きは読まれた!
パルンガは、メベヘに左斜めから突進している!
俺は、右斜めから、攻撃しようとしている。
まだ、気は早いぞ、メベヘ!
俺の方に目が一度も向いていないのは、俺が少し怯えていたからか?
パルンガは好戦的だった。
幼獣でもゼドケフラーだ、俺より警戒がいくのは当然なのかも知れない。俺は視野には入れていたのかも知れないけど、ただ、それじゃ、不十分だ。
俺がお前に出すこの一撃は、苦し紛れの攻撃じゃない!
ザッ!
「くらえ、メベヘ!」
久々に見えたこの境界線!
俺はこの一撃で、お前というこの街の歪みの一片を切り崩してやる。
怯まず、やり遂げる!
これが…。
「何…?」
快楽殺人者への情け!
心臓のみを捕える一撃だ。
一瞬で終わらせてやる!
さぁ、お前が今まで無闇に殺した人達に、あの世で謝って来い!!
「ここだぁッ!」
ヒュオッ!
「次元斬!!!!!」
歯のない口を開き、笑っている。俺なんかと戦って、何が楽しい?俺が、お前に何をしたって言うんだ。
戦うのが楽しいか?
人を殺すのが快感なのか?
ただ、それだけで相手を殺すのか?
メベヘの立ち回り方が、明らかに、黒い灯籠で城を中心に円を描く並びの、その外側に俺達を逃がさない様な動きだ。
少し腰を屈めているのは、俺達がどんな動きをしても、瞬間で対応できる様にだろう。
一歩。
また一歩。
俺達に少し回り込む様な動きで、近づいてくる。
俺とパルンガは、後退りながら、メベヘを警戒して。
だけど、相手の術中にはめられているのは間違いない。
俺達の背には、城がある。
黒い灯籠の外側に出たければ、メベヘを抜けて行かないといけない。
うまく立ち回られた。
「ガルルルルルルッ!」
「ゼドケフラー。いい返り血を浴びせてくれそうだな。思いっきり、来るよな?頼むぜ、おい!」
メベヘはまだ、刀を鞘から抜いてはいない。
パルンガは言ってたよな?メベヘの体から死肉の臭いがするって。
体を洗いたくないくらい、他人の血肉を浴びるのが好きなのかも…。
気持ち悪い。
刀を抜いていない今、わずかな可能性に賭けて、メベヘに正面からぶつかって突破するのはどうか?
このままじゃ、やられる。
「ほら、お前の剣は飾りじゃないだろうに。構えた方がいいな。儂の抜刀術は、お前が思う以上に、速いからな…」
「俺達が戦う意味が、何処にあるって言うんだ?」
少しは落ち着け…!
「この街にそんな大きな剣を見せびらかしておいて、何を言っとるんだ?鞘にも納めずに、儂らをいつでも殺せると、畏怖の念を植え込もうとしておるんだろう?大丈夫だ、今すぐに殺してやる。ゼドケフラーの嫌がらせもさすがだがな、同じく肉塊にしてやるから、大丈夫だ」
「ガルルルルルルッ!」
大きな誤解だ。この剣の入れ物でも作ってくれよ。それで解決か?それに、パルンガはゼドケフラーの幼獣だろ?マスコット程度に思ってくれればいいんだ。
ザッ!
ザザッ!
パルンガが地面に吸いつく様な動きで機敏に動きを変えながら、メベヘに向かっていく!
パルンガが攻勢に出た!
メベヘがにやりと笑った。パルンガの動きを見切ってるのか!?
くそっ!
俺も行くしかねえっ!
「2人がかりで倒せると思うのが良いなぁ。だがな、そんなにこの世は、お前達に甘い蜜は吸わせてくれないんだと、自省しろ。そうだ、しろな!?」
シャキッ!
メベヘがついに刀を抜いた!?
そして、そのままの勢いで、パルンガに斬撃を食らわそうとしている。
パルンガは、動きの緩急をつけて、読みずらい動きで突進した。だけど、メベヘの刀の動きとパルンガの動きのタイミングが重なる!?
パルンガの動きは読まれた!
パルンガは、メベヘに左斜めから突進している!
俺は、右斜めから、攻撃しようとしている。
まだ、気は早いぞ、メベヘ!
俺の方に目が一度も向いていないのは、俺が少し怯えていたからか?
パルンガは好戦的だった。
幼獣でもゼドケフラーだ、俺より警戒がいくのは当然なのかも知れない。俺は視野には入れていたのかも知れないけど、ただ、それじゃ、不十分だ。
俺がお前に出すこの一撃は、苦し紛れの攻撃じゃない!
ザッ!
「くらえ、メベヘ!」
久々に見えたこの境界線!
俺はこの一撃で、お前というこの街の歪みの一片を切り崩してやる。
怯まず、やり遂げる!
これが…。
「何…?」
快楽殺人者への情け!
心臓のみを捕える一撃だ。
一瞬で終わらせてやる!
さぁ、お前が今まで無闇に殺した人達に、あの世で謝って来い!!
「ここだぁッ!」
ヒュオッ!
「次元斬!!!!!」
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