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第二章 熱き炎よギルロに届け、切なる思い

その65

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『超音波みたいなのが、たくさんいたど。オデを見て、襲いかかってきたど』








超音波って事は、高速這い這いの事だな。額に目がある赤ちゃんもどきの化け物。その仲間達って事か?集団でこの森に来てたのか、それとも、この森の中に、そいつらの隠れ家みたいなものがあるって事か?





別に隠れてないかも知れないけど。






パルンガ、大丈夫かな?あいつ、弱虫だから。あいつも十分、化け物じみてるんだけど、何だか、見捨てておけない。




俺とは同じ弱虫同士、って事か?





まぁ、そんなとこだろうな。






多分、いざとなったら、俺なんかより強いだろ、あいつ。







成獣したらカッコいいとか、自分で言ってたよな。もし、本当にカッコよかったら、あいつ調子に乗るだろうな。





しかし、この辺りに三つ目の人種がいたとして、パルンガを追う理由は何だろうな…。またあいつが、ガオ!とか言って、相手を威嚇でもしたかな?でも、ベルダイザーじゃないって事は、三つ目の赤ちゃんもどきの時に薄々気づいていたみたいだったから、また同じ事するのかな。







あいつ、頭悪そうだから、やってもおかしくはないな。











ピロリン!










噂してたら、早速きたな。メッセージ送れるくらいだから、逃げ切ったんだろうな。









どれ…?









『鳥頭の二本足ムキムキが、一度にたくさんの超音波みたいなのを、倒してたど。オデを見る目も恐かったから、そこから離れたど』











鳥頭の二本足ムキムキ?体つきが良さそうな感じだな。三つ目の奴も、そしてパルンガも狙われるって事は、無差別な殺害行動と、いう事か。






静かな森の様な気がしたけど、意外とこの辺りはヤバいのかな?







少なくとも、パルンガは助かったみたいだな。






俺も、この森から脱出しないと、そいつに標的にされても困る。








でも、森から抜けて、開けた草原にでも出たら、遠くからでも俺の姿は見えるだろうし、誰かしらに標的にされやすくなるんじゃないのか?






大した理由がなくても、相手をはめて殺そうとするのがこの世界の奴らのやり方だ。理由なんか無用なんだ。








もっと、強くなりてぇな…。








そうしたら、少しでも生き延びられる…。






もしかして、もっと、もっと強くなったら、《冬枯れの牙》にも苦戦しなくなって、そうしたら、夢魔操エイジアも手に入れて、そこに採取した魔力を詰め込んで、地球に帰れる様になるかも知れない…。





ギルロの体と魂を探すよりは、そっちの方が望みがあるのかも。








まぁ、そこまで強くなったらの話だ。《冬枯れの牙》ラグリェを退けたもう1人の俺でさえ、夢魔操を持ってる奴に殺されたんだろ?






そこまで強くなれるもんなのか?








俺が、もう1人の俺を超える事なんて、結構難しいよな…。







そう言えば…。






俺が、天使ラグザエフを殺しに行った、とか、《冬枯れの牙》ラグリェが言ってたな。もう1人の俺は、天使にやられたか?







何で天使を?でも、俺のイメージする天使じゃない可能性もある。悪魔の様な、天使…か。









ややこしいな。







…!









何かまた、声がしたぞ?










今度は悲鳴じゃないな。動物…?高い声の鳴き声か?







同じ場所に留まるのも良くないな。何処から俺を見ている奴がいるかもわからない。少しずつ、動いていた方が良さそうだな。






これから、何処に行こうかな。








そうだな…。








何処かで食料調達の手段を見つけたら、後は自分で戦うための稽古でもしてみようかな。









このままだと、誰かにやられるのを待ってるみたいでやだしな。



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