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第二章 熱き炎よギルロに届け、切なる思い
その57
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「くんくん、オデの進化…。こいつだな?多分、こいつだな?」
鼻をヒクヒクさせて、独り言を言ってるな。進化?あの二足歩行のブタウサギが、食べようとしてるのは…。
やっぱり、赤ちゃん!?
四つん這いで歩いて、あのブタウサギに気づくと、ハイトーンの無邪気な笑い声を上げて、見つめている。
「超音波、超音波…。これは攻撃か?大丈夫だな?こいつだろ?多分、こいつだな」
あのブタウサギ、頭悪いんだろうな。意味不明な言葉を出している。でも、少しあの赤ちゃんを警戒している様な気がする。
何か、不思議な感じがする。こんな森の中で、赤ちゃんが1人で歩くものかな…。近くに親がいる様な気もしないし、あの赤ちゃんも警戒するべきなのかな。
とんでもない化け物だったりして。
「んん…、がぁぁ!んん…がっ!」
あのブタウサギ、口を大きく開けて相手を威嚇してるのか?口を開けると、意外と犬歯が発達してる…。本気で噛み付くと、骨まで噛み砕きそうだ。
だけどブタウサギ、やっぱり少し、警戒してるのか、怯えてるのか、様子がおかしいな。必要以上に自分を大きく見せようとしてる気がする。白いフサフサの両手を頭上に上げて、左に、右に、体を動かして…。
アホだな…。
でも、あのまま、あの赤ちゃんが食べられるのを見ていたくはない…。
でも、あのブタウサギの前に出て行くのも、恐いな…。
…守って、何になるって言うんだ。
目をつぶっていれば、いいさ。
赤ちゃんが成長して、この世界の偽善の皮を被った悪魔みたいな奴らになっていくんだ。
だったら、あのブタウサギが赤ちゃんを食べるのを、止めるべきじゃない…。
そうだろ?
この世界を浄化する意味でも、いい事かも知れないし…。
「キャハッ…!」
赤ちゃんの笑い声は、俺の知っている赤ちゃんの笑い声だ。そうだ、きっと地球の赤ちゃんも、あの様に無邪気に笑って。
俺の赤ちゃんの頃なんて、覚えてる訳がないけど、幼稚園に通ってた頃は、親の気を引こうとしてわめいたり、素っ気ない態度を取られて、泣いてみたり、情けないよな。でも、その俺の姿を見て、母さんは眉をひそめながら微笑んで、優しくしてくれた。そんな時、俺も無邪気に笑ってた様な気がする。
…。
…あの赤ちゃん、親はいないのかな?
こんな森の中で、親とはぐれた?それとも、森の中で、あのブタウサギみたいな獣に襲われて、親は死んでるのか?
「ガァオ!…ガオ」
ダメだ…。剣の握りを強く掴めば掴むほど、手が震えてくる。俺の体が、気持ちが、もう戦いたくないって、言ってんだよ…。
俺は、弱虫だよ。この世界だけの事じゃない。きっと、日本に戻っても、ずっと弱虫のままなんだよ。
何も変わらねぇ。
俺は、高校を卒業できたとしても、落ちこぼれて、きっとダメ人間確定だったんだ。
くそ…。
「キャハハッ!」
…。
ザクッ!
ふぅ。
わかったよ、わかった…。
大剣はこの木の影に隠していこう…。
やっぱり、このまま見過ごす訳には、いかないよな。
下に落ちてる石を、あのブタウサギにぶち当ててやる。俺は、狙ったものに石を当てるのは、小さい頃から得意なんだよ。
カチャ、カチャ…。
木の影から影に移りながら、ブタウサギとの距離をもう少し縮めてからだな。
鼻をヒクヒクさせて、独り言を言ってるな。進化?あの二足歩行のブタウサギが、食べようとしてるのは…。
やっぱり、赤ちゃん!?
四つん這いで歩いて、あのブタウサギに気づくと、ハイトーンの無邪気な笑い声を上げて、見つめている。
「超音波、超音波…。これは攻撃か?大丈夫だな?こいつだろ?多分、こいつだな」
あのブタウサギ、頭悪いんだろうな。意味不明な言葉を出している。でも、少しあの赤ちゃんを警戒している様な気がする。
何か、不思議な感じがする。こんな森の中で、赤ちゃんが1人で歩くものかな…。近くに親がいる様な気もしないし、あの赤ちゃんも警戒するべきなのかな。
とんでもない化け物だったりして。
「んん…、がぁぁ!んん…がっ!」
あのブタウサギ、口を大きく開けて相手を威嚇してるのか?口を開けると、意外と犬歯が発達してる…。本気で噛み付くと、骨まで噛み砕きそうだ。
だけどブタウサギ、やっぱり少し、警戒してるのか、怯えてるのか、様子がおかしいな。必要以上に自分を大きく見せようとしてる気がする。白いフサフサの両手を頭上に上げて、左に、右に、体を動かして…。
アホだな…。
でも、あのまま、あの赤ちゃんが食べられるのを見ていたくはない…。
でも、あのブタウサギの前に出て行くのも、恐いな…。
…守って、何になるって言うんだ。
目をつぶっていれば、いいさ。
赤ちゃんが成長して、この世界の偽善の皮を被った悪魔みたいな奴らになっていくんだ。
だったら、あのブタウサギが赤ちゃんを食べるのを、止めるべきじゃない…。
そうだろ?
この世界を浄化する意味でも、いい事かも知れないし…。
「キャハッ…!」
赤ちゃんの笑い声は、俺の知っている赤ちゃんの笑い声だ。そうだ、きっと地球の赤ちゃんも、あの様に無邪気に笑って。
俺の赤ちゃんの頃なんて、覚えてる訳がないけど、幼稚園に通ってた頃は、親の気を引こうとしてわめいたり、素っ気ない態度を取られて、泣いてみたり、情けないよな。でも、その俺の姿を見て、母さんは眉をひそめながら微笑んで、優しくしてくれた。そんな時、俺も無邪気に笑ってた様な気がする。
…。
…あの赤ちゃん、親はいないのかな?
こんな森の中で、親とはぐれた?それとも、森の中で、あのブタウサギみたいな獣に襲われて、親は死んでるのか?
「ガァオ!…ガオ」
ダメだ…。剣の握りを強く掴めば掴むほど、手が震えてくる。俺の体が、気持ちが、もう戦いたくないって、言ってんだよ…。
俺は、弱虫だよ。この世界だけの事じゃない。きっと、日本に戻っても、ずっと弱虫のままなんだよ。
何も変わらねぇ。
俺は、高校を卒業できたとしても、落ちこぼれて、きっとダメ人間確定だったんだ。
くそ…。
「キャハハッ!」
…。
ザクッ!
ふぅ。
わかったよ、わかった…。
大剣はこの木の影に隠していこう…。
やっぱり、このまま見過ごす訳には、いかないよな。
下に落ちてる石を、あのブタウサギにぶち当ててやる。俺は、狙ったものに石を当てるのは、小さい頃から得意なんだよ。
カチャ、カチャ…。
木の影から影に移りながら、ブタウサギとの距離をもう少し縮めてからだな。
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