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第二章 熱き炎よギルロに届け、切なる思い
その52
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目蓋が重い…。
目の前がまだ真っ暗闇だ。
それでも、自分の呼吸の音が聞こえる。心臓の鼓動の音もだ。体中の至る所から鈍い痛みも、鼓動に合わせて小さくなったり、大きくなったり。
俺はまだ生きているんだと、実感できる。
まだ生きている、これはうれしい事なのか?
うれしいか…?
体が温かいな…。温泉にでも浸かっているみたいだ。このお湯に触れられる事で、自分の傷口が何処なのかわかる気がする。傷口がしみる訳じゃなくて、何かくすぐったい。まるで傷口を舐めて、治そうとしているかの様に。何だか、気持ちいいな…。
そう言えば、あのラグリェに出会す前に、温泉があったな…。
あそこで、女の声がした。
答えを出さなければいけないだって、言ってたな。
正直に話して、そして、それが判断されるとか言っていたよな?
ラグリェの居場所まで誘導したんだよな?
優しげな声で油断させて、俺を殺させようとした…?
ボーグン族と同じ、優しげな顔の裏に隠れた、悪魔の素顔…。
何処の世界でも、悪者が支配する世の中。
気分の悪い話だ。この世界でこれまでどれだけの不快な奴らに出くわした?誰も信じられない…。俺の日本での日常の生活でも、確かに嫌な事もあったけど、この世界の奴らに絶望した感覚が、日本での日常も、引っ張られる様に絶望感を感じ始める…。
俺には、友達がいた。
家族がいた。
先生もいた。
でも、古池みたいに、戻らない友達。一度去れば、もう一度仲直りして絆を取り戻す事なんて、俺にはできなかった。
本当は、古池は、俺の事が嫌いだったのかな。俺、鈍いから。意地っ張りだしな。同級生になって、しかも同じクラスだから、仕方なく俺に合わせていた?
はは…。
きっとそうだ。
俺は満足に役割を果たせなかった。だから、友達も、そして家族も…。
父さんは出ていった…。
嫌なら、思い通りにならないなら、その絆を捨てられる。家族って、捨てられるものなんだな。辞めたいと思えば、辞められるものなんだな…。勝手だよ、そんなもの。父さんと母さんは、俺を生んでるのに。俺は、生まれたのに…。
家族はなかった事にするのか?俺も、いなかった事にでもするつもり…?
俺は、生まれたんだ…。
生まれてきたのに…。
道を示すはずの先生は、偏見でものを見て、権力で圧力を加え、判断を誤って、本当は傷つかなくてもいい奴が、傷つく。
桜井って奴は教職を捨てるべきだ。いじめをしていた女が、バレるのを恐れて、泣いてごまかそうとしてたのに、それを見抜けず、嘘の涙を信じた。いじめをする奴を守って、やられている側に気づかず、そして、いじめ行為を目にして注意をした俺を責めた…。
よくも、殴ったな。
お前の拳は、ただの凶器。何も変えられない、何も教えられない拳だ。
ただ、金のために先生になったのか?まさか、生徒を嫁にするためにでもなったのかよ?ゴミ野郎が。
かんたんに、先生になろうなんて思うんじゃねぇよ。生徒のこっちが迷惑なんだよ…。
地球も、意外とうまくいかない…。
俺、何処でも、うまくやれないのかもな…。
ハハハ…。
この世界はもっと、難しい…。
そうだよな、この世界ほどじゃ、ないよな。
少なくとも、何度も命が狙われる様な事はないよな。
命…か。
はぁ…。
今は、何も考えたくないな。
目蓋が開いた時に、俺は何を思うんだろう。今は、目蓋が光を遮る様に、俺の心の思いも、まだ外に飛び出していかず、箱の中で思いをくすぶらせている様な感じがする。
俺は、まだ生きていけるのか?
その時に、俺はどう思う?
もう、予想はついているんだ。
だけど…。
俺は、どうするんだろうな…。
目の前がまだ真っ暗闇だ。
それでも、自分の呼吸の音が聞こえる。心臓の鼓動の音もだ。体中の至る所から鈍い痛みも、鼓動に合わせて小さくなったり、大きくなったり。
俺はまだ生きているんだと、実感できる。
まだ生きている、これはうれしい事なのか?
うれしいか…?
体が温かいな…。温泉にでも浸かっているみたいだ。このお湯に触れられる事で、自分の傷口が何処なのかわかる気がする。傷口がしみる訳じゃなくて、何かくすぐったい。まるで傷口を舐めて、治そうとしているかの様に。何だか、気持ちいいな…。
そう言えば、あのラグリェに出会す前に、温泉があったな…。
あそこで、女の声がした。
答えを出さなければいけないだって、言ってたな。
正直に話して、そして、それが判断されるとか言っていたよな?
ラグリェの居場所まで誘導したんだよな?
優しげな声で油断させて、俺を殺させようとした…?
ボーグン族と同じ、優しげな顔の裏に隠れた、悪魔の素顔…。
何処の世界でも、悪者が支配する世の中。
気分の悪い話だ。この世界でこれまでどれだけの不快な奴らに出くわした?誰も信じられない…。俺の日本での日常の生活でも、確かに嫌な事もあったけど、この世界の奴らに絶望した感覚が、日本での日常も、引っ張られる様に絶望感を感じ始める…。
俺には、友達がいた。
家族がいた。
先生もいた。
でも、古池みたいに、戻らない友達。一度去れば、もう一度仲直りして絆を取り戻す事なんて、俺にはできなかった。
本当は、古池は、俺の事が嫌いだったのかな。俺、鈍いから。意地っ張りだしな。同級生になって、しかも同じクラスだから、仕方なく俺に合わせていた?
はは…。
きっとそうだ。
俺は満足に役割を果たせなかった。だから、友達も、そして家族も…。
父さんは出ていった…。
嫌なら、思い通りにならないなら、その絆を捨てられる。家族って、捨てられるものなんだな。辞めたいと思えば、辞められるものなんだな…。勝手だよ、そんなもの。父さんと母さんは、俺を生んでるのに。俺は、生まれたのに…。
家族はなかった事にするのか?俺も、いなかった事にでもするつもり…?
俺は、生まれたんだ…。
生まれてきたのに…。
道を示すはずの先生は、偏見でものを見て、権力で圧力を加え、判断を誤って、本当は傷つかなくてもいい奴が、傷つく。
桜井って奴は教職を捨てるべきだ。いじめをしていた女が、バレるのを恐れて、泣いてごまかそうとしてたのに、それを見抜けず、嘘の涙を信じた。いじめをする奴を守って、やられている側に気づかず、そして、いじめ行為を目にして注意をした俺を責めた…。
よくも、殴ったな。
お前の拳は、ただの凶器。何も変えられない、何も教えられない拳だ。
ただ、金のために先生になったのか?まさか、生徒を嫁にするためにでもなったのかよ?ゴミ野郎が。
かんたんに、先生になろうなんて思うんじゃねぇよ。生徒のこっちが迷惑なんだよ…。
地球も、意外とうまくいかない…。
俺、何処でも、うまくやれないのかもな…。
ハハハ…。
この世界はもっと、難しい…。
そうだよな、この世界ほどじゃ、ないよな。
少なくとも、何度も命が狙われる様な事はないよな。
命…か。
はぁ…。
今は、何も考えたくないな。
目蓋が開いた時に、俺は何を思うんだろう。今は、目蓋が光を遮る様に、俺の心の思いも、まだ外に飛び出していかず、箱の中で思いをくすぶらせている様な感じがする。
俺は、まだ生きていけるのか?
その時に、俺はどう思う?
もう、予想はついているんだ。
だけど…。
俺は、どうするんだろうな…。
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