97 / 399
第二章 熱き炎よギルロに届け、切なる思い
その32
しおりを挟む
「…ただ、この森に迷い込んでしまった、それとも、この森を目指して来たと、思っているのでしょう?」
「え…?だ、誰だ?」
何言ってんだ?適当言えば当たると思って、何か言ってきてるな。俺の興味を引いたところで、何もあげるものなんて、ないぞ。
しかし、何処で俺に声かけてんだ?見回しても、それらしい奴なんて、何処にもいないぞ?
「貴方は答えを出さなければならないのね。悲しいけれど、仕方がない事なのよ…」
「何が…。答えだって?」
何か問題でも出されるのか?算数なら、何とかいけるかも知れないな。国語も、多分、日本人だし、いけるだろ?日本史はダメだ。源何とかとか、たくさん続いた様な奴らは、ほとんど覚えてねぇからな。
悲しい…って言ったか?
憐れんでくれるなんて、優しいな。
そうだよ、俺はこの世界で一番、かわいそうなんだよ。ギルロの体と魂探してほしいとかで、飲んでたオレンジジュースに殺人微生物入れられて、俺は殺されて、転生させられて、こんな暑っ苦しい鎧着せられて、無理矢理、旅に出させるんだもんな!選ぶんなら、もっとスピリチュアルに長けた奴でも選べってんだよ!俺はハズレなんだよ、ハズレ!!
「この道沿いに、さらに進んでいくと、やがて道を挟む様に岩が2つ、置かれているわ。それを通り過ぎたら、また同じ様に、2つの岩があるのよ」
その岩に、迷子にならない様に、何か刻めとでもいう事か?だったら、さっきから、ブサイクシュティールって、書き続けているから、安心しろよ。
「その岩を通り過ぎて、また次の岩に辿り着いたら、左側を見て。そうしたら、きっとお話ができるわ」
「え?誰と…話ができるんだ?」
「…貴方の思っている事を伝えるといいわ。それから、決断されると思うの」
ふぅん…。思ってる事…ねぇ。それはスッキリするだろうな。その話し相手が、非常に物わかりがよければいいけどな。
あ!わかった。
そいつが、湧き水の欠片をくれる、フレージアなんだろ?
そこで、湧き水の欠片をくれって、言えばいいだけなんだな。ははは…。簡単な事だったな。何か、あの切り株街にすぐ戻れる様な気がしてきたぞ。湧き水の欠片を持ち帰って、カフクマに、さらに感謝されて、また何か作ってくれんのかな?じゃあ、久々にPCゲームでもやりたいから、それを作ってもらおうか!いや、もらおうか、だな!
「…また、ここまで戻ってきたなら、その時は、今度は私が、貴方にお話があります。まずは、この道の先にいる住人と、お話をしてみてね」
「ああ!そうさせてもらうよ」
しかし、何処から話しかけてんだ?やっぱり、近くから話し声が聞こえるんだよな。まさか、この温泉の中の女の像が話しかけてる訳でもないだろうしな。
この道の続きを歩くとするか。
…。
あの女の声を聞くと、安らぎを感じて、つい信じてしまいたくなるけど。
罠だったりして。
気のせい?
しかし、姿が見えなかったな。
よく考えると、実に不気味だ。
かと言って、他に誰かが俺にヒントをくれる訳もないしな。
ん?
フレージアの居場所を聞けばよかったかな?この先にいるのがフレージアじゃなければ、いく必要もないだろうしな。
戻る…か。
…。
姿は見えないけど、この温泉に向かって話しかけるか。
「あのー。もしもーし!」
「…」
「聞きたい事があるんだけどさ、いいかな?」
「…?」
チッ!何処行きやがった…?くそ…。まぁ、あんまりあてにしても仕方がないか。
…。
待っても、ムダか。
とりあえず、進むかな。行けば、誰かいそうだし、そいつがフレージアじゃなければ、そいつにフレージアの居場所を聞けばいいだけだからな。
わずかに上り坂になってんのかな。少し、歩きづらいか?まぁ、このくらいなら、いいや。
…。
…。
あ、岩が2つ見えてきたぞ。
あれか。
…。
これだよな、あの女の声が言ってた岩2つって。
何も不思議な事はない、ただの岩だな。俺の身長くらいの高さがある岩だ。
ブサイクシュティール、と。
よし、刻んでおいたぞ。
…。
バサバサ…。
うっ!?
何か嫌な音がしたな。
ただの鳥か?羽ばたく音がしなかったか?
鳥にしては、羽ばたく音が大きかった様な。
大きな鳥でも通ったかな?
そう思いたいけど。
くそ…。嫌な予感がしてきやがる。
気のせい、気のせい。
少しだけ、早歩きしようかな。
ほっ、ほっ!
ほっ、ほっ!
はぁ…、はぁ…。
普通に歩くか。
ふぅ…。
あ、次の岩2つが見えてきたぞ。
…。
これもまた、何の不思議もない、ただの岩だよな。
…。
次の岩の場所を、左に向いて、話をしろとか言ってたかな?
…。
バサバサッ…!
くっ…。
カフクマ、お前は俺の事、恩人だと思ってるんだよな?
俺は、矢倉郁人、わかってんだろうな。恩を仇で返すなよ?もう1人の俺も、俺自身も、元は同じ。裏切ったりは、するんじゃないぞ?
フグイッシュも、俺が東の方に行って、フレージアから湧き水の欠片をもらいに行ってほしいと言われてた時、止めはしなかったよな?
フグイッシュ、お前は優しい女だよな?
裏切ったり、陥れたり、しないよな?
フグイッシュ…!
…。
ほら、あったぞ?
岩2つだ。
少しの上り坂ぎが、平坦な道に変わっていくぞ。
歩きやすくなってきたかな。
岩2つの左…。
左に、黒塗りの柵があるな。
隙間がないから、中がよく見えないぞ。
ドクン…。
ドクン…。
ドクン…。
誰だ?誰がいる?
答えを出さなければならない?
思ってる事を言って、何を決断されるって?
あの温泉女の声、何を言いたかったんだ?
俺は…。
俺は、何を…。
岩だ。
岩…2つ…。
この左側に、何が。
何が…あ…
あ…。
あ?
う…。
うう…。
ウソ…
ウソだ…。
ううう…。
「ウソ…だ」
ううう………。
「想定したよりも早い運命の再会となった様だな。そうだろう?ククク…」
「な、何でだ?どうして…?」
「ボーグン族はお前に疑念を抱き、そして我々に審判を託したのだよ、矢倉郁人…」
そんな!?
ううう…。
何でだよ…!?
どうして!?
「お前が本物の矢倉郁人だとしたら、答えを出すのは簡単だろう?」
「何…?」
「以前、私を退けたお前だ。その腕を披露し、再び私を退けたなら、お前を本物の矢倉郁人だと認め、それをボーグン族に伝えてやってもいい」
「お、俺はッ!矢倉郁人だ!」
「ククク…。いいぞ」
「この細身剣のガルトデフブリンガーが奏でる惨殺剣術コルト・カラングラシェ、お前なら、いとも簡単に躱し、反撃する事もできよう…」
「ククク…」
「ククク…!」
うう…。最悪の相手だ。どうして…!?
「ククク…。カァッ!カァッ!この《冬枯れの牙》ラグリェに、証明して見せろ!今度こそ、真の力をだ!」
「矢倉…郁人オォォ!!」
「え…?だ、誰だ?」
何言ってんだ?適当言えば当たると思って、何か言ってきてるな。俺の興味を引いたところで、何もあげるものなんて、ないぞ。
しかし、何処で俺に声かけてんだ?見回しても、それらしい奴なんて、何処にもいないぞ?
「貴方は答えを出さなければならないのね。悲しいけれど、仕方がない事なのよ…」
「何が…。答えだって?」
何か問題でも出されるのか?算数なら、何とかいけるかも知れないな。国語も、多分、日本人だし、いけるだろ?日本史はダメだ。源何とかとか、たくさん続いた様な奴らは、ほとんど覚えてねぇからな。
悲しい…って言ったか?
憐れんでくれるなんて、優しいな。
そうだよ、俺はこの世界で一番、かわいそうなんだよ。ギルロの体と魂探してほしいとかで、飲んでたオレンジジュースに殺人微生物入れられて、俺は殺されて、転生させられて、こんな暑っ苦しい鎧着せられて、無理矢理、旅に出させるんだもんな!選ぶんなら、もっとスピリチュアルに長けた奴でも選べってんだよ!俺はハズレなんだよ、ハズレ!!
「この道沿いに、さらに進んでいくと、やがて道を挟む様に岩が2つ、置かれているわ。それを通り過ぎたら、また同じ様に、2つの岩があるのよ」
その岩に、迷子にならない様に、何か刻めとでもいう事か?だったら、さっきから、ブサイクシュティールって、書き続けているから、安心しろよ。
「その岩を通り過ぎて、また次の岩に辿り着いたら、左側を見て。そうしたら、きっとお話ができるわ」
「え?誰と…話ができるんだ?」
「…貴方の思っている事を伝えるといいわ。それから、決断されると思うの」
ふぅん…。思ってる事…ねぇ。それはスッキリするだろうな。その話し相手が、非常に物わかりがよければいいけどな。
あ!わかった。
そいつが、湧き水の欠片をくれる、フレージアなんだろ?
そこで、湧き水の欠片をくれって、言えばいいだけなんだな。ははは…。簡単な事だったな。何か、あの切り株街にすぐ戻れる様な気がしてきたぞ。湧き水の欠片を持ち帰って、カフクマに、さらに感謝されて、また何か作ってくれんのかな?じゃあ、久々にPCゲームでもやりたいから、それを作ってもらおうか!いや、もらおうか、だな!
「…また、ここまで戻ってきたなら、その時は、今度は私が、貴方にお話があります。まずは、この道の先にいる住人と、お話をしてみてね」
「ああ!そうさせてもらうよ」
しかし、何処から話しかけてんだ?やっぱり、近くから話し声が聞こえるんだよな。まさか、この温泉の中の女の像が話しかけてる訳でもないだろうしな。
この道の続きを歩くとするか。
…。
あの女の声を聞くと、安らぎを感じて、つい信じてしまいたくなるけど。
罠だったりして。
気のせい?
しかし、姿が見えなかったな。
よく考えると、実に不気味だ。
かと言って、他に誰かが俺にヒントをくれる訳もないしな。
ん?
フレージアの居場所を聞けばよかったかな?この先にいるのがフレージアじゃなければ、いく必要もないだろうしな。
戻る…か。
…。
姿は見えないけど、この温泉に向かって話しかけるか。
「あのー。もしもーし!」
「…」
「聞きたい事があるんだけどさ、いいかな?」
「…?」
チッ!何処行きやがった…?くそ…。まぁ、あんまりあてにしても仕方がないか。
…。
待っても、ムダか。
とりあえず、進むかな。行けば、誰かいそうだし、そいつがフレージアじゃなければ、そいつにフレージアの居場所を聞けばいいだけだからな。
わずかに上り坂になってんのかな。少し、歩きづらいか?まぁ、このくらいなら、いいや。
…。
…。
あ、岩が2つ見えてきたぞ。
あれか。
…。
これだよな、あの女の声が言ってた岩2つって。
何も不思議な事はない、ただの岩だな。俺の身長くらいの高さがある岩だ。
ブサイクシュティール、と。
よし、刻んでおいたぞ。
…。
バサバサ…。
うっ!?
何か嫌な音がしたな。
ただの鳥か?羽ばたく音がしなかったか?
鳥にしては、羽ばたく音が大きかった様な。
大きな鳥でも通ったかな?
そう思いたいけど。
くそ…。嫌な予感がしてきやがる。
気のせい、気のせい。
少しだけ、早歩きしようかな。
ほっ、ほっ!
ほっ、ほっ!
はぁ…、はぁ…。
普通に歩くか。
ふぅ…。
あ、次の岩2つが見えてきたぞ。
…。
これもまた、何の不思議もない、ただの岩だよな。
…。
次の岩の場所を、左に向いて、話をしろとか言ってたかな?
…。
バサバサッ…!
くっ…。
カフクマ、お前は俺の事、恩人だと思ってるんだよな?
俺は、矢倉郁人、わかってんだろうな。恩を仇で返すなよ?もう1人の俺も、俺自身も、元は同じ。裏切ったりは、するんじゃないぞ?
フグイッシュも、俺が東の方に行って、フレージアから湧き水の欠片をもらいに行ってほしいと言われてた時、止めはしなかったよな?
フグイッシュ、お前は優しい女だよな?
裏切ったり、陥れたり、しないよな?
フグイッシュ…!
…。
ほら、あったぞ?
岩2つだ。
少しの上り坂ぎが、平坦な道に変わっていくぞ。
歩きやすくなってきたかな。
岩2つの左…。
左に、黒塗りの柵があるな。
隙間がないから、中がよく見えないぞ。
ドクン…。
ドクン…。
ドクン…。
誰だ?誰がいる?
答えを出さなければならない?
思ってる事を言って、何を決断されるって?
あの温泉女の声、何を言いたかったんだ?
俺は…。
俺は、何を…。
岩だ。
岩…2つ…。
この左側に、何が。
何が…あ…
あ…。
あ?
う…。
うう…。
ウソ…
ウソだ…。
ううう…。
「ウソ…だ」
ううう………。
「想定したよりも早い運命の再会となった様だな。そうだろう?ククク…」
「な、何でだ?どうして…?」
「ボーグン族はお前に疑念を抱き、そして我々に審判を託したのだよ、矢倉郁人…」
そんな!?
ううう…。
何でだよ…!?
どうして!?
「お前が本物の矢倉郁人だとしたら、答えを出すのは簡単だろう?」
「何…?」
「以前、私を退けたお前だ。その腕を披露し、再び私を退けたなら、お前を本物の矢倉郁人だと認め、それをボーグン族に伝えてやってもいい」
「お、俺はッ!矢倉郁人だ!」
「ククク…。いいぞ」
「この細身剣のガルトデフブリンガーが奏でる惨殺剣術コルト・カラングラシェ、お前なら、いとも簡単に躱し、反撃する事もできよう…」
「ククク…」
「ククク…!」
うう…。最悪の相手だ。どうして…!?
「ククク…。カァッ!カァッ!この《冬枯れの牙》ラグリェに、証明して見せろ!今度こそ、真の力をだ!」
「矢倉…郁人オォォ!!」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
26
1 / 3
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる