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第二章 熱き炎よギルロに届け、切なる思い
その16
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強化戦士が速度を上げて突進しながら、左腕から仕込み剣を出してきた。
いいぜ、勝負…してやるよ。
俺は、突っ込んでくる強化戦士目掛けて、大剣を水平に思いっきり振った。
大剣の重さに体が振られていない!
いけるぞ。
大剣を振る速さは最速って訳じゃないけど、無警戒でまともに突っ込んでくる強化戦士に遅れず、そのまま大剣を叩きつけられるタイミングだ。
ガキィィン!
金属音が響く。
強化戦士は、俺の大剣を首から左頬にかけて、まともに食らった。
大剣を振り抜いても、体が振られて、バランスを崩したりはしていない。大剣の重さを相手にぶつけ、バランスを崩したのは、強化戦士の方だ。
はぁ…っ。
でも、俺の体の芯が重く感じる。何か、疲れるな。
強化戦士の突っ込んだ速さに合わせて重い大剣を振り、ぶつけた衝撃なんかが俺の体にきてんだろうな。
はぁっ。
はぁ…。
強化戦士は体をのけ反らせ、何かの信号音を鳴らした。まるで体が正常かどうかを確認してるみたいに。
首を左右に傾げて、信号音を長く鳴らして、音が止んだ。
ふんっ…。
無事でした、って言いたいのか?
面倒臭いな。
強化戦士は、腕から仕込み剣を出し入れして、俺を見てきた。
威嚇してんのか?
無駄死にはしたくないからな。
少し、壊れてもらうぞ。
あ、また真正面から突っ込んできたな。そんなに強度に自信がなさそうなのに、正直者な機械だな、お前。そういう行動しか、入力されてないのかも知れないけどさ。
相討ちでも、勝つのは強化戦士だろうって、思ってんのかもな。
ボーグン族の奴らは。
ガキィィッ…!
くそっ!
当たりが浅い!強化戦士が少し体を沈めて避ける仕草をしてきた分、当たりが浅くなった。
はぁぁっ!
少し前屈みになって俺の前に辿り着いた強化戦士、肘を少し引いた瞬間、嫌な予感がした。仕込み剣を出して、勢いよく俺に刺そうって考えてんだろうな、だから、俺はこいつの背内に飛び乗って、滑り台みたいにこいつの背中から下りてやったぜ!
ありがとうよ、幼稚園に戻ったみたいで懐かしかったよ。
俺の動きが予想外か、変にもがいている様に見えるぞ?
俺は、大剣を振り上げ、隙だらけの強化戦士の背後から、思いっきり振り下ろした。
ガキャアッ!
強化戦士の中の何処かの装置が壊れただろう。そんな、音が聞こえたぞ。
…わぁ!
強化戦士の首が180°回転して、俺を見る。首が体と真反対を向いているのが、どうも気持ち悪いな。人間じゃ、有り得ない動きだ。
もしかして怒った?
そんな感情は、ないよな?
うわっ、仕込み剣を出してめった刺しの動きをしてきたぞ!
いやー、バカだわこの強化戦士。顔だけこっちに向けてるからそうなるんだよ。体の正面は向こう側向いてるから、当然、仕込み剣も、向こう側で出してんだよ。俺にはノーダメージだけど大丈夫?
俺は再び大剣を振り上げ、強化戦士の頭目がけて、思いっきり振り下ろした。
ガキャアッ!
強化戦士の頭の中から信号音がピー、ピー鳴り出し、体が少し痙攣している。
その強化戦士の向こう側の、岩の後ろから顔を出して、こっちを見ているシュティールがいる。
ムカつく奴だ。
心配そうな表情を見せずに、俺と強化戦士の戦いを平然と見てる。血が通ってない機械と同じなんじゃねぇの、お前。
ピー、ピー。
ピピピ…。
うっ、この強化戦士、まだ戦う気だ。
首がまた180°回って、顔が向くべき方向に戻ったな。
ピピピ。
ピッ、ピッ。
踵を返して、体を俺の方に向けてきた(もちろん、顔もだ)。
ボーグン族を守るための、強化戦士…か。
この世界は、召喚獣になれる奴らがたくさんいるんだろ?
俺なんかに負けてられない、か?
そうだよな、そうでないと、ボーグン族を守れる訳ないもんな。
俺も、地球に帰らないといけないんだよ。何だか遠回りしてる気もするけどさ。
負けられないんだよ。
機械に効くかどうかわかんないけど、この戦いは長引かせたくはない。
せっかく、教えてもらったんだ。
使わせてもらうよ。
次は、次元斬で倒してやる。
いいぜ、勝負…してやるよ。
俺は、突っ込んでくる強化戦士目掛けて、大剣を水平に思いっきり振った。
大剣の重さに体が振られていない!
いけるぞ。
大剣を振る速さは最速って訳じゃないけど、無警戒でまともに突っ込んでくる強化戦士に遅れず、そのまま大剣を叩きつけられるタイミングだ。
ガキィィン!
金属音が響く。
強化戦士は、俺の大剣を首から左頬にかけて、まともに食らった。
大剣を振り抜いても、体が振られて、バランスを崩したりはしていない。大剣の重さを相手にぶつけ、バランスを崩したのは、強化戦士の方だ。
はぁ…っ。
でも、俺の体の芯が重く感じる。何か、疲れるな。
強化戦士の突っ込んだ速さに合わせて重い大剣を振り、ぶつけた衝撃なんかが俺の体にきてんだろうな。
はぁっ。
はぁ…。
強化戦士は体をのけ反らせ、何かの信号音を鳴らした。まるで体が正常かどうかを確認してるみたいに。
首を左右に傾げて、信号音を長く鳴らして、音が止んだ。
ふんっ…。
無事でした、って言いたいのか?
面倒臭いな。
強化戦士は、腕から仕込み剣を出し入れして、俺を見てきた。
威嚇してんのか?
無駄死にはしたくないからな。
少し、壊れてもらうぞ。
あ、また真正面から突っ込んできたな。そんなに強度に自信がなさそうなのに、正直者な機械だな、お前。そういう行動しか、入力されてないのかも知れないけどさ。
相討ちでも、勝つのは強化戦士だろうって、思ってんのかもな。
ボーグン族の奴らは。
ガキィィッ…!
くそっ!
当たりが浅い!強化戦士が少し体を沈めて避ける仕草をしてきた分、当たりが浅くなった。
はぁぁっ!
少し前屈みになって俺の前に辿り着いた強化戦士、肘を少し引いた瞬間、嫌な予感がした。仕込み剣を出して、勢いよく俺に刺そうって考えてんだろうな、だから、俺はこいつの背内に飛び乗って、滑り台みたいにこいつの背中から下りてやったぜ!
ありがとうよ、幼稚園に戻ったみたいで懐かしかったよ。
俺の動きが予想外か、変にもがいている様に見えるぞ?
俺は、大剣を振り上げ、隙だらけの強化戦士の背後から、思いっきり振り下ろした。
ガキャアッ!
強化戦士の中の何処かの装置が壊れただろう。そんな、音が聞こえたぞ。
…わぁ!
強化戦士の首が180°回転して、俺を見る。首が体と真反対を向いているのが、どうも気持ち悪いな。人間じゃ、有り得ない動きだ。
もしかして怒った?
そんな感情は、ないよな?
うわっ、仕込み剣を出してめった刺しの動きをしてきたぞ!
いやー、バカだわこの強化戦士。顔だけこっちに向けてるからそうなるんだよ。体の正面は向こう側向いてるから、当然、仕込み剣も、向こう側で出してんだよ。俺にはノーダメージだけど大丈夫?
俺は再び大剣を振り上げ、強化戦士の頭目がけて、思いっきり振り下ろした。
ガキャアッ!
強化戦士の頭の中から信号音がピー、ピー鳴り出し、体が少し痙攣している。
その強化戦士の向こう側の、岩の後ろから顔を出して、こっちを見ているシュティールがいる。
ムカつく奴だ。
心配そうな表情を見せずに、俺と強化戦士の戦いを平然と見てる。血が通ってない機械と同じなんじゃねぇの、お前。
ピー、ピー。
ピピピ…。
うっ、この強化戦士、まだ戦う気だ。
首がまた180°回って、顔が向くべき方向に戻ったな。
ピピピ。
ピッ、ピッ。
踵を返して、体を俺の方に向けてきた(もちろん、顔もだ)。
ボーグン族を守るための、強化戦士…か。
この世界は、召喚獣になれる奴らがたくさんいるんだろ?
俺なんかに負けてられない、か?
そうだよな、そうでないと、ボーグン族を守れる訳ないもんな。
俺も、地球に帰らないといけないんだよ。何だか遠回りしてる気もするけどさ。
負けられないんだよ。
機械に効くかどうかわかんないけど、この戦いは長引かせたくはない。
せっかく、教えてもらったんだ。
使わせてもらうよ。
次は、次元斬で倒してやる。
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