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第二章 熱き炎よギルロに届け、切なる思い
その14
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地面が土色の岩かな?固くて、歩きづらいな。若干、腰が痛ぇ…。
「大丈夫かい?イクト君」
お前よりはな。その伊達眼鏡と白い口髭は何なんだ?お前、急につけたよな。自分の正体隠そうとしてんのか?もしかして、ヤバい街なんじゃないのか?俺は、大丈夫だよな?また、もう1人の俺が先にやらかしてないよな?
「そんな怪しそうな目で見ないでよ…」
「思いっっっ切り、怪しいから、仕方がないな!その伊達眼鏡と口髭は何のつもりだ?」
「…最初からだけど?」
「そんなワケねーだろ、バカ!」
「バカという言葉は、君に対して作られた言葉だから、君以外には当てはまらないよ。バカイクト、バカ君」
じゃあ、クズって言葉は、お前専用に作られた言葉だ。クズクズ召喚獣めが!
「ボーグン族は秘密主義の種族で、心を開くまでは、口数は少ないんだ。最初から全開で話しかけない方がいいかも知れないね」
「…だから、笑わす事でボーグン族の心を掴むため、お前はその伊達眼鏡と口髭をつけてるんだな?」
「笑いは、君の顔を見せるだけで十分だよ」
くっ!ムカつく!
「ほら、見えてきたよ。ゲドグロロフの街だよ」
少し離れた場所に、バカでかい切り株が見えるけど、あれが街?あの中に、人が住んでんのか…。
「あまり見下した目をしてあの街を見ない方がいいよ。この世界は、君の思い描く街ばかりじゃないんだからね。ここは、君の住む地球じゃないんだ」
あー、そうでしたか?すみませんね。切り株に住む人が新鮮でね。
「ゲドグロロフの街の入り口にいる門番に、合言葉を言わないと不審に思われ、殺されてしまうかも知れないから、気をつけてよ」
またお得意の合言葉ですか。俺に恥をかかせるための。最初の2つくらい、一緒に出入りした街の時は、この世界とお前をよく理解してなかったから(それは今も継続中か)お前の言葉を信じて街の門番に合言葉を言ったら、完全に不審者扱いされたからな。なぁ?嘘つきシュティール君。
「一緒に街に入るんだから、俺が言う必要はない訳だ。シュティール、言ってくれないか?」
「君のための冒険じゃないか?僕は、君が地球に戻れなくても、構わないんだからさ…!」
言うと思った。
「今度は門番に、何て言うんだよ?」
シュティールは口に手を当て、悩ましそうに下を見て、そして俺を見る。何かムカつくな。どう俺を弄ぼうか、考えているだろう?
「ボーグン、切り株街、火をつけりゃ、みんなでキャンプファイヤー」
ありがとう、シュティール君。完全に、ボーグン族を極限まで挑発する言葉だね。味わった事のない怒りを感じたボーグン族が、本能のままに俺に襲いかかり、血祭りにする姿が、思い浮かぶよ。…はっきり言って、お前をぶっ殺したいよ。
「一緒に言おう。自信がない」
「いいよ、言おう!」
いいや、お前は絶対に言わない!即答で、気持ちよくはっきり言う時ほど、お前は信用ならないんだよ!
「はぁ…、まぁいいよ。街に入って、早くエルヴァ・ガインシュタットに会って、ギルロの居場所を確認しようぜ」
「そうだね。合言葉は必ず言ってね。言わないと、僕の事信用してないんじゃないかと思って、これから先、君に何もしてあげられなくなるからね」
信用できないんだよ!お前が撒き散らす嘘のせいでよ!
「お前、本当に嫌な奴だよな。今まで、よく殺されずに生きているよな?」
「殺される意味がないからじゃない?君みたいに」
あ…、このヤロウ!
「何?もしかして、殺された事あるの?今、そんな顔をしたよね?」
「…殺されてたら、今、ここにいないよな。だろ、シュティール君?」
「ああ、そう。まぁ、深入りしない方がいいね。死んだ事のあるイクト君?」
ああ!殺したい!今すぐこいつを、殺したい!!
「ほら、巨大な切り株の正面に、金色の鎧を身につけた戦士がいるだろう?」
「え?」
「ボーグン族傑作の、強化戦士だよ」
待て待て!もしかして、戦うのか?
「ボーグン族は、このクェル・ダ・ベル第2大陸修復の鍵と言っても過言じゃない存在なんだ。そのボーグン族の住む街だよ。守る戦士も、半端な強さじゃないんだ。冬枯れの牙に狙われている君なんだ、あの戦士を倒せないくらいじゃ、君の命もそう長くはないのさ」
くそっ!冷たい目で俺を見るんじゃねぇよ、シュティール!
こいつは、俺にあの戦士と戦わせ、手助けは一切しないつもりだろうな。
あれは、人か?
微動だにしない。
仕掛けられたら、ぶっ飛ばしてやるしかないか…。
「大丈夫かい?イクト君」
お前よりはな。その伊達眼鏡と白い口髭は何なんだ?お前、急につけたよな。自分の正体隠そうとしてんのか?もしかして、ヤバい街なんじゃないのか?俺は、大丈夫だよな?また、もう1人の俺が先にやらかしてないよな?
「そんな怪しそうな目で見ないでよ…」
「思いっっっ切り、怪しいから、仕方がないな!その伊達眼鏡と口髭は何のつもりだ?」
「…最初からだけど?」
「そんなワケねーだろ、バカ!」
「バカという言葉は、君に対して作られた言葉だから、君以外には当てはまらないよ。バカイクト、バカ君」
じゃあ、クズって言葉は、お前専用に作られた言葉だ。クズクズ召喚獣めが!
「ボーグン族は秘密主義の種族で、心を開くまでは、口数は少ないんだ。最初から全開で話しかけない方がいいかも知れないね」
「…だから、笑わす事でボーグン族の心を掴むため、お前はその伊達眼鏡と口髭をつけてるんだな?」
「笑いは、君の顔を見せるだけで十分だよ」
くっ!ムカつく!
「ほら、見えてきたよ。ゲドグロロフの街だよ」
少し離れた場所に、バカでかい切り株が見えるけど、あれが街?あの中に、人が住んでんのか…。
「あまり見下した目をしてあの街を見ない方がいいよ。この世界は、君の思い描く街ばかりじゃないんだからね。ここは、君の住む地球じゃないんだ」
あー、そうでしたか?すみませんね。切り株に住む人が新鮮でね。
「ゲドグロロフの街の入り口にいる門番に、合言葉を言わないと不審に思われ、殺されてしまうかも知れないから、気をつけてよ」
またお得意の合言葉ですか。俺に恥をかかせるための。最初の2つくらい、一緒に出入りした街の時は、この世界とお前をよく理解してなかったから(それは今も継続中か)お前の言葉を信じて街の門番に合言葉を言ったら、完全に不審者扱いされたからな。なぁ?嘘つきシュティール君。
「一緒に街に入るんだから、俺が言う必要はない訳だ。シュティール、言ってくれないか?」
「君のための冒険じゃないか?僕は、君が地球に戻れなくても、構わないんだからさ…!」
言うと思った。
「今度は門番に、何て言うんだよ?」
シュティールは口に手を当て、悩ましそうに下を見て、そして俺を見る。何かムカつくな。どう俺を弄ぼうか、考えているだろう?
「ボーグン、切り株街、火をつけりゃ、みんなでキャンプファイヤー」
ありがとう、シュティール君。完全に、ボーグン族を極限まで挑発する言葉だね。味わった事のない怒りを感じたボーグン族が、本能のままに俺に襲いかかり、血祭りにする姿が、思い浮かぶよ。…はっきり言って、お前をぶっ殺したいよ。
「一緒に言おう。自信がない」
「いいよ、言おう!」
いいや、お前は絶対に言わない!即答で、気持ちよくはっきり言う時ほど、お前は信用ならないんだよ!
「はぁ…、まぁいいよ。街に入って、早くエルヴァ・ガインシュタットに会って、ギルロの居場所を確認しようぜ」
「そうだね。合言葉は必ず言ってね。言わないと、僕の事信用してないんじゃないかと思って、これから先、君に何もしてあげられなくなるからね」
信用できないんだよ!お前が撒き散らす嘘のせいでよ!
「お前、本当に嫌な奴だよな。今まで、よく殺されずに生きているよな?」
「殺される意味がないからじゃない?君みたいに」
あ…、このヤロウ!
「何?もしかして、殺された事あるの?今、そんな顔をしたよね?」
「…殺されてたら、今、ここにいないよな。だろ、シュティール君?」
「ああ、そう。まぁ、深入りしない方がいいね。死んだ事のあるイクト君?」
ああ!殺したい!今すぐこいつを、殺したい!!
「ほら、巨大な切り株の正面に、金色の鎧を身につけた戦士がいるだろう?」
「え?」
「ボーグン族傑作の、強化戦士だよ」
待て待て!もしかして、戦うのか?
「ボーグン族は、このクェル・ダ・ベル第2大陸修復の鍵と言っても過言じゃない存在なんだ。そのボーグン族の住む街だよ。守る戦士も、半端な強さじゃないんだ。冬枯れの牙に狙われている君なんだ、あの戦士を倒せないくらいじゃ、君の命もそう長くはないのさ」
くそっ!冷たい目で俺を見るんじゃねぇよ、シュティール!
こいつは、俺にあの戦士と戦わせ、手助けは一切しないつもりだろうな。
あれは、人か?
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