52 / 441
第一章 オレン死(ジ)ジュースから転生
その52
しおりを挟む
右京、お前が強いのは、わかったけど。
牙音番禺と戦ってる右京に、また何人かの白装束の忍者が襲いかかっていく。
キリがないな。
黒装束の忍者は木の幹の影、枝の影、岩の影、近くにいるのに、助けようとしていないのは。
右京、お前に牙音番禺を倒してもらおうという、信頼からか?
右京を狙う白装束の忍者は、倒してくれてもいいんじゃないか?
牙音番禺の側に近寄るのが恐いのか?
さっきまで寄って、勇敢に戦ってた黒装束の忍者達が。
急に怯んじまったな。
残りの忍者は性転換手術を受けて女になったから、肌に少しでも傷を負いたくないからとか、そんな理由なら、女忍者のくのいちの立場がないな。
右京、お前が黒装束の忍者のリーダーの座を奪おうと霧蔵を殺した事、知ってる奴がいるんじゃないのか?
自業自得だな。
お前は、死んで当然。
だけど、右京よりも強そうな奴はいなそうだな。
この牙音番禺に右京が負けたら、牙音番禺は、お前達黒装束の忍者が守ろうとしてる、あの煙の上がってる村に行って、人をたくさん殺すんじゃないのか?
今だけでも、右京を助けてやっても…。
まぁ、知った事じゃないよな!俺には関係ない事だ。
…お前の肩を持つなんて、冗談じゃねぇよ。
ドガァッ!!!
「ぅゔッ……!?」
ぐるぐるぐるぐるぐるぐるッ!
「あ…あ?」
また顔…?頬を蹴った…?顎から口にかけて思いっきり擦った様な痛みがする。痛ぇ…。痛ぇよ。
急にまた戻ってくるから、混乱する…。わけがわからねー。
でも、直撃はしなかったのか…。俺がバランスでも崩してたまたま直撃を逃れたのか、あのうさ耳オヤジの蹴りが下手か、どちらかだ。まだ意識はしっかりある。
痛ッ!
傷口は、触らない方がいい。
多分、血が出てるな。痛ぇ…。
「え?」
う、ウソだろ…?
最悪…だ。
背の高い、デブったうさ耳オヤジが俺の後ろに立って、見下ろしてる。うさ耳野郎がもう1匹、…奴の味方が現れた。
ダメだ…、これじゃ、戦う姿勢を取る前に、やられる…。
あのうさ耳オヤジより、力がありそうだ。頭上から一発もらったら、俺。死ぬ…。
…意外と、仕掛けてこないな。俺の様子を見てるのか。見逃しては、くれないよな。さすがに。
そう言えば、あのうさ耳オヤジ、遅番がそろそろ来るからとか言ってたか。こいつが、その遅番だな。薄い目から覗く赤い目が恐い。もうすでに特徴的な長い耳が伸びてるけど、こいつ、最初から召喚獣になっていたのか、それとも、俺が右京の生前の世界に飛んでた間になったのか?いや、あっちの世界に飛んだ時は、基本的にこっちの世界の時は進んでいなかった様な…。
どうだっていい!こいつら2人共相手になんかできねぇ!もう、逃げるしか…。
「安心しろ。この戦いの邪魔はしない」
え?
そうなの?
この背の高いデブうさ耳オヤジは、10m離れた所から歩いてきているうさ耳オヤジの方を見て、意地悪そうな笑みを浮かべて、
「安心しろ!邪魔はしないさ…」
そう言った。
同じ種族同士、尊重しているって事か?誇り高い…種族か。
デブうさ耳オヤジは俺の方をじろっと見て、小さな声で言ったんだ。
「負けた方を、ゲルロブライザー装置に投げ込んであげるからよ…」
え!?
同じ種族同士でも、味方同士ってわけじゃないのか…?
この世界、自分以外は敵?
それが基本的な生き方って事か?
どうでもいい。
その考え、変えないでくれよな。少なくとも、俺の命が。もう少し伸びてくれる。
デブうさ耳オヤジが、俺が戦ってるうさ耳オヤジが抜けて、誰もいなくなった店へ向かって歩いて行っていった。
「カイルズ、お前も運動不足なんじゃないか?」
あ、こいつ!デブうさ耳オヤジに俺をやらせようとしてるな。ぴょんぴょん攻撃をやり過ぎて、疲れたとか?だったら、お前も店に戻って、世界大絶叫のコームーを売りに店に戻ってくれよ!
「なぁに…。君ほどではないな。目の前のあの男は、よほどの大敵らしいな。どちらが負けるか、わからないところが、おもしろいじゃないか。邪魔をする事なんて、出来はしないさ」
デブうさ耳オヤジのカイルズ、湯沸かし器としての機能を発揮してくれたな…。うさ耳オヤジの額にネズミが入り込んだ様に血管がピクピクと暴れ出してるぞ。怒り心頭…ってヤツだな…。はぁ。
俺の大剣…。あ、あった。よし!まだ握れるぞ。
うさ耳オヤジ…来るよな?
俺、もう大して力も残ってないかも知れないけど。
お前、この大陸のためだって言うけどさ、気楽に人を殺そうとし過ぎだよな。
ムカつくよ…。
お前は、やっつけてやろうかな…。
牙音番禺と戦ってる右京に、また何人かの白装束の忍者が襲いかかっていく。
キリがないな。
黒装束の忍者は木の幹の影、枝の影、岩の影、近くにいるのに、助けようとしていないのは。
右京、お前に牙音番禺を倒してもらおうという、信頼からか?
右京を狙う白装束の忍者は、倒してくれてもいいんじゃないか?
牙音番禺の側に近寄るのが恐いのか?
さっきまで寄って、勇敢に戦ってた黒装束の忍者達が。
急に怯んじまったな。
残りの忍者は性転換手術を受けて女になったから、肌に少しでも傷を負いたくないからとか、そんな理由なら、女忍者のくのいちの立場がないな。
右京、お前が黒装束の忍者のリーダーの座を奪おうと霧蔵を殺した事、知ってる奴がいるんじゃないのか?
自業自得だな。
お前は、死んで当然。
だけど、右京よりも強そうな奴はいなそうだな。
この牙音番禺に右京が負けたら、牙音番禺は、お前達黒装束の忍者が守ろうとしてる、あの煙の上がってる村に行って、人をたくさん殺すんじゃないのか?
今だけでも、右京を助けてやっても…。
まぁ、知った事じゃないよな!俺には関係ない事だ。
…お前の肩を持つなんて、冗談じゃねぇよ。
ドガァッ!!!
「ぅゔッ……!?」
ぐるぐるぐるぐるぐるぐるッ!
「あ…あ?」
また顔…?頬を蹴った…?顎から口にかけて思いっきり擦った様な痛みがする。痛ぇ…。痛ぇよ。
急にまた戻ってくるから、混乱する…。わけがわからねー。
でも、直撃はしなかったのか…。俺がバランスでも崩してたまたま直撃を逃れたのか、あのうさ耳オヤジの蹴りが下手か、どちらかだ。まだ意識はしっかりある。
痛ッ!
傷口は、触らない方がいい。
多分、血が出てるな。痛ぇ…。
「え?」
う、ウソだろ…?
最悪…だ。
背の高い、デブったうさ耳オヤジが俺の後ろに立って、見下ろしてる。うさ耳野郎がもう1匹、…奴の味方が現れた。
ダメだ…、これじゃ、戦う姿勢を取る前に、やられる…。
あのうさ耳オヤジより、力がありそうだ。頭上から一発もらったら、俺。死ぬ…。
…意外と、仕掛けてこないな。俺の様子を見てるのか。見逃しては、くれないよな。さすがに。
そう言えば、あのうさ耳オヤジ、遅番がそろそろ来るからとか言ってたか。こいつが、その遅番だな。薄い目から覗く赤い目が恐い。もうすでに特徴的な長い耳が伸びてるけど、こいつ、最初から召喚獣になっていたのか、それとも、俺が右京の生前の世界に飛んでた間になったのか?いや、あっちの世界に飛んだ時は、基本的にこっちの世界の時は進んでいなかった様な…。
どうだっていい!こいつら2人共相手になんかできねぇ!もう、逃げるしか…。
「安心しろ。この戦いの邪魔はしない」
え?
そうなの?
この背の高いデブうさ耳オヤジは、10m離れた所から歩いてきているうさ耳オヤジの方を見て、意地悪そうな笑みを浮かべて、
「安心しろ!邪魔はしないさ…」
そう言った。
同じ種族同士、尊重しているって事か?誇り高い…種族か。
デブうさ耳オヤジは俺の方をじろっと見て、小さな声で言ったんだ。
「負けた方を、ゲルロブライザー装置に投げ込んであげるからよ…」
え!?
同じ種族同士でも、味方同士ってわけじゃないのか…?
この世界、自分以外は敵?
それが基本的な生き方って事か?
どうでもいい。
その考え、変えないでくれよな。少なくとも、俺の命が。もう少し伸びてくれる。
デブうさ耳オヤジが、俺が戦ってるうさ耳オヤジが抜けて、誰もいなくなった店へ向かって歩いて行っていった。
「カイルズ、お前も運動不足なんじゃないか?」
あ、こいつ!デブうさ耳オヤジに俺をやらせようとしてるな。ぴょんぴょん攻撃をやり過ぎて、疲れたとか?だったら、お前も店に戻って、世界大絶叫のコームーを売りに店に戻ってくれよ!
「なぁに…。君ほどではないな。目の前のあの男は、よほどの大敵らしいな。どちらが負けるか、わからないところが、おもしろいじゃないか。邪魔をする事なんて、出来はしないさ」
デブうさ耳オヤジのカイルズ、湯沸かし器としての機能を発揮してくれたな…。うさ耳オヤジの額にネズミが入り込んだ様に血管がピクピクと暴れ出してるぞ。怒り心頭…ってヤツだな…。はぁ。
俺の大剣…。あ、あった。よし!まだ握れるぞ。
うさ耳オヤジ…来るよな?
俺、もう大して力も残ってないかも知れないけど。
お前、この大陸のためだって言うけどさ、気楽に人を殺そうとし過ぎだよな。
ムカつくよ…。
お前は、やっつけてやろうかな…。
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
逃げるが価値
maruko
恋愛
侯爵家の次女として生まれたが、両親の愛は全て姉に向いていた。
姉に来た最悪の縁談の生贄にされた私は前世を思い出し家出を決行。
逃げる事に価値を見い出した私は無事に逃げ切りたい!
自分の人生のために!
★長編に変更しました★
※作者の妄想の産物です
辺境の最強魔導師 ~魔術大学を13歳で首席卒業した私が辺境に6年引きこもっていたら最強になってた~
日の丸
ファンタジー
ウィーラ大陸にある大国アクセリア帝国は大陸の約4割の国土を持つ大国である。
アクセリア帝国の帝都アクセリアにある魔術大学セルストーレ・・・・そこは魔術師を目指す誰もが憧れそして目指す大学・・・・その大学に13歳で首席をとるほどの天才がいた。
その天才がセレストーレを卒業する時から物語が始まる。
狙って追放された創聖魔法使いは異世界を謳歌する
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーから追放される~異世界転生前の記憶が戻ったのにこのままいいように使われてたまるか!
【第15回ファンタジー小説大賞の爽快バトル賞を受賞しました】
ここは異世界エールドラド。その中の国家の1つ⋯⋯グランドダイン帝国の首都シュバルツバイン。
主人公リックはグランドダイン帝国子爵家の次男であり、回復、支援を主とする補助魔法の使い手で勇者パーティーの一員だった。
そんな中グランドダイン帝国の第二皇子で勇者のハインツに公衆の面前で宣言される。
「リック⋯⋯お前は勇者パーティーから追放する」
その言葉にリックは絶望し地面に膝を着く。
「もう2度と俺達の前に現れるな」
そう言って勇者パーティーはリックの前から去っていった。
それを見ていた周囲の人達もリックに声をかけるわけでもなく、1人2人と消えていく。
そしてこの場に誰もいなくなった時リックは⋯⋯笑っていた。
「記憶が戻った今、あんなワガママ皇子には従っていられない。俺はこれからこの異世界を謳歌するぞ」
そう⋯⋯リックは以前生きていた前世の記憶があり、女神の力で異世界転生した者だった。
これは狙って勇者パーティーから追放され、前世の記憶と女神から貰った力を使って無双するリックのドタバタハーレム物語である。
*他サイトにも掲載しています。
異世界で等価交換~文明の力で冒険者として生き抜く
りおまる
ファンタジー
交通事故で命を落とし、愛犬ルナと共に異世界に転生したタケル。神から授かった『等価交換』スキルで、現代のアイテムを異世界で取引し、商売人として成功を目指す。商業ギルドとの取引や店舗経営、そして冒険者としての活動を通じて仲間を増やしながら、タケルは異世界での新たな人生を切り開いていく。商売と冒険、二つの顔を持つ異世界ライフを描く、笑いあり、感動ありの成長ファンタジー!
皇女様の女騎士に志願したところ彼女を想って死ぬはずだった公爵子息に溺愛されました
ねむりまき
恋愛
※本編完結しました!今後はゆっくりペースで他エピソードを更新予定です。
-原作で隠されてた君が運命の人だった-
家族に溺愛されすぎて社交界から隔離されて育った侯爵令嬢エミリア、読んでいた小説の始まる3年前の世界に入り込んだ”私”が宿ったのは彼女だった。馬車事故で死んでしまう設定の皇女、そんな彼女を想って闇落ちし自害してしまう小説の主人公・公爵子息アルフリード。彼らを救うためエミリアは侯爵家の騎士団の制服をまとい、もぐりこんだ舞踏会で皇女に対面。彼女の女騎士になりたいと直談判することに。しかし、そこでは思わぬトラブルが待ち受けており……なぜかアルフリードに見初められ結婚まで申し込まれてしまう。
原作でも語られていなかったアルフリードの生い立ち、近隣諸国との関係。シスコンの兄など様々な登場人物(動物)や出来事に翻弄されながらも、エミリアは無事に彼らを救うことができるのか?
※第2部までは伏線を散りばめた、ほのぼの系。第3部からシリアス展開も混ぜながら、物語が本格的に動き出す構成になってます。
※第2部、第3部の前にそれまでの登場人物とあらすじをまとめました。
追放された最強令嬢は、新たな人生を自由に生きる
灯乃
ファンタジー
旧題:魔眼の守護者 ~用なし令嬢は踊らない~
幼い頃から、スウィングラー辺境伯家の後継者として厳しい教育を受けてきたアレクシア。だがある日、両親の離縁と再婚により、後継者の地位を腹違いの兄に奪われる。彼女は、たったひとりの従者とともに、追い出されるように家を出た。
「……っ、自由だーーーーーーっっ!!」
「そうですね、アレクシアさま。とりあえずあなたは、世間の一般常識を身につけるところからはじめましょうか」
最高の淑女教育と最強の兵士教育を施されたアレクシアと、そんな彼女の従者兼護衛として育てられたウィルフレッド。ふたりにとって、『学校』というのは思いもよらない刺激に満ちた場所のようで……?
収容所生まれの転生幼女は、囚人達と楽しく暮らしたい
三園 七詩
ファンタジー
旧題:収容所生まれの転生幼女は囚人達に溺愛されてますので幸せです
無実の罪で幽閉されたメアリーから生まれた子供は不幸な生い立ちにも関わらず囚人達に溺愛されて幸せに過ごしていた…そんなある時ふとした拍子に前世の記憶を思い出す!
無実の罪で不幸な最後を迎えた母の為!優しくしてくれた囚人達の為に自分頑張ります!
司書ですが、何か?
みつまめ つぼみ
ファンタジー
16歳の小さな司書ヴィルマが、王侯貴族が通う王立魔導学院付属図書館で仲間と一緒に仕事を頑張るお話です。
ほのぼの日常系と思わせつつ、ちょこちょこドラマティックなことも起こります。ロマンスはふんわり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる