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第一章 オレン死(ジ)ジュースから転生
その27
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「ガインシュタット家の当主の奥さん、つまりエルヴァ・ガインシュタットは、ギルロの配下に当たる高天魔四大将の1人、炎真大将グレンベール・アルシオンと交友関係にある。彼に聞けば、エルヴァの居場所か何かわかるかも知れないね」
シュティールは、棒アイスを食べながら言った。
「…おい。おいしそうだな、それ」
俺の心の声が、そのまま口から出た。いつの間に、アイス食ってるんだ。シュティールよ。しかも、そのアイスは、バニラにパリパリのチョコがかかった味の相性抜群、食感OK!そして、コストパフォーマンスに優れた奇跡のアイスじゃないか。少し言い過ぎたが、俺は好きだぞ。そのアイス。
「まずいものをわざわざ食べる訳ないじゃないか。勿論、おいしいさ。オレンジジュースでも飲むかい?」
そう言うシュティール。嫌味しか言わないな、こいつ。それと、オレンジジュースの事は、ひどく嫌いだと最初の街で言っておいたはずだけどな。それを知りながら、敢えてまた言ってくるとは、真の悪だな、ブラックシュティール。
「しかし、ガインシュタットの奥さんがその炎真大将のグレンベール?と仲が良いとかさ、やたら、詳しいんだな」
素朴な疑問だから、俺は一応、聞いてみた。
「ガインシュタット家に嫁いだエルヴァは、大地修復に一躍したボーグン族の末裔。このクェル・ダ・ベル第2大陸で炎真大将グレンベールと仲が良いのは、必然なのさ」
シュティールはそう言って、アイスを食べ終え、残った木の棒を俺の方へ差し出した。いらねー。
俺とシュティールは、フルワットの街中を歩いている。
シュティールの言う、存在を失った人の記憶の声を聞くために、街を歩いて回っているんだ。一応、幽霊じゃないという事だから、少し安心だ。いや、十分不気味だ。声だけ聞こえてくるなんて、気味が悪い。
シュティールがさっき言っていた、この大陸は、クェル・ダ・ベル第2大陸と言うのか?第2という事は、第3もありそうだな。
大地の修復というのは、召喚獣化したこの異世界の住人が、ぶつかり合って壊した、その修復という事なのかな?最初の街で、シュティールが言ってたかな。もうこの世界は、その理由で5回は壊れてるって。
「炎真大将って、何か偉い感じがするんだけど、実際偉いのかな?」
俺がそう聞いたら、
「君ほどじゃないさ」
シュティールはそう返してきた。
何だ。どう捉えればいい?俺が偉そうにしているという皮肉だろうか。有り得るな。ただ、低姿勢でいくと一気にやられる気がするから、状況に従って変えていくよ。ただ、お前にはそうはしない。そうすれば、いい様に騙されて死が待っているだけだろうからな。それに、外見上、同い年くらいにしか見えないし。
「君が一番偉いんだよ」
シュティールは、俺が言葉を返さずにいると、追い込みをかけてくる。このままじゃまずいな、形勢逆転を狙うとしよう。
「いやいや、シュティール。君こそが全世界で一番偉いよ」
俺は、そう言った。フッ、勝ったな。褒められると心苦しいという現象を活かした戦法という事だな。よくわかるぞ。俺も、必要以上に褒められると、心苦しい。いや、死にそうになる。お前も、少しは味わうがいい。
「それはそうさ。決まってるだろう?負け犬イクト君」
はぁぁぁ???
「負け犬如きが、何を当たり前の事を言っているんだい?」
コォォ…のぉぉぉ!?
「あ、イクト君!先ほどのアイス、君もいるかい?」
なぁにぃぃぃ…!
「くれるのか?」
俺の中の卑しい心が、シュティールの誘いに引っかかり、それに応じようとする。ああ!恥ずかしい…。
フルワットの街の外れに、教会の様な建物。その建物の周りを、目の黄色い鳩の様な鳥が3匹戯れている。ここに来るまでに、2度目のギルロの名前を、聞いた。
シュティールは、棒アイスを食べながら言った。
「…おい。おいしそうだな、それ」
俺の心の声が、そのまま口から出た。いつの間に、アイス食ってるんだ。シュティールよ。しかも、そのアイスは、バニラにパリパリのチョコがかかった味の相性抜群、食感OK!そして、コストパフォーマンスに優れた奇跡のアイスじゃないか。少し言い過ぎたが、俺は好きだぞ。そのアイス。
「まずいものをわざわざ食べる訳ないじゃないか。勿論、おいしいさ。オレンジジュースでも飲むかい?」
そう言うシュティール。嫌味しか言わないな、こいつ。それと、オレンジジュースの事は、ひどく嫌いだと最初の街で言っておいたはずだけどな。それを知りながら、敢えてまた言ってくるとは、真の悪だな、ブラックシュティール。
「しかし、ガインシュタットの奥さんがその炎真大将のグレンベール?と仲が良いとかさ、やたら、詳しいんだな」
素朴な疑問だから、俺は一応、聞いてみた。
「ガインシュタット家に嫁いだエルヴァは、大地修復に一躍したボーグン族の末裔。このクェル・ダ・ベル第2大陸で炎真大将グレンベールと仲が良いのは、必然なのさ」
シュティールはそう言って、アイスを食べ終え、残った木の棒を俺の方へ差し出した。いらねー。
俺とシュティールは、フルワットの街中を歩いている。
シュティールの言う、存在を失った人の記憶の声を聞くために、街を歩いて回っているんだ。一応、幽霊じゃないという事だから、少し安心だ。いや、十分不気味だ。声だけ聞こえてくるなんて、気味が悪い。
シュティールがさっき言っていた、この大陸は、クェル・ダ・ベル第2大陸と言うのか?第2という事は、第3もありそうだな。
大地の修復というのは、召喚獣化したこの異世界の住人が、ぶつかり合って壊した、その修復という事なのかな?最初の街で、シュティールが言ってたかな。もうこの世界は、その理由で5回は壊れてるって。
「炎真大将って、何か偉い感じがするんだけど、実際偉いのかな?」
俺がそう聞いたら、
「君ほどじゃないさ」
シュティールはそう返してきた。
何だ。どう捉えればいい?俺が偉そうにしているという皮肉だろうか。有り得るな。ただ、低姿勢でいくと一気にやられる気がするから、状況に従って変えていくよ。ただ、お前にはそうはしない。そうすれば、いい様に騙されて死が待っているだけだろうからな。それに、外見上、同い年くらいにしか見えないし。
「君が一番偉いんだよ」
シュティールは、俺が言葉を返さずにいると、追い込みをかけてくる。このままじゃまずいな、形勢逆転を狙うとしよう。
「いやいや、シュティール。君こそが全世界で一番偉いよ」
俺は、そう言った。フッ、勝ったな。褒められると心苦しいという現象を活かした戦法という事だな。よくわかるぞ。俺も、必要以上に褒められると、心苦しい。いや、死にそうになる。お前も、少しは味わうがいい。
「それはそうさ。決まってるだろう?負け犬イクト君」
はぁぁぁ???
「負け犬如きが、何を当たり前の事を言っているんだい?」
コォォ…のぉぉぉ!?
「あ、イクト君!先ほどのアイス、君もいるかい?」
なぁにぃぃぃ…!
「くれるのか?」
俺の中の卑しい心が、シュティールの誘いに引っかかり、それに応じようとする。ああ!恥ずかしい…。
フルワットの街の外れに、教会の様な建物。その建物の周りを、目の黄色い鳩の様な鳥が3匹戯れている。ここに来るまでに、2度目のギルロの名前を、聞いた。
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