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第一章 オレン死(ジ)ジュースから転生
その24
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「あそこがフルワットって街か…」
街を覆う壁の先、金属製アーチの向こう側に、街の景色が目に入る。オレンジ色の煉瓦の家が建ち並んでいる。どの家も似ているな。白い壁は黄ばんでいるから、年期のある家が多いのかも。
「すぐそこに門番が立っているんだけれど、生肉大好き、と言ってみてくれないか。合言葉なんだ」
シュティールがまた意味のわからない事を言っているけど、無視して構わないだろう。
門番が俺を見る。ドキドキするな。別に門番が女という訳じゃないけど。シュティールが言うように、この街に合言葉が必要だとしたら。うーん、不安だ。生肉大好きとか、言う必要はないとは思うんだが。
「合言葉は嘘だよな、シュティール」
俺は一応、シュティールの顔を窺い、聞いてみる。
「…」
何でこいつ、無表情なんだ?そして、何も言葉を発しない。シュティール君の大好きな、おしゃべりタイムですよー。
「シュティール…?」
門番は、険しい顔で俺を睨んでくる。俺が何かやったか?いや、何もやろうとしないからなのか!?シュティール、俺、どうすれば…。
「あ、あの。えーと、あれだ。…生肉大好き。そー、そー、生肉大好き!」
困惑した俺は、シュティールに先ほど言われたふざけた言葉を、ダメ元で言ってみた。
「…どうしたの?大丈夫?生肉大好きって…。変な伝染病持ち込むのはダメだよ。生肉食べて、体調おかしくなったりとかはない?」
門番が危険人物を見る様な目で、声を張って言う。構えられた槍が恐いよ。
「あ…、生肉というか、俺、寿司が好きなんですよ。ハハハ…」
そう言って笑顔を作り、ごまかそうとする俺。
「何、スシって?怪しいな。街の中で何か起こったら、私の責任になるしな。この街に入れたくないな。どうしようかな…」
門番が顎に手をやり、唸る。視線を空に向けたかと思うと、一気に視線を下降させ、迷わず俺の腰辺りに直行する。あれ、何か?
「…お金、幾らあるの?」
門番は口に手をやり、目を細めてボソッとそう言った。金か、こいつ。結局金が世を支配するのは、地球も異世界もない訳だな。もちろん、金などない。地球に取って来れるなら、俺のサイフの中に2千円ほどあったはずだけどな。
門番は俺がさっと金を出さない事にイライラし始める。今ないものは、ない。だから、俺は救いの手を求めるため、視線をシュティールへ向けた。
「金で解決しそうな時は、何でも僕を頼ろうとするなよ。君に使うお金は少しも持っていないよ。それよりも、正直に言いなよ、この番人にさぁ」
シュティールは、不満そうにそう言った。はいはい、すいませんでしたよ。言う事がご立派ですこと。金を出してくれとは言わないけど、何か街に入る案でもくれないか。
「…呆けている場合じゃないよ。さぁ、言って」
と、シュティールは言うけど。何を?
「…ほら、君の旅の目的をだよ」
シュティールはそう続けて言った。俺の旅の目的?地球に帰り、転生前の元の姿に戻してもらって、止められた地球の時間を再び動かしてもらう。そういう事か?それとも…
「ギルロ様様様、の…、体と魂を、探しているんだよねぇ?イクト君は」
ニコリと笑ってそう言い、俺を見た後、門番を見た。
門番の表情が徐々に青ざめていくのがわかる。それほどの事か?この世界で、相当まずい事なのか?シュティールは、ギルロを王様とか言うんだ、みたいな事を言ってたけど。何だ、ギルロ?どんな立ち位置だ?わからない、わからな過ぎるぞ。ギルロ。
門番は、すまし顔で金属製アーチの向こう側に見える街並みを指差し、もう通っていいぞ、と言った。
俺との会話のやり取りをなかった事にしたいんだな。
俺は、引き気味の門番の表情を見て、少しの優越感を覚えながら、金属製アーチをくぐっていく。
街に入って、何か違和感があるような気がする。
シュティールは呆然としている俺の肩を叩き、10mほどまっすぐに歩くと着く、青い建物を指差した。
「君の世界にはまだないだろう?あそこに行けば、君の今の力がわかるという…」
何だ、わかるというって?俺の今の力がわかるのか。興味はあるな。今は、この体の事なら1つでも2つでも知りたいぐらいだからな。行ってみてもいいかな。
俺はその場所に向かって、まっすぐに歩いていく。しかし重たいな、この大剣。また、俺が持つ羽目になったぞ。まぁ、俺が与えられた物だから、仕方がないか。
そうか、わかったぞ。
この違和感。
まだ来たばかりだけど、まだ見ていないな。
街の人が、誰も歩いていないんだ。
何だろう、街全体がすごく静かだ。
という事を思いながら歩いていたら、すぐに到着、青い建物。
青い建物に、カウンターがあって、そこに長細く高い帽子を被った男が立っている。建物も青だけど、服装も青で染まってるな。目が死んでる。やる気があまりないだろう。
「…調べる?いいでしょう、若者よ」
何も言っていない俺に、強制的に話を進めようとするこの男。まあ、いいや。俺の力がわかるんだろう?教えてもらおう。
「私はパラメイター、お前の全ての力を数値化する事ができるのだ」
そう言って、パラメイターと名乗った男は、自分の人差し指を舐める。
俺の力を数値化できる?へぇ…。力が15とか、魔力が25とか言われるのかな。この体に魔力とか宿っていたら、すごいけどな。何だかおもしろそうだな。
パラメイターは、舐めた人差し指を俺の額になすりつけた。ギャー!汚い、おぞましい、オカマ!!
「わかった、わかったぞ。そういう事か。お前、そういうタイプなんだ?フフフ、意外と言えば意外か。でも、悪い事じゃないんだぞ?私も昔はな…」
何だ、会話に中身がないぞ!お前の昔話なんか知りたくもない、早く俺の力を数値化したものを教えてくれ。
「イクトくん、面白いね」
シュティールは、屈託のない笑顔でそう言う。こいつ、他人が困っているのを見るの、本当好きだな。ゴミめが。
「…では、まずお前の力の数値を教えて進ぜよう」
あ、ようやくか。では、教えてもらおうか。
「…」
「…」
「お前の、力は」
「…」
「…」
「52359875126583mdだ」
「…え?」
何、今の桁数…。すごいというより、ピンとこない。お前の力は52兆3000億…って言われても、何それ、ゲームでも出ないぞ、そんな大き過ぎる数値。そもそも、その最後に来るmdという単位が、合ってないんじゃないの?
「続いて、お前の知力だが…」
あ、続いちゃうんだ。頭がハテナマークでいっぱいの今の俺に、何言っても、入って来なそうなのに。
「…」
「…」
「3mdだ」
殺す!
力が52兆で、何で知力が3なんだよ!俺が持っている大剣、重いんだよ!今、重く感じるの!その俺の力が52兆とか言っておいて、何で知力がたった3しかないんだよ!微生物より知力ないんじゃないのか、俺?って、自殺したくなるだろ!こんな事言われたらさ!!
「…もう、い…」
「続いて、お前の耐久力を教えて進ぜよう」
パラメイター、もう聞く事を止めたいんだけど。
「…」
「…」
「26851266255mdだ」
268億…か。mdという単位がどの位を差すのかわからないから、全く感動がない。ただ、先ほど言われた知力が3というイラつきが、未だ残っているだけ。
「数値が、大きいと思うんだけどさ。ところで、何、mdって…?数値が大きくて、頭に入らない」
はー、スッキリ!パラメイターに言ってやった。
「微生物の力の単位でよく使うんだが…」
そう、このクソパラメイターが言った。何故、微生物の力で俺を計ろうとした?そう言えば、この世界の奴、人を過剰にバカにする癖がありそうだったからな。こいつも、そうなんだろう。ダメだな、どうもまだ、日本にいた時の感覚に戻るから、話をちょっとまじめに聞く癖があるな、俺。
「わかった、単位を変え、数値を小さくする。では、改めて最初から」
あ、改心したか?意外と素直だな、ぜひそうしてくれ。もう数値に対しての興味は薄れているけどな。
「…」
「…」
「0.0000825698223smだ」
数値が大きいという言葉は、失敗だったか。数字の数が多いと言うべきだったな。単位は微生物の力の単位じゃないんだろうが、小数点がついて0.00008…この数値を聞くと、俺が微生物と同レベルじゃないだろうかと錯覚する。
「パラメイター、もっとわかりやすく言ってあげてくれないかな。彼は、異世界から遥々訪れた、言わば客人なのさ。優しくしてあげて欲しい」
シュティールがパラメイターにそう言い、珍しく優しさを見せる。やればできるじゃないか、シュティール、とはならない。こいつ、絶対裏があるからな。
「…何処から来た?」
「…地球」
「わかった」
え、わかったの?地球知ってるんだ?意外とこの世界と地球、距離が近いんじゃないか?電車で帰れないにしても、宇宙船でなら、帰れるとか。
「お前の力を、教えて進ぜよう」
「…」
「…」
「ひよこ組だ」
殺す!!
幼稚園の組み分けじゃないんだよ!?俺の力は、幼児レベルか?この大剣を持ち上げる事すらできないんじゃないのか?幼児じゃ、さぁ?その単位…っていうか、組分け、腹立つから、日本人には二度と使うんじゃねぇ!
「…ちなみに、ひよこ組の上は?」
「アヒル組だ」
聞くんじゃなかった。聞いた俺がバカだった。少し好奇心が湧いてしまった俺が悪い。もう、いい。
「シュティール、もう行こう」
俺は言葉による痛恨の一撃を精神的に負い、瀕死状態だ。ここから立ち去るのが、一番だ。
「羞恥力だが…」
何だ、羞恥力って?バカじゃないの。もはや力じゃないよ。
「トラ組だ!」
…強いんだか、弱いんだか。こいつ、俺に留めを刺そうとしてるんじゃないのか。やられる前に、やるべきか。
あーあ、このパラメイターとかシュティールとか、もううんざりだ!この世界、うんざりだ…。
俺、ここでうまくやれんのかな。不安が不安を呼ぶ、最悪の世界…
オレンジジュースワールド?いや、その呼び名はあの、しもべが言っていただけだな。
もういいや、進もう…
街を覆う壁の先、金属製アーチの向こう側に、街の景色が目に入る。オレンジ色の煉瓦の家が建ち並んでいる。どの家も似ているな。白い壁は黄ばんでいるから、年期のある家が多いのかも。
「すぐそこに門番が立っているんだけれど、生肉大好き、と言ってみてくれないか。合言葉なんだ」
シュティールがまた意味のわからない事を言っているけど、無視して構わないだろう。
門番が俺を見る。ドキドキするな。別に門番が女という訳じゃないけど。シュティールが言うように、この街に合言葉が必要だとしたら。うーん、不安だ。生肉大好きとか、言う必要はないとは思うんだが。
「合言葉は嘘だよな、シュティール」
俺は一応、シュティールの顔を窺い、聞いてみる。
「…」
何でこいつ、無表情なんだ?そして、何も言葉を発しない。シュティール君の大好きな、おしゃべりタイムですよー。
「シュティール…?」
門番は、険しい顔で俺を睨んでくる。俺が何かやったか?いや、何もやろうとしないからなのか!?シュティール、俺、どうすれば…。
「あ、あの。えーと、あれだ。…生肉大好き。そー、そー、生肉大好き!」
困惑した俺は、シュティールに先ほど言われたふざけた言葉を、ダメ元で言ってみた。
「…どうしたの?大丈夫?生肉大好きって…。変な伝染病持ち込むのはダメだよ。生肉食べて、体調おかしくなったりとかはない?」
門番が危険人物を見る様な目で、声を張って言う。構えられた槍が恐いよ。
「あ…、生肉というか、俺、寿司が好きなんですよ。ハハハ…」
そう言って笑顔を作り、ごまかそうとする俺。
「何、スシって?怪しいな。街の中で何か起こったら、私の責任になるしな。この街に入れたくないな。どうしようかな…」
門番が顎に手をやり、唸る。視線を空に向けたかと思うと、一気に視線を下降させ、迷わず俺の腰辺りに直行する。あれ、何か?
「…お金、幾らあるの?」
門番は口に手をやり、目を細めてボソッとそう言った。金か、こいつ。結局金が世を支配するのは、地球も異世界もない訳だな。もちろん、金などない。地球に取って来れるなら、俺のサイフの中に2千円ほどあったはずだけどな。
門番は俺がさっと金を出さない事にイライラし始める。今ないものは、ない。だから、俺は救いの手を求めるため、視線をシュティールへ向けた。
「金で解決しそうな時は、何でも僕を頼ろうとするなよ。君に使うお金は少しも持っていないよ。それよりも、正直に言いなよ、この番人にさぁ」
シュティールは、不満そうにそう言った。はいはい、すいませんでしたよ。言う事がご立派ですこと。金を出してくれとは言わないけど、何か街に入る案でもくれないか。
「…呆けている場合じゃないよ。さぁ、言って」
と、シュティールは言うけど。何を?
「…ほら、君の旅の目的をだよ」
シュティールはそう続けて言った。俺の旅の目的?地球に帰り、転生前の元の姿に戻してもらって、止められた地球の時間を再び動かしてもらう。そういう事か?それとも…
「ギルロ様様様、の…、体と魂を、探しているんだよねぇ?イクト君は」
ニコリと笑ってそう言い、俺を見た後、門番を見た。
門番の表情が徐々に青ざめていくのがわかる。それほどの事か?この世界で、相当まずい事なのか?シュティールは、ギルロを王様とか言うんだ、みたいな事を言ってたけど。何だ、ギルロ?どんな立ち位置だ?わからない、わからな過ぎるぞ。ギルロ。
門番は、すまし顔で金属製アーチの向こう側に見える街並みを指差し、もう通っていいぞ、と言った。
俺との会話のやり取りをなかった事にしたいんだな。
俺は、引き気味の門番の表情を見て、少しの優越感を覚えながら、金属製アーチをくぐっていく。
街に入って、何か違和感があるような気がする。
シュティールは呆然としている俺の肩を叩き、10mほどまっすぐに歩くと着く、青い建物を指差した。
「君の世界にはまだないだろう?あそこに行けば、君の今の力がわかるという…」
何だ、わかるというって?俺の今の力がわかるのか。興味はあるな。今は、この体の事なら1つでも2つでも知りたいぐらいだからな。行ってみてもいいかな。
俺はその場所に向かって、まっすぐに歩いていく。しかし重たいな、この大剣。また、俺が持つ羽目になったぞ。まぁ、俺が与えられた物だから、仕方がないか。
そうか、わかったぞ。
この違和感。
まだ来たばかりだけど、まだ見ていないな。
街の人が、誰も歩いていないんだ。
何だろう、街全体がすごく静かだ。
という事を思いながら歩いていたら、すぐに到着、青い建物。
青い建物に、カウンターがあって、そこに長細く高い帽子を被った男が立っている。建物も青だけど、服装も青で染まってるな。目が死んでる。やる気があまりないだろう。
「…調べる?いいでしょう、若者よ」
何も言っていない俺に、強制的に話を進めようとするこの男。まあ、いいや。俺の力がわかるんだろう?教えてもらおう。
「私はパラメイター、お前の全ての力を数値化する事ができるのだ」
そう言って、パラメイターと名乗った男は、自分の人差し指を舐める。
俺の力を数値化できる?へぇ…。力が15とか、魔力が25とか言われるのかな。この体に魔力とか宿っていたら、すごいけどな。何だかおもしろそうだな。
パラメイターは、舐めた人差し指を俺の額になすりつけた。ギャー!汚い、おぞましい、オカマ!!
「わかった、わかったぞ。そういう事か。お前、そういうタイプなんだ?フフフ、意外と言えば意外か。でも、悪い事じゃないんだぞ?私も昔はな…」
何だ、会話に中身がないぞ!お前の昔話なんか知りたくもない、早く俺の力を数値化したものを教えてくれ。
「イクトくん、面白いね」
シュティールは、屈託のない笑顔でそう言う。こいつ、他人が困っているのを見るの、本当好きだな。ゴミめが。
「…では、まずお前の力の数値を教えて進ぜよう」
あ、ようやくか。では、教えてもらおうか。
「…」
「…」
「お前の、力は」
「…」
「…」
「52359875126583mdだ」
「…え?」
何、今の桁数…。すごいというより、ピンとこない。お前の力は52兆3000億…って言われても、何それ、ゲームでも出ないぞ、そんな大き過ぎる数値。そもそも、その最後に来るmdという単位が、合ってないんじゃないの?
「続いて、お前の知力だが…」
あ、続いちゃうんだ。頭がハテナマークでいっぱいの今の俺に、何言っても、入って来なそうなのに。
「…」
「…」
「3mdだ」
殺す!
力が52兆で、何で知力が3なんだよ!俺が持っている大剣、重いんだよ!今、重く感じるの!その俺の力が52兆とか言っておいて、何で知力がたった3しかないんだよ!微生物より知力ないんじゃないのか、俺?って、自殺したくなるだろ!こんな事言われたらさ!!
「…もう、い…」
「続いて、お前の耐久力を教えて進ぜよう」
パラメイター、もう聞く事を止めたいんだけど。
「…」
「…」
「26851266255mdだ」
268億…か。mdという単位がどの位を差すのかわからないから、全く感動がない。ただ、先ほど言われた知力が3というイラつきが、未だ残っているだけ。
「数値が、大きいと思うんだけどさ。ところで、何、mdって…?数値が大きくて、頭に入らない」
はー、スッキリ!パラメイターに言ってやった。
「微生物の力の単位でよく使うんだが…」
そう、このクソパラメイターが言った。何故、微生物の力で俺を計ろうとした?そう言えば、この世界の奴、人を過剰にバカにする癖がありそうだったからな。こいつも、そうなんだろう。ダメだな、どうもまだ、日本にいた時の感覚に戻るから、話をちょっとまじめに聞く癖があるな、俺。
「わかった、単位を変え、数値を小さくする。では、改めて最初から」
あ、改心したか?意外と素直だな、ぜひそうしてくれ。もう数値に対しての興味は薄れているけどな。
「…」
「…」
「0.0000825698223smだ」
数値が大きいという言葉は、失敗だったか。数字の数が多いと言うべきだったな。単位は微生物の力の単位じゃないんだろうが、小数点がついて0.00008…この数値を聞くと、俺が微生物と同レベルじゃないだろうかと錯覚する。
「パラメイター、もっとわかりやすく言ってあげてくれないかな。彼は、異世界から遥々訪れた、言わば客人なのさ。優しくしてあげて欲しい」
シュティールがパラメイターにそう言い、珍しく優しさを見せる。やればできるじゃないか、シュティール、とはならない。こいつ、絶対裏があるからな。
「…何処から来た?」
「…地球」
「わかった」
え、わかったの?地球知ってるんだ?意外とこの世界と地球、距離が近いんじゃないか?電車で帰れないにしても、宇宙船でなら、帰れるとか。
「お前の力を、教えて進ぜよう」
「…」
「…」
「ひよこ組だ」
殺す!!
幼稚園の組み分けじゃないんだよ!?俺の力は、幼児レベルか?この大剣を持ち上げる事すらできないんじゃないのか?幼児じゃ、さぁ?その単位…っていうか、組分け、腹立つから、日本人には二度と使うんじゃねぇ!
「…ちなみに、ひよこ組の上は?」
「アヒル組だ」
聞くんじゃなかった。聞いた俺がバカだった。少し好奇心が湧いてしまった俺が悪い。もう、いい。
「シュティール、もう行こう」
俺は言葉による痛恨の一撃を精神的に負い、瀕死状態だ。ここから立ち去るのが、一番だ。
「羞恥力だが…」
何だ、羞恥力って?バカじゃないの。もはや力じゃないよ。
「トラ組だ!」
…強いんだか、弱いんだか。こいつ、俺に留めを刺そうとしてるんじゃないのか。やられる前に、やるべきか。
あーあ、このパラメイターとかシュティールとか、もううんざりだ!この世界、うんざりだ…。
俺、ここでうまくやれんのかな。不安が不安を呼ぶ、最悪の世界…
オレンジジュースワールド?いや、その呼び名はあの、しもべが言っていただけだな。
もういいや、進もう…
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