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第一章 オレン死(ジ)ジュースから転生
その23
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シュティールは、意味不明な笑みを俺に向けて、お話しライオンの側に寄っていった。そして、倒れて動かなくなったお話しライオンを見つめ、
「あれ?まだ生きているみたいだよ」
そう言って、俺の方へ目を向け、様子を窺うシュティール。
俺がびっくりして、目を丸くしている姿を見て、シュティールはバカにする様に声を出して笑う。
「嘘だよ!倒したみたいだね。さすが…負け犬根性は凄いよね」
そう意味不明な事を言う。
負け犬??あの凶悪な、お話しライオンを倒したんだぞ!?
勝ち犬だろう。
いや、負け犬に対しての反対の言葉が勝ち犬というのかは、わからないが、完全に勝ち犬だ!
いや待てよ?負けと犬がセットパックになって、侮辱される言葉になっているのかも知れないな。ゴミ虫とかいう過激に見下す言葉があるけど、優秀な虫だ、とか、前半だけの言葉だけ訂正して後の言葉をそのままにして言っても、劣等感は拭い去れないぞ。
じゃあ、勝ち人間だ!
いや、まだ頭が弱い奴のセリフだな。
勝ち強化超人だ!
いや、頭が弱い奴のセリフに変わりはないな。
もういいや。
「負け犬って言い方はないだろう?」
俺は、思った事をそのまま口にしてみた。
シュティールは俺の言葉を聞いて、笑みを浮かべたまま、人差し指を自分の顔の前に持ってきて、否定するかの様に横に振る。
「君の先ほどの姿を、僕は見た事があるんだよ。この世界の事は、君よりも知っているつもりさ」
そう、得意げに語るシュティール。
まぁいい。俺も、今のお話しライオンとの戦いで、霧蔵という男の力が、何で俺なんかに使えたのかが、よくわからない。正直、自分のこの体が何なのか、不可解極まりないと思う。不安だ。でも、それを言い出したら、全てにおいて不安で一杯だ。今でも、ここにいるのが夢なんじゃないかと思うぐらいだからな。でも、シュティールは何か、この体の事を知ってるのか?
「じゃあ、教えてくれよ。何だと言いたいんだ?」
そう聞いたら、
「負け犬根性」
そう返してきた。
はい、それ予測できました。さっき、聞きました。おふざけ殺人鬼シュティール君に、何も期待できませんね。さようなら!
あ、そう言えば、シュティールが言っていたアバルマの沼地の魔物って、もしかしてこのお話しライオンだったのかな?よく周りを見ると、所々に沼らしきものがある。こいつの…心臓を、持っていけばいいのか?
「何だい、イクト君?」
「この魔物って…」
「ああ、フルワットの街に入る条件で、沼地の魔物の心臓がいると言ったね」
「じゃあ…?」
「あれ、嘘だからね。魔物の心臓なんか、持って行ったら、街に入れてくれようとする事はないだろうね。だって、どう考えても気持ち悪いじゃない」
シュティール!!
この悪魔!!!
もう二度とこいつの話は信用しない!よくこの世界を知らない俺に、そこまで悪質な嘘がつけたもんだな!?お前は、この世界一、性格の悪い男なんだよ!!
「…シュティール。俺一人で大丈夫だ。ギルロの体と魂を、探してみるよ。世話になったな」
悪魔退散!悪魔退散!俺は心で念じながら、シュティールから離れる事に成功した。
5メートルだけ。
「僕を召喚獣などと虐げる言葉を吐いた事や、僕をあの魔物に殺させようとした事、水に流して欲しいのかい?」
あ…、やっぱり、それ言うんだ。
俺の後を追って、そう言ってきた。ああ、生きた心地がしない。背中にナイフを突きつけられている様な感覚。
「…悪かった」
そうポツリと一言、俺は言った。俺もシュティール君に対して、大きな心労というものが絶えなかったので、そんな言動に出てしまった。お互い様という事にしようか。その意味も込めてのポツリと小さく謝罪だ。気持ちを汲んでくれ。
「いいよ、許してあげるよ」
シュティールは、笑顔でそう言った。
ああ恐い。その後、何を言われるか。さっさとここを…シュティールから離れなければ。人を油断させておいて、言葉の猛毒ナイフを深々と突き刺そうとするんだろ?わかってるんだよ。
「フルワットの街で、ギルロの情報を集めるといいさ。一緒に行こう」
そう言って、シュティールは俺の肩を叩いて先を歩いていった。
ここで従わないと、後が恐そうだな。仕方ない、フルワットの街まで、一緒に行くか。でも、この恐怖大王シュティールとの一緒の行動は、そこで終わりだ。こいつは、悪魔だからな。
…でも、俺がお話しライオンを見失った時、上から襲ってきている事、教えてくれたな。
俺、お話しライオンをお前の方に向かわせたのにな。
…でも、油断しないでいこう。
「あれ?まだ生きているみたいだよ」
そう言って、俺の方へ目を向け、様子を窺うシュティール。
俺がびっくりして、目を丸くしている姿を見て、シュティールはバカにする様に声を出して笑う。
「嘘だよ!倒したみたいだね。さすが…負け犬根性は凄いよね」
そう意味不明な事を言う。
負け犬??あの凶悪な、お話しライオンを倒したんだぞ!?
勝ち犬だろう。
いや、負け犬に対しての反対の言葉が勝ち犬というのかは、わからないが、完全に勝ち犬だ!
いや待てよ?負けと犬がセットパックになって、侮辱される言葉になっているのかも知れないな。ゴミ虫とかいう過激に見下す言葉があるけど、優秀な虫だ、とか、前半だけの言葉だけ訂正して後の言葉をそのままにして言っても、劣等感は拭い去れないぞ。
じゃあ、勝ち人間だ!
いや、まだ頭が弱い奴のセリフだな。
勝ち強化超人だ!
いや、頭が弱い奴のセリフに変わりはないな。
もういいや。
「負け犬って言い方はないだろう?」
俺は、思った事をそのまま口にしてみた。
シュティールは俺の言葉を聞いて、笑みを浮かべたまま、人差し指を自分の顔の前に持ってきて、否定するかの様に横に振る。
「君の先ほどの姿を、僕は見た事があるんだよ。この世界の事は、君よりも知っているつもりさ」
そう、得意げに語るシュティール。
まぁいい。俺も、今のお話しライオンとの戦いで、霧蔵という男の力が、何で俺なんかに使えたのかが、よくわからない。正直、自分のこの体が何なのか、不可解極まりないと思う。不安だ。でも、それを言い出したら、全てにおいて不安で一杯だ。今でも、ここにいるのが夢なんじゃないかと思うぐらいだからな。でも、シュティールは何か、この体の事を知ってるのか?
「じゃあ、教えてくれよ。何だと言いたいんだ?」
そう聞いたら、
「負け犬根性」
そう返してきた。
はい、それ予測できました。さっき、聞きました。おふざけ殺人鬼シュティール君に、何も期待できませんね。さようなら!
あ、そう言えば、シュティールが言っていたアバルマの沼地の魔物って、もしかしてこのお話しライオンだったのかな?よく周りを見ると、所々に沼らしきものがある。こいつの…心臓を、持っていけばいいのか?
「何だい、イクト君?」
「この魔物って…」
「ああ、フルワットの街に入る条件で、沼地の魔物の心臓がいると言ったね」
「じゃあ…?」
「あれ、嘘だからね。魔物の心臓なんか、持って行ったら、街に入れてくれようとする事はないだろうね。だって、どう考えても気持ち悪いじゃない」
シュティール!!
この悪魔!!!
もう二度とこいつの話は信用しない!よくこの世界を知らない俺に、そこまで悪質な嘘がつけたもんだな!?お前は、この世界一、性格の悪い男なんだよ!!
「…シュティール。俺一人で大丈夫だ。ギルロの体と魂を、探してみるよ。世話になったな」
悪魔退散!悪魔退散!俺は心で念じながら、シュティールから離れる事に成功した。
5メートルだけ。
「僕を召喚獣などと虐げる言葉を吐いた事や、僕をあの魔物に殺させようとした事、水に流して欲しいのかい?」
あ…、やっぱり、それ言うんだ。
俺の後を追って、そう言ってきた。ああ、生きた心地がしない。背中にナイフを突きつけられている様な感覚。
「…悪かった」
そうポツリと一言、俺は言った。俺もシュティール君に対して、大きな心労というものが絶えなかったので、そんな言動に出てしまった。お互い様という事にしようか。その意味も込めてのポツリと小さく謝罪だ。気持ちを汲んでくれ。
「いいよ、許してあげるよ」
シュティールは、笑顔でそう言った。
ああ恐い。その後、何を言われるか。さっさとここを…シュティールから離れなければ。人を油断させておいて、言葉の猛毒ナイフを深々と突き刺そうとするんだろ?わかってるんだよ。
「フルワットの街で、ギルロの情報を集めるといいさ。一緒に行こう」
そう言って、シュティールは俺の肩を叩いて先を歩いていった。
ここで従わないと、後が恐そうだな。仕方ない、フルワットの街まで、一緒に行くか。でも、この恐怖大王シュティールとの一緒の行動は、そこで終わりだ。こいつは、悪魔だからな。
…でも、俺がお話しライオンを見失った時、上から襲ってきている事、教えてくれたな。
俺、お話しライオンをお前の方に向かわせたのにな。
…でも、油断しないでいこう。
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