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第一章 オレン死(ジ)ジュースから転生
その7
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そして、俺はあの部屋を、追い出され…
鎧を身につけ、大剣を引きずりながら、ギルロっていう王様の体と魂を探しに行く旅に出た。
戸の外には、同じ様な洋風の高い建物が建ち並んでいた。海外に行った事がないから、少し感動している俺。いや、海外どころか、今は異世界に来てるんだから、しかも転生して。今の方が凄いのか。いやいや、しかし嬉しくはないぞ、全く。
石畳の地面に、カツンカツンと高い音を立てて、中世ヨーロッパの人が着そうな服を着て、ヒールの音を響かせて、行き交う人達。
その内の1人の女が、俺に差別的な視線を向ける。
「何、リスみたいな格好しているのよ」
その女は、面倒臭そうに口を開いたかと思えば、意味不明だが、不愉快な気分にさせる言葉を、俺に吐く。
リス。あの種や木の実を食べてる、尻尾の大きいネズミみたいな小動物か。高校生くらいの男が、鎧を身につけ、大剣を持つと、リスに見えるのか?俺の体型自体も、普通。リスには、絶対に見えない。
「リスって、もしかして、俺の事じゃないよね?」
一応、再確認をしてみた。
「ハハハ、面白いリスだねぇ~。ほら、そこで拾った花やるから、死に物狂いで、はー、はー、言いながら、食べてみな!」
このババア!…は、そう言って、地面に花一輪を地面に投げて、食えとばかりに指差した。
早速、人の皮を被った悪魔が現れたか。そのための、大剣だ。いいだろう、斬り殺してやるぞ。
俺は、大剣を持ち上げ、そのババア、もとい…悪魔に、大剣を上から振り下ろそうとした。
「口は、口で返せよ!暴力行使とは何なのよ、このクソリスが!」
と、ババア悪魔。言葉も言い過ぎは、立派な暴力です。死になさい!
「ちょっと、待ってぇぇん!嘘に決まってるじゃないぁぁいん!」
と、ババア悪魔。ぐぇぇ…!気持ち悪い!色気ゼロ!その行為自体が、もう立派な武器なんだよ。お互いに武器を持っているから、文句はないだろう。
「ちょっとだけなら、いいわよ。お兄さん、私の好みだ・か・ら?」
と、ババア悪魔。お前、さっきクソリスとか、俺に向かって言ってなかったか。好みの男に対して、クソリスとか言わないだろう。俺も、言った事がない。好みの女に対して、おいクソリス、俺の好みだ!とか。何処の高さから物言ってんだと思っちゃうよな。その前に、好みの女に対しては、テンパってあわあわ言うしかできないのが俺だから、多分、無言。そうなると、気持ち悪いから、好きな気持ちを相手に悟らせない、近寄らない、これが俺だ。これは、これで情けないが、今は関係ない!
「俺の好みじゃないし。邪魔をするな、道を開けろ!」
ああ、おぞましい。
ババア悪魔は、顔を真っ赤にして、目ん玉が飛び出るかと思わせるくらい、大きく見開く。
「そんな言われ方、された事ねぇわ!」
と、ババア悪魔。そうでしょうね。あんたは、暴言を浴びる側じゃなくて、浴びせる側だろうから。しかも、俺は、あんたほど酷い言い方は、していない。けど、まぁ、いい。勝負してやる!
これが、俺のこの世界での初めての戦いという事になるのか。
いや、ならないな。段々バカらしくなってきた。相手にしなくていい、こういう奴は、自滅する。
俺は、ババア悪魔の横を通り過ぎて、ブツブツと毒を吐き続けるババア悪魔を無視した。
しばらく歩いて行くと、店のショーケースに、貴族の様な上質な服装をした男のマネキンが飾ってあるのが、目についた。何か、リアルさがあるな。
ギルロって王様の体と魂の話を聞いてから、こういうマネキンも、気になる。しかし、そもそも、ギルロの顔が、全くわからない。
だめだ、こういう事は、俺だけの考えでなく、もっと頭いい奴が一緒にいて、考えてくれないと。そう、仲間を見つけよう。
鎧を身につけ、大剣を引きずりながら、ギルロっていう王様の体と魂を探しに行く旅に出た。
戸の外には、同じ様な洋風の高い建物が建ち並んでいた。海外に行った事がないから、少し感動している俺。いや、海外どころか、今は異世界に来てるんだから、しかも転生して。今の方が凄いのか。いやいや、しかし嬉しくはないぞ、全く。
石畳の地面に、カツンカツンと高い音を立てて、中世ヨーロッパの人が着そうな服を着て、ヒールの音を響かせて、行き交う人達。
その内の1人の女が、俺に差別的な視線を向ける。
「何、リスみたいな格好しているのよ」
その女は、面倒臭そうに口を開いたかと思えば、意味不明だが、不愉快な気分にさせる言葉を、俺に吐く。
リス。あの種や木の実を食べてる、尻尾の大きいネズミみたいな小動物か。高校生くらいの男が、鎧を身につけ、大剣を持つと、リスに見えるのか?俺の体型自体も、普通。リスには、絶対に見えない。
「リスって、もしかして、俺の事じゃないよね?」
一応、再確認をしてみた。
「ハハハ、面白いリスだねぇ~。ほら、そこで拾った花やるから、死に物狂いで、はー、はー、言いながら、食べてみな!」
このババア!…は、そう言って、地面に花一輪を地面に投げて、食えとばかりに指差した。
早速、人の皮を被った悪魔が現れたか。そのための、大剣だ。いいだろう、斬り殺してやるぞ。
俺は、大剣を持ち上げ、そのババア、もとい…悪魔に、大剣を上から振り下ろそうとした。
「口は、口で返せよ!暴力行使とは何なのよ、このクソリスが!」
と、ババア悪魔。言葉も言い過ぎは、立派な暴力です。死になさい!
「ちょっと、待ってぇぇん!嘘に決まってるじゃないぁぁいん!」
と、ババア悪魔。ぐぇぇ…!気持ち悪い!色気ゼロ!その行為自体が、もう立派な武器なんだよ。お互いに武器を持っているから、文句はないだろう。
「ちょっとだけなら、いいわよ。お兄さん、私の好みだ・か・ら?」
と、ババア悪魔。お前、さっきクソリスとか、俺に向かって言ってなかったか。好みの男に対して、クソリスとか言わないだろう。俺も、言った事がない。好みの女に対して、おいクソリス、俺の好みだ!とか。何処の高さから物言ってんだと思っちゃうよな。その前に、好みの女に対しては、テンパってあわあわ言うしかできないのが俺だから、多分、無言。そうなると、気持ち悪いから、好きな気持ちを相手に悟らせない、近寄らない、これが俺だ。これは、これで情けないが、今は関係ない!
「俺の好みじゃないし。邪魔をするな、道を開けろ!」
ああ、おぞましい。
ババア悪魔は、顔を真っ赤にして、目ん玉が飛び出るかと思わせるくらい、大きく見開く。
「そんな言われ方、された事ねぇわ!」
と、ババア悪魔。そうでしょうね。あんたは、暴言を浴びる側じゃなくて、浴びせる側だろうから。しかも、俺は、あんたほど酷い言い方は、していない。けど、まぁ、いい。勝負してやる!
これが、俺のこの世界での初めての戦いという事になるのか。
いや、ならないな。段々バカらしくなってきた。相手にしなくていい、こういう奴は、自滅する。
俺は、ババア悪魔の横を通り過ぎて、ブツブツと毒を吐き続けるババア悪魔を無視した。
しばらく歩いて行くと、店のショーケースに、貴族の様な上質な服装をした男のマネキンが飾ってあるのが、目についた。何か、リアルさがあるな。
ギルロって王様の体と魂の話を聞いてから、こういうマネキンも、気になる。しかし、そもそも、ギルロの顔が、全くわからない。
だめだ、こういう事は、俺だけの考えでなく、もっと頭いい奴が一緒にいて、考えてくれないと。そう、仲間を見つけよう。
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