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第一章 オレン死(ジ)ジュースから転生

その4

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「ここは、日本なのか?」

俺はそう聞いてみた。知ってるディスカウントストアの名前や公園の名前が、目についたからだ。

そうしたら、キチガイ神父は、首を振り、違うと答えた。

「勇者よ、貴方の前世の記憶が、この世界を曲解させて見せているだけなのだ。もう一度、その戸を開けて、見てみるといい」

そのキチガイ神父は、冷静にそう言った。

確かに、そうかもな。

まだ俺はパニック状態という事だな。

あまり深く考えないでおこう、より混乱しそうだ。オレンジジュースの中に入っていた微生物に殺されて、転生。はい、勇者です、外に出ろと言われても、パニックだろう。それは、仕方のない事だ。

「ちなみに、俺は何処に行って、何をすればいいの?」

当然、これは聞いてみた。何を期待しているのか、わからなかったからな。

「戸を開け、魔王と同等くらいの高さの建物の並びを抜けると、凶悪な形相をした魔女かと思うくらいの、性格の悪い老婆の棲む家がある。そこを右に曲がってまっすぐ行くと、そこにある」

キチガイ神父は、わかりにくそうに、そう言った。

「今の話に、魔王と魔女が登場した様な、しないような。で、何があるの?」

「オレンジジュース!」

オレンジジュース。こいつは、何故、オレンジジュースを勧めてくるのか。わからないな。俺の前世の死因に関わりのあるオレンジジュースなんだけど。いいよ、いいよ、大人になって、冷静に返事をしてあげよう。

「オレンジジュースは、今、飲みたくはないんだ」

どうかな?俺の大人の対応。

「…前世で何か、あったのかな?」

そう言い、ニヤニヤと笑い、見下すかの様な視線を送ってくるキチガイ神父。こいつ、知っているな!?何て、性格の悪い奴だ!!

「貴方は、誰ですか?」

そう聞いてみた。もはや、味方とは思えないからな。

「オレンジ神父です」

殺す!!
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