人形と少年騎士と

悪魔王の章

piece23 しくじり

騎士団長キヴァリエを失った国王軍は、混乱して、魔物軍勢に隙を突かれてしまった。

街のオリエンダを戦場にしてしまったけど、聖術騎士を中心に、盛り返そうとしたんだ。

シュツハイドは、曲刀2本を操り、風魔法を組み合わせ、魔物を倒していき、ニーブルヘンは短剣を魔物に突き刺し、そこに雷を落とし、魔物を減らしていったという。
 
マイハークは、キヴァリエさんが戦場に倒れている事に気づいたのが、あまりにも遅すぎた、そう言って、悔しそうにして、しばらく黙っていた。

聖術騎士の1人が、バイカルの裏切りに気づいて、バイカルの元へ向かったという。

バイカルとの一対一の勝負…

とは、ならなかった。

魔王シュリンガーの元右腕バタルドンが、合流してしまったんだ。

バタルドンは、逃げ遅れた１つの家族を利用して…

その聖術騎士の戦意を消す行動に出た。

バタルドンは、小さな男の子に剣を突きつけた。

人質…

大人しくしろって。

父親を殺して…

止めろって、言って、た…のに。

母親を、殺して。

剣を捨てた、のに。

兄弟を、殺して。

絶叫して、気がおかしくなった、その男の子は、生かされた。

おもしろいから、だって。

…

この戦いで、裏切り者のバイカルは、その街に封印され、魔物軍勢は、撤退した。

メーヘンハイユの兵は、優秀だ、ね。

キヴァリエさんを失ったまま、師匠のマイハークと残りの聖術騎士2人を中心に、リ・エックス作戦を成し遂げたという話だった。

聖術騎士は、残り…2人？

その、封印は、破られそうになっていた。

他国の魔物の動きを見ても、何か恐ろしい事の前触れじゃないかって。

だから、

封印をした場所で、バイカルを倒そうとした。

それが敵わず、ある程度の傷を負わせたみたいだけど、逃げられてしまった…

この国には、あらゆる結界が張られている。

バイカルにも、効果があるらしい。

遠くへは逃げていなかったけど、向かった先は、

幸か、不幸なのか。

戦力が集中した、王城のすぐ下、

王都だった…