剣士アスカ・グリーンディの日記

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第1章 ドラゴンバスター

マッドク王国の砦での戦い

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荒野のバルハラス地域を抜け、マッドク王国領に近づいた時、国境の砦に構えていたマッドク王国の兵の数は。

300は、いただろう。

僕らは100。

いや、もっと少ない。

砦の狭い窓口からこちらを窺う弓矢。そこに狙いを定め、撃ち込んでいくのは、リガード竜騎士団のカイゾールとラジリン。

僕は、騎馬を走らせ、砦の正面扉へ向かった。

当然、敵兵の弓の標的になる。

僕の騎馬を走らせる軌道が読めるのなら、やるがいい。

弓兵が狙いをつけられないと、その隙を今度はリガード竜騎士団の弓の精鋭が、突く。

砦に近づくと、敵兵は扉を開け、隊列を組んで襲いかかってきた。

このままだと、僕らは砦の横を素通りして、マッドク王国本拠地に突き進むだけだから、当然だ。

この瞬間だ。

僕は、このために、生きている。

戦いが、僕の居場所であり、

生き甲斐、、、


___________________

空に飛んだ大きな鳥を、

竜と呼んだけど。

あれは、竜じゃない。



翼竜は、ウイプルに何匹かいたんだけど。

貴覇竜と呼ばれたラリュナピュートが死に、他の翼竜は、ウイプルを離れた。



竜を信仰している国が、竜を殺したんだから。

驚いただろうね。

ごめんね。

きっと、許されない。


___________________

砦のマッドク兵は、残り100位になった時だっただろうか。

撤退していった。

僕らは、60位の兵が残っている。

ほとんどが、竜騎士団の者達だ。

このまま攻め込んで、

そして、死ぬ。

そんな事はしないだろうけど。

これで、マッドクは本気になるだろう。



僕らはウレリアの砦に戻ってきて、マッドク王国の動きを見ている。

セケメント地域の戦いは、僕らウイプル王国の勝利となった。ウイプル配備兵がアルタイ岩頭院の軍を破り、完全に制圧した。

しかし、兵の数をすり減らしているが、今後の戦いはどうなるか。

どうなろうとも、僕は、戦うしかない。



そう。



この命は、もう何年か前に、



僕の手から離れたのだから。



サヴィエルの25日
                   ウレリアの砦にて

___________________
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